レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2013/03/21
- 登録日時
- 2013/03/30 00:30
- 更新日時
- 2013/04/17 13:13
- 管理番号
- 6000010901
- 質問
-
解決
16世紀(ヘンリー8世時代)のイギリスの裁判制度についてわかる資料はあるか。巡回裁判(assize)とKing's courtの関係や、民事裁判の状況について調べている。
- 回答
-
『絶対王政期イングランド法制史抄説』(創文社)などによると、assizeはKing's courtの裁判官が各地を巡回して行うもの。2人の裁判官が刑事と民事をそれぞれ担当した。なお、裁判の主題によっては、州長官や教会の管轄となるものもあった。
- 回答プロセス
-
322(法律-歴史)233(歴史-イギリス)の書架を探す。
『英米法律語辞典』(研究社)に、assize(p76)King's court(p612)の項があり。assizeはイングランド・ウェールズ各州で行われた民事・刑事の巡回裁判。1971年に民事は高等法院(High Court of Justice)刑事は刑事法院(Crown Court)に代わった。King's courtは(封建裁判所や共同体裁判所と対比しての)国王裁判所とあるが、巡回裁判との関係性についての記載はなし。
『イギリス史研究入門』(山川出版社)『イギリス中世文化史』(ミネルヴァ書房)に、アサイズ(巡回裁判)についての記載があるが、13世紀の成立前後についてのもの。『英米法総論 上』(東京大学出版会)には、絶対主義時代の統治機構として、ヘンリ8世の在位期であるテューダ朝の裁判機関についての簡単な記載があるが、利用者は詳しいものをご希望。
さらに「イギリス 裁判」で所蔵資料などを検索し、また大阪府立図書館から資料を取り寄せて内容を確認する。
『犯罪・刑罰・社会 英国社会は犯罪にどう対処してきたか』(松柏社)には、巡回裁判所についての詳しい記載や、教会裁判所の管轄する違法行為、裁判所によらない揉め事の解決などについての記載があり。『イギリス法入門』(有斐閣)には、不法行為や刑事責任の諸類型についての記載があり。
また大阪府立図書館から借用した以下の資料にも、利用者の求める内容があり。これらも合わせて見ていただいた。
『中世イングランド王国の法と慣習』(明石書店)には、民事訴訟が国王裁判所と州長官のどちらに属するかについての記載があり。
『ヨーロッパ裁判制度の源流』(中央大学出版部)には、イギリスの裁判制度の基本的特徴として、国王裁判所には王座裁判所(Court of King's Bench)民訴裁判所(Court of Common Pleas)財務裁判所(Court of Exchequer)の3つがあるなどの記載があり。
『絶対王政期イングランド法制史抄説』(創文社)には、アサイズ裁判ではCourt of King's BenchとCourt of Common Pleasの裁判官のうち2名ないしはその1名と上級法廷弁護士が裁判官となったなどの記載があり。
- 事前調査事項
- NDC
-
- 法制史 (322 9版)
- イギリス.英国 (233 9版)
- 参考資料
-
- 『イギリス法入門 外国法入門双書』田島 裕/著(有斐閣)
- 『犯罪・刑罰・社会 英国社会は犯罪にどう対処してきたか』ジョン・ブリッグズ/[ほか]著(松柏社)
- 『中世イングランド王国の法と慣習 グランヴィル』松村 勝二郎/訳(明石書店)
- 『絶対王政期イングランド法制史抄説』小山 貞夫/著(創文社)
- 『ヨーロッパ裁判制度の源流 日本比較法研究所研究叢書 国際共同研究「裁判所の役割」』小島 武司/[ほか]編(中央大学出版部)
- キーワード
-
- 巡回裁判
- 国王裁判所
- アサイズ
- イギリス
- 法制度
- 裁判
- 歴史
- ヘンリー8世
- 絶対王政
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- その他
- 質問者区分
- 一般
- 登録番号
- 1000129910