レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2011/06/07
- 登録日時
- 2014/09/06 00:30
- 更新日時
- 2014/09/17 10:51
- 管理番号
- 6000018141
- 質問
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解決
江戸時代の長屋の流しの近辺には煙抜きの窓があったというが、どのようなものだったのかわかる絵が載っている本はあるか。
- 回答
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『図説 見取り図で読み解く江戸の暮らし』などに、長屋の煙抜きについての記載があり。
- 回答プロセス
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歴史(21*)民俗(38*)建築(52*)の書架を探し、内容を確認して下記の資料を提供した。
『台所のはなし』(さえら書房)p28「長屋の台所」に、綱をひっぱってかまどの上付近の屋根についている窓を開けている絵があり、屋根から煙が出ている。簡単な解説もあり。
『図説江戸 3 町屋と町人の暮らし』(学習研究社)p16-17「裏長屋の風景」には、屋根の上に窓がある絵があり。p20には天保10(1839)年刊の「閑情末摘花」(松亭金水)が載っており、屋根の部分の絵はないが、入り口の戸の上に格子状の部分が見える。
また『タイムスリップ!江戸の町で大冒険』(少年写真新聞社)p12「長屋の暮らしをのぞいてみよう」には、長屋の入り口の写真があり、入り口の障子戸の上の格子の写真があり。『江戸のおどろきリサイクル生活 江戸に学ぶ 2の巻』(すずき出版)p17にも同様のイラストがあり。ただし流しやかまどのそばかどうかは確認できず。
『復元 江戸生活図鑑』(柏書房)p174-175「裏長屋の生活(1)」には、解説の部分には煙出しについての言及はないが、長屋を描いた絵の中に「煙出し(天窓)」という注がつけられている。
『図説 見取り図で読み解く江戸の暮らし』(青春出版社)p84-85「長屋の台所」に、格子状の窓(無双)や、紐をひっぱって空けるスライド式天窓が換気のために用いられたとあり、天窓の図もついていた。
なお、長屋の絵かどうかは不明だが、『図集 幕末・明治の生活風景 外国人のみたニッポン』(農山漁村文化協会)p8「竈 かまど」には、薪を燃やして土間で煮炊きをする場面の絵があり、壁の上のほうの窓が開いているのがわかる。p283には下級武士の住んだ役宅(町民の長屋に似ているとの記載あり)を外から見た絵があるが、窓については確認できない。
後日、『大江戸暮らし入門』(洋泉社)が発行された。p54-63に江戸の裏長屋のCG図や間取り、深川江戸資料館の復元長屋の台所の写真などがわかりやすく示されている。間取り図では入り口のそばに台所の流しがあり、復元長屋の写真でも流しのそばに入り口と思われる障子が見えている。
なお、『江戸庶民の食風景 江戸の台所』(人文社)p52-53には、一般的な長屋の台所や単身者の部屋を復元した江東区深川江戸資料館の写真があるが、煙抜きの窓についてわかるものはなし。
『錦絵が語る江戸の食』(遊子館)p90「台所」には、炊事をする男性と煙草を吸う女性が描かれた絵があるが、煙抜きについては描かれていない。
『民家のデザイン』(相模書房)p15-18には各地の民家の煙出し(けむだし)のイラストがあるが、長屋のものと明記されたものはなし。
『図説日本住宅の歴史』(学芸出版社)p67-73「町屋」「江戸の街と長屋」には、台所や町家・長屋のつくりなどの絵があるが、煙抜きの窓は描かれていなかった。
- 事前調査事項
- NDC
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- 関東地方 (213 9版)
- 衣食住の習俗 (383 9版)
- 参考資料
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- 『台所のはなし』佐々木 和子/著(さ・え・ら書房)
- 『町屋と町人の暮らし』平井 聖/監修(学研)
- 『タイムスリップ!江戸の町で大冒険』小沢 詠美子/監修(少年写真新聞社)
- 『エコでござる-江戸に学ぶ2の巻』石川 英輔/監修(鈴木出版)
- 『図説見取り図で読み解く江戸の暮らし』中江 克己/著(青春出版社)
- 『復元江戸生活図鑑』笹間 良彦/著(柏書房)
- キーワード
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- 江戸(エド)
- 長屋(ナガヤ)
- 換気(カンキ)
- 歴史(レキシ)
- 台所(ダイドコロ)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- その他
- 質問者区分
- 一般
- 登録番号
- 1000159449