レファレンス事例詳細(Detail of reference example)
[転記用URL] https://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000203228提供館 (Library) | 北海道立図書館 (2110028) | 管理番号 (Control number) | 参調 15-0054 | ||||||||
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事例作成日 (Creation date) | 2015/10/22 | 登録日時 (Registration date) | 2016年12月15日 00時30分 | 更新日時 (Last update) | 2016年12月15日 00時30分 | ||||||
質問 (Question) | ツルゲーネフの詩の引用元が知りたい (「余り疲れたらしばらくのあいだ路傍の石に腰をおろして行き過ぎる人を眺めてみよう君が休んでいるあいだも彼らがそう遠くには行かないことがわかるであろう」というツルゲーネフの詩が載っている資料が見たい) ●その質問の出典や情報源、調査済み事項など 河野裕子エッセイ・コレクション「桜花の記憶」(中央公論新社 2012.5)p202に載っていました。 そちらからツルゲーネフの「散文詩」をお借りして見てみましたが、載っていないようでした。 | ||||||||||
回答 (Answer) | 確認できず。 「桜花の記憶」は未所蔵のため、どのように掲載されているのか不明。 そのためインターネット検索エンジンで「ツルゲーネフ」「疲れたら」をキーワードに検索したところ、ツルゲーネフの名言として「疲れたら休め。彼らもそう遠くへは行くまい」というものがさまざまなサイトで紹介されていたが、出典について言及のあるものはなかった。 この文章を引用していたサイトの記述から、 ①尾崎一雄の小説「痩せた雄鶏」に引用されていた、とあったため、当館所蔵「暢気眼鏡・虫のいろいろ 他十三篇」を見たところ、172ページに「「疲れたら憩むがよい、彼らもまた、遠くはゆくまい」―ロシアのある文学者がいったというこの言葉を、彼は昔から好きだった」という一文あり。 ②沢木耕太郎「人の砂漠」の「屑の世界」に引用されていた、とあり。当館所蔵「人の砂漠 改版」を見たところ、327ページに「不意に、どこかで耳にしたことのある文句が思いだされた。「疲れたら休め、彼らもそう遠くへゆくまいから」」という一文あり。 ③ニッカウィスキーのHP内「ニッカのかたらい」(掲示板) http://www.nikka.com/web-service/nikka/bbs/view.psp.html?I=20031025003807501&T=000497&P=57 最終確認日2016.8.17) に、「文学座の村上冬樹さんが、ツルゲーネフの詩の一節を朗読するシリーズがあって、<疲れたら休め。彼らも遠くは行くまい>というのがありました。この詩の全文をご存知の方がおられたら是非教えてください。」という質問があり、「テレビCM自体は、昭和38年の「エキストラニッカ」のTVCMだと思われます。くまの人形がパイプをふかしながら、ツルゲーネフの詩の一節を朗読するシーンがあります。ただ、残念ながらその詩の全文もしくは題名に関しましては、当社には記録が残っておりませんでした。」と回答があり。(追加として「エキストラニッカではなく丸びんニッキーのCM。コマーシャルのナレーションは「ここに憩いの場所がある。疲れたら休め、彼等も遠くには行くまい。ツルゲーネフの詩を読んで私は生活にあせる心を抑える。疲れたら休め、彼等も遠くには行くまい。憩いの場所にニッカがある。人生はひどく複雑だが、ひどく楽しい笑顔もある。さあ、馥郁たるニッカを味わい明日への夢の栄光に乾杯しよう。憩いの場所に我が愛するニッカがある。」とあり。 ) ①②はいずれもツルゲーネフの言葉である、という説明はない。③は「ツルゲーネフの詩を読んで」とあるが、「疲れたら休め」がツルゲーネフの詩の一文かどうかはわからない。 ①②③いずれも「路傍の石に腰をおろして」という言葉が含まれていない。そこで検索エンジンで「ツルゲーネフ」「路傍」「疲れて」をキーワードに検索したところ、「疲れた人は、しばし路傍の草に腰をおろして、道行く人を眺めるがよい。人は決してそう遠くへは行けまい。」という言葉がヒットした。「人生はニャンとかなる!」という本にツルゲーネフの言葉として紹介されている模様。当館貸出中のため記載部分の確認できず。 ツルゲーネフの「詩」である、という言葉から、日本語で読めるツルゲーネフの詩を確認。 「ツルゲ-ネフ作品集 第5巻」「世界名詩集大成 第12」に収録されている「散文詩」を調査したが、それらしい文章なし。 「世界文学詩歌全集・作家名綜覧」でツルゲーネフの項を見たが、紹介されている詩は全て「散文詩」に収録されているものだった。 *「桜花の記憶」202ページのエッセイは「驢来り騾来り馬来り騾と驢と来る」であり、雑誌「短歌」2004年5月号に掲載されていることがわかったため、当館で所蔵している雑誌を確認。 文中に「ツルゲーネフをわたしはほとんど読んだことがないので」とあるため、河野裕子氏がツルゲーネフの著作から確認したのではないと思われる。インターネット検索エンジンで「あまり疲れたらしばらくのあいだ路傍の石に」をキーワードに調査したところ、長野県諏訪にある「ハーモ美術館」のパンフレットに「ツルゲーネフの詩」としてまったく同じ文章が掲載されていることがわかった。ハーモ美術館の開館は1990年なので、河野氏はこのパンフレットを見た可能性が高い。 ( http://www.harmo-museum.jp/about.html ハーモ美術館HP 美術館の概要 最終確認日2016.8.17) | ||||||||||
回答プロセス (Answering process) | |||||||||||
事前調査事項 (Preliminary research) | |||||||||||
NDC |
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参考資料 (Reference materials) |
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キーワード (Keywords) |
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照会先 (Institution or person inquired for advice) | |||||||||||
寄与者 (Contributor) | 備考 (Notes) | ||||||||||
調査種別 (Type of search) | 事項調査 | 内容種別 (Type of subject) | その他 | 質問者区分 (Category of questioner) | 図書館 | ||||||
登録番号 (Registration number) | 1000203228 | 解決/未解決 (Resolved / Unresolved) | 未解決 |