レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 登録日時
- 2019/05/19 11:37
- 更新日時
- 2020/09/28 09:47
- 管理番号
- 塩尻504
- 質問
-
未解決
北小野の古町、宮前、大出、勝弦などの地区名の由来を知りたい。
- 回答
-
由来について分かった地区とそうでない地区があった。また地名の由来については、資料によって説が異なっている場合もあったので、最終判断は利用者の方にしていただいた。
【資料1】
p653 勝弦新田村についての記述あり。
【資料2】
p326 勝弦新田村についての記述あり。
大出、古町については、近隣市町村の同じ地名について記述があったので、参考までにお伝えした。
【資料3】
p248 大出についての記述あり。
「なお、この地には、平出、高出、大出等の地名があるが、これらはいずれも地下水湧出の泉の古語である。平出は宗賀に、高出は広丘に、大出は北小野にあって、いずれも多量の良水を湧出し、人々に寄与している」
p250 勝弦についての記述あり。
「勝弦という地名も珍しい地名で、その語源を明らかにしがたい。諏訪の岡谷地籍から伊那の筑摩地や塩尻にぬける峠で、原始・古代の遺跡もある。天文十七年、武田・小笠原決戦の時は、塩尻峠から勝弦峠にかけて両軍が展開、小笠原軍の敗れたところである。江戸時代に開墾されて、勝弦新田という新村をつくった」
【資料4】
p156 古町についての記述あり。
伊那市、牟礼村、松川町の「古町」という地名についての解説であるが、「町」という語には水田地帯という意味があり、「「古町」は湿地帯の田で古い時代の田はすべてこうした所にあった」という記述あり。
p271 いで(出)についての記述あり。
「親村が発展するに伴って、その周辺に新しい土地を求めて出村が行われ、新しい集落とか耕地ができます。これを「出」(いで)というものと思います。(中略)また「いで」(出)は水が出る所とする考え方もあるので、この立場に立つと湧水のある傾斜地ということになります。(中略)「大出」「小出」はよく目にふれますが、現今の私たちの考える大きいとか小さいではなく、もとの発音の形は「お」だったとみられ、両社はただ単に接頭語で、後にこの音に「大」「小」の字が当てられたものと考えます。」
【資料5】
p112 古町の地名について記述あり。
「古町は初めは「新町」といっていたが、安政4年(1857)南の方に、また同5年(1858)北の方に大火が続いてあったので、「新町」を「古町」と改めたという説が一部に誠しやかに言い伝えられたと言うが、安政より約100年も前に神明様の前に祀られている双体道祖神は、宝暦4甲戍(1754)建立の碑銘には古町村中と刻まれている。」
p117 大出の語源について記述あり。
「中通り:これは扇状地の末端で地下水は伏流となり、ここから大量の湧水があった。(中略)真先に人々が住み込んだと思われ、大出の語源となったであろう。」
【資料6】
p104~105「字地」の項目で各地区が土地のどの部分に該当するかの解説がある。地名については下記の地区について記載あり。
古町:「古名新町ト云フ」とあり
勝弦新田:「古名飼鶴ト云フ」とあり
118p「古跡」の項目に「字矢先」という土地について由来が書かれている。
- 回答プロセス
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レファレンス協同データベースで公開されている類似の事例を参考に、当館書架で【資料1】、【資料2】を確認した。
さらに当館の郷土資料の棚をブラウジングし、【資料3~5】を確認した。
また調査の過程で北小野が塩尻市と合併する以前の「筑摩地村」という村名が分かったので、国立国会図書館サーチにて「筑摩地」というキーワードで検索し、【資料6】を確認した。
- 事前調査事項
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北小野地区誌を見たが載っていなかった。
- NDC
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- 日本 (291)
- 中部地方 (215)
- 参考資料
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- 【資料1】下中邦彦 編,日本歴史地名大系 20 長野県の地名,平凡社,1979
- 【資料2】「角川日本地名大辞典」編纂委員会 編 ,角川日本地名大辞典 20 長野県, 角川書店、1990
- 【資料3】信濃毎日新聞社 編, 新しなの地名考, 信濃毎日新聞社,1975
- 【資料4】松崎岩夫著、長野県の地名 その由来、信濃古代文化研究所、1991
- 【資料5】集落の姿 ふるさとづくり塩尻 ふるさとづくり十周年記念、塩尻総合文化センターふるさと活動担当、1988
- 【資料6】東筑摩郡教育部会 編 , 東筑摩郡教育部会. 東筑摩郡村誌 第4輯. 東筑摩郡教育部会, 1934.
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
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下記の資料について調査したが、地名の由来については確認できなかった。
北小野地区誌
辰野町誌 歴史編
長野県上伊那誌2 歴史篇
古町区誌
神戸千之著『信濃国憑里の歴史』 伊藤新販社, 1986
神戸千之著『小野神社の研究 (信濃國二之宮)』 伊藤新販社, 1984
吉田東伍著『大日本地名辞書.北國 東國』 富山房、1940
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 地名
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000256163