設立時の取締役社長は、もともとの出発点となった創業時、現在の会社名になった時点、株式会社化した時点など、それぞれの時点で代表者は異なります。その会社を最初に作った人物すなわちできるだけ最初に創業した人物をお知らせします。
1.近鉄百貨店
近鉄百貨店につきましては、複数の企業が合併している上、それらの企業が名称変更を行っているため、非常に複雑です。判明した範囲でお答えします。
1926年(大正15年)8月31日
大阪電気軌道株式会社が上本町に大軌ビルディング建設
ビル完成時の社長 大槻龍治
1936年(昭和11年)2月1日
大軌、百貨店部新設
同年9月26日
大軌百貨店全館開店
当時の大軌の社長 金森又一郎
1941年(昭和16年)3月15日
大軌百貨店から関急百貨店に呼称変更
1944年(昭和19年)4月1日
関急、大鉄百貨店を合併(株式会社大鉄百貨店は1934年(昭和9年)7月13日創立。当時の社長 佐竹三吾)
同年6月1日
関急と南海電鉄合併。近畿日本鉄道株式会社設立
1972年(昭和47年)
近鉄百貨店として分離独立
2001年(平成13年)2月
株式会社近鉄百貨店と株式会社京都近鉄百貨店(大正9年1月、創業者中林仁一郎が開店した「京都物産館」が昭和52年5月株式会社京都近鉄百貨店となったもの。)が合併し、商号を株式会社近鉄百貨店とする。なお、近畿日本鉄道の初代社長は、当時大阪電気軌道株式会社の廣岡惠三です。
以上『40年のあゆみ』(近鉄百貨店/編集 近鉄百貨店 1977)、『日本会社史総覧 下巻』p.1412「近畿日本鉄道」の項目及びp.1739「株式会社京都近鉄百貨店」の項目、近鉄百貨店ホームページ(
http://www.d-kintetsu.co.jp/corporate/annai/profile.html)より。
2.阪神百貨店
『阪神電気鉄道八十年史』(日本経営史研究所/編集 阪神電気鉄道 1985)p.217に「昭和12年1月22日になって、当社は株式会社阪神百貨店を発足させた。(略)今西与三郎(代表取締役)」とあります。
また、p.366に「昭和32年4月17日、資本金5000万円で株式会社阪神百貨店が設立され、社長には野田誠三が電鉄社長兼任で就任し(略)」とあります。この時、鉄道事業から百貨店を分離独立させたようです。
3.阪急百貨店
『株式会社阪急百貨店50年史』(50年史編集委員会/編集 阪急百貨店 1998.4)p.426~427の「年表」によりますと、阪急百貨店が開業したのは昭和4年4月15日で、当時は独立した会社ではなく、阪神急行電鉄株式会社(現在の阪急電鉄株式会社)の中の阪急百貨店部」という組織であったようです。当時の阪神急行電鉄社長は小林一三です。
また、『株式会社阪急百貨店25年史』(阪急百貨店社史編集委員会/編集 阪急百貨店 1976)p.278によりますと、昭和22年、阪急電鉄より分離独立したときの株式会社阪急百貨店の取締役社長は清水 雅です。