レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2011/12/09
- 登録日時
- 2012/09/04 14:33
- 更新日時
- 2013/09/30 16:42
- 管理番号
- H23-26
- 質問
-
未解決
芥川龍之介が『歯車』という作品の中で、自身が読んでいる(購入した)とした『アナトール・フランスの対話集』が実際に存在するのか否か。
また、できれば内容も知りたい。
- 回答
-
・『アナトール・フランスの対話集』という著作物の存在は確認できませんでした。
・「歯車」(初出S2.6)と近い時期の作品「続文芸的な、余りに文芸的な」(初出S2.4)では “Nicolas Ségurの「アナトール・フランスとの対話」” の内容に触れています。
上記図書の内容は当館所蔵『知性の愁い : アナトール・フランスとの対話』で確認できます。
- 回答プロセス
-
NDL-OPAC検索
キーワード:「アナトール」&「対話集」⇒なし
キーワード:「アナトール」&「対話」⇒『知性の愁い : アナトール・フランスとの対話』(ニコラ・セギュール著) 所蔵ありp.3の訳者例言によると底本タイトルは Conversations avec Anatole France ou les me'lancolies de l'intelligence
『芥川龍之介大事典』
p.18-19にアナトオル・フランスの項あり。参考文献として大島真木「芥川龍之介の創作とアナトオル=フランス」『大正文学の比較文学研究』が挙げられている→当館に所蔵あり。
『大正文学の比較文学的研究』
p.211, p.216に芥川がニコラ・セギュールの『アナトール・フランスとの対話』を読んだことが芥川の作品「続文芸的な、余りに文芸的な」に記されているとの記述あり。
「歯車」は初出S2.6で「続文芸的な、余りに文芸的な」は初出S2.4である。
『芥川龍之介集』(現代日本文學大系43)で「続文芸的な、余りに文芸的な」と「歯車」を確認。
→「続文芸的な、余りに文芸的な」に下記の一文あり
“Nicolas Ségurの「アナトール・フランスとの対話」によれば、この微笑した懐疑主義者は実に徹底した厭世主義者である。かう云ふ一面はPaul Gsellの「アナトール・フランスとの対話」(?)にも現はれてゐない。”
当館所蔵の『フランス文学辞典』(日本フランス語フランス文学会編, 白水社, 1974)p.610-611にアナトール・フランスの項あり。主な著作に対話集と思われるものなし。
Googleで著作を検索
「Works of Anatole France」 ⇒“対話”に近い意味合いのタイトルの作品は見当たらない。
「Works of Paul Gsell Anatole France」 ⇒The Opinion of Anatole France. ならあり。
(調査日は全て2011年12月9日)
- 事前調査事項
-
NDL-OPAC、本学蔵書検索
- NDC
-
- 日本文学 (91)
- 参考資料
-
- 知性の愁い : アナトール・フランスとの対話 ニコラ・セギュール著 岩波書店 1981.11 213p (当館請求記号080/I-Bun/R573-1)
- 芥川龍之介大事典 勉誠出版 2002.7 6, 1006, 32p (当館請求記号910.268/A39-S)
- 大正文学の比較文学的研究 明治書院 1968.3 364p (当館請求記号910.26/Nar)
- 芥川龍之介集 (現代日本文學大系43) 筑摩書房 1968.8 454p (当館請求記号918.6/Gen/43)
- キーワード
-
- アナトール・フランス
- 対話
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 書誌的事項調査
- 内容種別
- 文学
- 質問者区分
- 学生
- 登録番号
- 1000110965