レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2013/12/25
- 登録日時
- 2015/02/14 00:30
- 更新日時
- 2015/02/14 00:30
- 管理番号
- 6001007055
- 質問
-
解決
江戸時代の大坂の両替商の加島屋について調べています。加島屋広岡氏(加島屋久右衛門)は現在の大同生命を創立し、史料も色々とありました。もうひとつの加島屋長田氏(加島屋作兵衛)の方は明治期に没落したようで史料があまり見当たりません。7代目加島屋作兵衛から、寛政4年(1792)に作五郎が、文化5年(1808)に作次郎が分家として家督分けされています。この7代目作兵衛と作五郎と作次郎は親子なのか兄弟なのか血縁関係がわかりません。また明治以降の動向についてもよくわかりません。
- 回答
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以下の資料が、長田氏についての所蔵資料の中では、まとまっているようです。
(【 】内は、当館の請求記号です。)
『史料館所蔵史料目録 第14集』史料館 昭和43年 【210.08/8N/14】
この資料には、「摂津国大阪加嶋屋長田家文書目録」と、「加嶋屋長田家文書解題」が収録されています。
(資料により、嶋や島が使われています。)
「解題」は、125頁~158頁にわたり、、長田家の系譜、系図、幕府御用について、公銀貸附その他名目貸について、大名御用と入替両替、明治以後の長田家、藩債処分、官私負債事件、挫折後の長田家、長田家と加島屋店、という項目で書かれています。
附記に、収蔵の経緯が以下のように書かれています。
「本文書は、旧三井文庫に収蔵されていたもので、昭和二十六年当館に委譲された。旧三井文庫収蔵の経緯については茶人箒庵高橋義雄の『近世道具移動史』(慶文堂書店)によれば、明治二六年大阪の三井銀行支店長として赴任された同氏が、同支店倉庫の一隅に長田家の所蔵品が封印のまま抵当流れとなっているのを知り、(略) 本文書はその際分配洩れの残品と共に、旧三井文庫に収蔵されたものといわれる (略)」
p.129 長田家系図
七代 政興 小三郎・松次郎・作兵衛・幸作 宝暦六、四、二一 文政一〇、三、八 礼敬院宗懿日徳居士 七二才
次頁に、お探しの作五郎家、作次郎家の系図もあります。
p.130 長田家系図
作五郎家(船町店)
初代 政堯(中筋村小池次郎左衛門妻弟 政信養子 寛政四、一二分家 作五郎・二潤・紫巒 宝暦二、九、二 文化二、一、一一 詮量院法寿日照信士 五四才)
作次郎家(尼崎店)
初代 政則(政信男 文化五、六分家 喜次郎・作次郎・政穂 明和七、一一、二五 文化一三、六三 随成院頓悟日静信士 四七才)
明治以降の動向についてはp.143~158に詳しく述べられています。
(本文は、「国文学研究資料館 収蔵歴史アーカイブズデータベース」で、『史料館所蔵史料目録 第一四集』を検索すると、御覧いただけます。解題については、史料目録PDF版TOPをクリック願います。)
[事例作成日:平成27年1月19日]
- 回答プロセス
- 事前調査事項
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ネット検索すると、「史料情報共有化データベース」に加嶋屋長田家についてのデータがあり、代々の作兵衛について書かれていたものの7代目について不明でしたが作五郎は養子であることはわかりました。また、山田志乃布「近世大坂における商人の町屋敷所持:加嶋屋長田家を事例として」という論文がありましたが、不動産取得に関する内容が中心で血縁関係についてはわかりませんでした。『大阪市史』、『浪速叢書』、『大阪春秋』、『上方』なども調べましたがわかりませんでした。
- NDC
- 参考資料
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- 近世道具移動史 高橋/義雄∥著 有明書房 (100-102)
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 大阪,人物・団体
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000167679