レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2020/10/2
- 登録日時
- 2020/11/26 00:30
- 更新日時
- 2020/11/26 00:30
- 管理番号
- 滋2020-0010
- 質問
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解決
近江国 阿部老龍館の人物について記述のある文献を紹介して下さい。
出典:内藤湖南著,清朝書画譜,博文堂合資会社,大正11年8月1日
「近江 阿部老龍館 蔵 ?重光 軸」とあり。
- 回答
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『清朝書画譜』にでてくる「近江 阿部氏」とは、阿部房次郎(1868~1937)です。老龍館は、阿部房次郎の号です。(『関西中国書画コレクションの過去と未来』所収論文「阿部コレクションの形成とその特質」(弓野隆之著)による。)
阿部房次郎は、現在の滋賀県彦根市出身で、東洋紡の社長をつとめるなど紡績業で財を築き、中国美術収集家としても著名になった人物です。
中国美術の収集にあたっては内藤湖南の助言・指導を得ており、『爽籟館欣賞』(国立国会図書館デジタルコレクション(図書館送信)で閲覧可能)という収集品の図録を出版した際には、内藤湖南が序を書いています。その収集品の多くは、遺言により大阪市立美術館に寄贈され、「阿部コレクション」となりました。その概要は、『阿部コレクション中国絵画目録』で知ることができます。また、2018年には阿部房次郎生後150年を記念して同館で展覧会が開催されました。
阿部房次郎に関する詳しい文献としては、『阿部房次郎傳』があります。中国美術収集については、「東洋美術の愛護」という章で詳しく記述されています。また、近年の文献としては、森橋なつみ「爽籟館主人・阿部房次郎の中国書画蒐集について」があります。
また、滋賀県の人物辞典で阿部房次郎の事績を記述した資料は、下記の参考資料のとおりです。
- 回答プロセス
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滋賀県百科事典で阿部で検索→阿部房次郎のみ→阿部房次郎でGoogle検索→大阪市立美術館の展覧会がヒット
- 事前調査事項
- NDC
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- 個人伝記 (289 8版)
- 参考資料
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- 1 関西中国書画コレクションの過去と未来 関西中国書画コレクション研究会?編集 関西中国書画コレクション研究会 2012.3 4B-7222-カ p.19-34
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2 阿部コレクション中国絵画目録 大阪市立美術館 1954年 2-7222-ア -
3 阿部房次郎傳 能川千代喜∥編著 阿部房次郎傳編纂事務所 1940年 S-2851- 40 p.349-376(「東洋美術の愛護」) -
4 「爽籟館主人・阿部房次郎の中国書画蒐集について」『大阪市立美術館紀要』第19号 森橋なつみ 大阪市立美術館 2019.3 p.3-14,当館未所蔵・インターネットで閲覧可能(https://www.osaka-art-museum.jp/wordpress/wp-content/uploads/2019/04/20d456649686b0690eac6ed60a2cf5b1.pdf)2020年5月29日確認) -
5 滋賀縣人物史 上巻 岡本武雄∥著 政治經濟新聞社 1930年 S-2800-1 p.63-64 -
6 近江人要覧 近江人協會∥編 近江人協會 1934年 5-2800- 34 p.155-156 -
7 能登川町史 能登川高校町史研究委員会∥編 能登川町 1976年 S-2149- 76 p.388-391 -
8 きぬがさ百話 [1] 中川 眞澄∥執筆 能登川町立能登川西小学校 1985年 S-2949-1 p.230-231 -
9 近江の先覚 第3集 滋賀県教育会∥編集 滋賀県教育会 2006年 S-2800-3 p.4-6 -
1 滋賀県百科事典 滋賀県百科事典刊行会∥編 大和書房 1984年 S-0300- 84 p.18 -
2 号・別名辞典 近代・現代 日外アソシエーツ株式会社∥編 日外アソシエーツ 2003年 R-2810-コ 該当なし
- キーワード
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- 阿部老龍館
- 阿部房次郎
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 「爽籟館主人・阿部房次郎の中国書画蒐集について」で主な参考文献として挙げられた文献のうち、『中国書画探訪』(2011年1月刊・二玄社)は、当館未所蔵
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 人物
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000289812