レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2016/01/11
- 登録日時
- 2016/07/30 00:30
- 更新日時
- 2016/07/31 09:18
- 管理番号
- 千県中参考-2016-17
- 質問
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解決
夏目漱石は兵役逃れのため北海道に転籍したと聞いたが、そのことについて書かれた本はあるか。
- 回答
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夏目漱石と徴兵との関係について書かれた資料を7点紹介します。
【資料1】『夏目漱石事典』(三好行雄編 學燈社 1992)
p.296「徴兵」の項目があります。北海道新聞の記事を引用して説明しています。
【資料2】『漱石研究年表』(荒正人著 集英社 1984)
p.134 明治25年(1892)4月5日、北海道への移籍について記述があります。注釈が付いています。
【資料3】丸谷才一「徴兵忌避者としての夏目漱石」『夏目漱石 2 日本文学研究大成』(平岡敏夫編 国書刊行会 1991)p.165~188
北海道への転籍について記述があります(p.172下段付近)。
【資料4】水川景三「『心』論の前提 送籍・徴兵忌避をめぐって」『国文学年次別論文集 近代2 平成10(1998)年』(学術文献刊行会編 朋文出版 2000) p.216~223
「その送籍の理由については、徴兵忌避説(注9)が主として考えられていたが、養家塩原昌之助は「塩原金之助が夏目金之助となったとき、夏目の父は後を恐れて、すぐに金之助の籍を北海道の親戚のうちに一時仮り入れた事実もあった」と述べて養家との紛争を避ける為の父直克の一時的措置であったとの考えを提出している。(関荘一郎「「道草」のモデルと語る記」(『新日本』第七巻第二号、大正六年二月、冨山房)(注10))」
(以上、p.218上段からの引用です)
(注9)の典拠は【資料5】『近代作家研究叢書 140 夏目漱石』(長谷川泉監修 日本図書センター 1993)(赤木桁平著 新潮社大正6年刊『夏目漱石』の復刻)です。
また、関氏の論文(注10)は【資料6】『夏目漱石研究資料集成 第3巻』(平岡敏夫編 日本図書センター 1991)p.194~212に収録されています。
【資料7】「日露戦百年「徴兵忌避者」漱石の謎」(『選択』30巻2号 2004.2)p.120~123
丸谷才一「徴兵忌避者としての夏目漱石」に対して、漱石の座談の記録を引用しつつ、はたして単純な徴兵忌避だったのかと疑問を投げかけています。
- 回答プロセス
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自館でNDC910.26(日本文学の作家研究)の書架を確認、また自館の蔵書検索システムや国立国会図書館サーチで件名「夏目漱石」や全項目「漱石」「徴兵」「兵役」等のキーワードで検索し、関連資料にあたりました。
- 事前調査事項
- NDC
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- 日本文学 (910 9版)
- 参考資料
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- 【資料1】『夏目漱石事典』(三好行雄編 學燈社 1992)(0105565741)
- 【資料2】『漱石研究年表』(荒正人著 集英社 1984)(9102910793)
- 【資料3】『夏目漱石 2 日本文学研究大成』(平岡敏夫編 国書刊行会 1991)(9100384857)
- 【資料4】『国文学年次別論文集 近代2 平成10(1998)年』(学術文献刊行会編 朋文出版 2000)(0105582312)
- 【資料5】『近代作家研究叢書 140 夏目漱石』(長谷川泉監修 日本図書センター 1993)(9100384946)
- 【資料6】『夏目漱石研究資料集成 第3巻』(平岡敏夫編 日本図書センター 1991)(9100385095)
- 【資料7】『選択』(30巻2号 2004.2)(0501042386)
- キーワード
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- 小説家(ショウセツカ)
- 夏目漱石(ナツメ ソウセキ)
- 徴兵(チョウヘイ)
- 兵役(ヘイエキ)
- 戸籍(コセキ)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 一般
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000195465