レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2011/1/20
- 登録日時
- 2011/02/24 02:00
- 更新日時
- 2020/03/18 14:07
- 管理番号
- 京資-163
- 質問
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解決
たばこが専売になる前、京都に芝原嘉兵衛というたばこ商がいた。その人物について書かれている資料はあるか。
- 回答
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芝原嘉兵衛は、『京都市姓氏歴史人物大辞典』によると、嘉永元(1848)年の生まれで、大宮松原で煙草問屋と郵便請取所を営んでいた。後年は真宗信徒生命保険会社や起業銀行の設立に参加し、京都取引所理事や京都電気鉄道株式会社監査役も兼任した。
また、『人事興信録』(大正4年)では、嘉兵衛の生年は弘化3(1846)年となっている。
上記の資料以外に、芝原嘉兵衛について記載されているものとして、『新撰京都叢書』の第6巻『売買ひとり案内』、同巻『都の魁』、第8巻『京都新繁昌記』、『京都商工人名録』(明治36年)、『京都市官民一致年賀会誌』(明治35年)がある。
- 回答プロセス
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(1)『京都府百年の年表 10 総索引』で「芝原嘉兵衛」を調べたが、記載されていなかった。
(2)京都府立総合資料館・京都府立図書館の蔵書検索システムで、たばこの分類である「589.8」を検索したところ、『京都とたばこ』の中に、明治中頃の京都の代表的なたばこ商が記載されていたが、芝原嘉兵衛の名前は見あたらなかった。また、『近代たばこ考』『たばこ王村井吉兵衛』にも記載されていなかった。
(3)人物事典などを調べたところ、『京都市姓氏歴史人物大辞典』(角川日本姓氏歴史人物大辞典 26)に「芝原」の項が記載されていた。その記述によると、嘉兵衛は嘉永元(1848)年生まれ、大宮松原の煙草問屋で郵便請取所も兼ねていた。また、後年は真宗信徒生命保険会社や起業銀行の設立に参加し、京都取引所理事、京都電気鉄道株式会社監査役も兼任した。
(4)『新撰京都叢書』の索引で「芝原嘉兵衛』を調べると、同書第6巻の『売買ひとり案内』に「煙草問屋 大宮松原上ル 芝原嘉兵エ」と記載されており、同巻の『都の魁』に郵便請取所として「大宮松原上ル 芝原嘉兵衛」と記載されていた。また、同書第8巻の『京都新繁昌記』に、真宗信徒生命保険会社や起業銀行の設立の経緯が記載されていて、芝原嘉兵衛の名も記載されていた。
(5)紳士録などを調べたところ、以下の資料に記載されていた。
『京都商工人名録』(明治36年) 「商業之部 煙草」に嘉兵衛の名が記載されていた。
『京都市官民一致年賀会誌』(明治35年) 「煙草商(製造仲買)」に「芝原嘉一郎 大宮松原」が記載されていた。
『人事興信録』(大正4年) 嘉兵衛の名が記載されているが、生年が弘化3(1846)年になっていた。父も嘉兵衛で、長男は嘉一郎。
- 事前調査事項
- NDC
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- その他の雑工業 (589 9版)
- 参考資料
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- 『京都とたばこ』 日本専売公社編 日本専売公社京都工場 [198-] 223p (当館請求記号K1/589.8/N71)
- 『近代たばこ考』 大渓元千代著 サンブライト 1981.4 225p (当館請求記号589.8/O84)
- 『たばこ王村井吉兵衛』 大渓元千代著 世界文庫 1964 316p,図版32枚 (当館請求記号K1/589.8/MU41-O)
- 『京都市姓氏歴史人物大辞典』(角川日本姓氏歴史人物大辞典 26) 京都市姓氏歴史人物大辞典編纂委員会編著 角川書店 1997.9 909p (当館請求記号K1/288.1/KA14)
- 『新撰京都叢書』(第6巻 第8巻 第12巻) 新撰京都叢書刊行会編 臨川書店 1985-1989 (当館請求記号K0/291.62/Sh69)
- 『京都商工人名録 明治36年』 間瀬為馳太編 京都商業会議所 1903 188p (当館請求記号K1/670.35/KY6)
- 『京都市官民一致年賀会誌 明治35年』 京都市官民一致年賀会誌発行所 1902 363p (当館請求記号K1/281.3/KY6)
- 『人事興信録』 人事興信所 1915 1冊 (当館請求記号281.3/J52)
- キーワード
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- たばこ
- 芝原嘉兵衛
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 人物
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000079573