レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2011/12/09
- 登録日時
- 2012/01/14 02:02
- 更新日時
- 2012/03/20 16:06
- 管理番号
- 6000006181
- 質問
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解決
米ツガという木材は、屋外で使用しても雨ざらしに耐える材質であるか。またそうでない場合、屋外の木造工作物に適した木材とはどのようなものであるか知りたい。
- 回答
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米栂(べいつが)は北米産の材木。湿気に弱く、含水率の高い状態では腐りやすい。屋外での使用に向く材には、ヒバやクリ、ヒノキ、ウエスタンレッドシダーなどがある。
- 回答プロセス
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52(建築)65(林業)の書架を探す。
『林業百科事典』(丸善)『木材科学ハンドブック』(朝倉書店)には北米材の項目にベイツガの記載があるが、いずれも材質についての詳しい記載はなし。『木材科学ハンドブック』によると、ベイツガはマツ科の針葉樹で、北米太平洋岸に分布し、建築用材(柱・造作・建具・防腐土台)、集成材、梱包用などに用いられるとのこと。
また『木材の事典』(朝倉書店)の北米材の項には、ウェスタンヘムロック(ベイツガ)として記載され「加工容易、水湿に弱い」とあるが、詳しい記載はなし。用途には造作・小角材・パルプ・箱・(保存処理をして)土台が挙げられている。
『木の家に住むことを勉強する本』(農山漁村文化協会)に「木の図鑑」の項目があり、ベイツガはないが、同じマツ科のツガについて「水にはあまり強くないので内装材に用いられる」と記載されている。なお、長野県には同属の「コメツガ」という材があり、こちらもツガと性質は同様とのこと。
『建築大辞典』(彰国社)で「べいつが」を引くと、材としての性質はツガに同じとあり。同辞典の「つが」の項には、「材質は木理通直、緻密、やや堅硬、光沢あり、耐久性は大、水湿に弱い」とあり。
また『カラーで見る世界の木材200種』(産調出版)の「ベイツガ」の項には、「耐朽性は低く、特に含水率の高い状態では腐りやすい。木材が脆いため、柱の角が欠けたりすることが多い」とあり。
ただし『原色木材大事典170種』(誠文堂新光社)には、水湿に弱く耐朽性に乏しいとはあるものの、防腐加工が発達しているため住宅の防腐土台としては必需品ともあり。
いずれにせよ、これらの記載から、ベイツガおよびツガ属は未加工の材が雨ざらしになった場合、傷みやすいのではないかと推察される。
次に、屋外での使用に耐える木材について調べる。
『よくわかる最新木材の基本と用途』(秀和システム)の「屋外での使用1 ウッドデッキなど住居用」の項には、屋外で使用する場合の木材の劣化防止の方法として、耐久性の高い青森ヒバやウエスタンレッドシダー、ヒノキなどを使う/保護塗料を塗る/防腐薬剤を用いるの3つが挙げられている。
また『キーワードで学ぶ世界で一番やさしい木材』(エクスナレッジ)の「66 デッキに適した材」の項には、屋外のデッキに適した材木として、国産ではクリ・ヒバか、次いでカラマツ・ヒノキとスギの赤身、また外材ではセランガンバツ・ウリン・イペ・レッドシダーが挙げられ、またそれぞれの材の利点と欠点が記載されている。防腐注入材の説明もある。
この他、『木材活用事典』(産業調査会事典出版センター)では、デッキに使う樹種として「杉・桧」、「公共施設ではレッドウッドや南洋のかたぎ材」が挙げられているが、住宅では「CCAを加圧した栂材が使われることもある」とあり。ただし選択には注意が必要とのこと。
なお、『エクステリアプランナーハンドブック』(建築資料研究社)には、屋外の造形物の材料の項目があるが、天然木には塗装をほどこすとの記載があるのみで、具体的な木材名の記載はなかった。
- 事前調査事項
- NDC
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- 森林利用.林産物.木材学 (657 9版)
- 参考資料
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- 『林業百科事典』日本林業技術協会/編(丸善)
- 『木材科学ハンドブック』岡野 健/編集(朝倉書店)
- 『木材の事典』浅野 猪久夫/編(朝倉書店)
- 『木の家に住むことを勉強する本』「木の家」プロジェクト/編・著(泰文館)
- 『建築大辞典』彰国社/編(彰国社)
- 『カラーで見る世界の木材200種』須藤 彰司/著(産調出版)
- 『原色木材大事典170種』村山 忠親/著(誠文堂新光社)
- 『よくわかる最新木材のきほんと用途』赤堀 楠雄/著(秀和システム)
- 『世界で一番やさしい木材』木の研究会/著(エクスナレッジ)
- 『木材活用事典』木材活用事典編集委員会/編集(産業調査会事典出版センター)
- キーワード
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- 木材
- 米つが
- エクステリア
- 庭
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- その他
- 質問者区分
- 一般
- 登録番号
- 1000099962