レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2011/03/09
- 登録日時
- 2012/03/28 02:01
- 更新日時
- 2012/03/28 10:07
- 管理番号
- 千県中千葉-2011-0019
- 質問
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解決
船橋にある旧東京海軍無線電信所(船橋送信所/行田無線通信塔)について調査しています。
上記施設について、特に船橋という土地が選ばれた理由と活動の記録について述べられている文献を知りたい。
- 回答
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当館所蔵の『行田無線史 第1号』p7-10「3.巨大無線電信所の建設」に次のような記述があります。
・明治43年に海軍で予算を立案し、明治45年から大正5年までの継続事業として予算が成立した。
・海軍艦政本部第一部長海軍少将村上格一を委員長とする無線電信調査委員会が設置。
・委員会は大正2年には大規模無線電信局の計画について答申を出した。
・答申では、候補地は東京付近の3箇所。(第一候補地千葉県稲毛付近、第二候補地千葉県船橋付近、第三候補地神奈川県三浦郡武山付近、一説には池山)
・海軍省での検討の結果、船橋付近に最終決定された。そして、候補地の中から船橋が選ばれた理由が分かる資料は無く、その上で著者の推量がp10に記述されている。
『行田無線史』は、1号(2005.6刊行)から17号(2009.3刊行)まで各号22ページの小冊子ですが、17号で完結し、全号で図書のような体系的な章立てがされている資料です。
また『行田無線史』に引用されている資料で『史談会報(季刊版)6号』p17-22に関口直之著「船橋海軍無線電信所の歴史」が掲載されています。用地選定については詳しく触れられていませんが、候補地は神奈川県池上付近と船橋市付近の2箇所になっています。
そのほか該当する無線所について次の資料に記述が見つかりましたが、用地選定については書かれていません。
『船橋の電信電話 電話創業70周年』p38-39
『関東電信電話百年史 中』p692-695「2 船橋無線電信局の活躍」
『日本無線史 第1巻』p15-19
『日本無線史 第4巻』p68-70,p216-225
- 回答プロセス
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『関東電信電話百年史 中』(日本電信電話公社関東電気通信局編集 電気通信協会 1968)は3章めが千葉県について。p657-857の本文の他、口絵として写真多数掲載。
『ヨミダス歴史館 明治期・大正期』に無線局開設の記事はあるが、準備段階では記事見つからず。
「帝国議会会議録検索システム」(第28回~第92回(明治44年12月~昭和22年3月)
http://teikokugikai-i.ndl.go.jp/)で「無線電信調査委員会」で検索しても大正10年の記録のみ。
『帝国議会海軍関係議事速記録 別巻 1』(海軍大臣官房編 原書房 1984 復刻)『帝国議会海軍関係議事速記録 別巻 2』(海軍大臣官房編 原書房 1984 復刻)は、第57回~72回。
『日本海軍史 第2巻 通史 第3編』(海軍歴史保存会編 第一法規出版(発売) 1995)には該当記述みつけられず。
海軍と逓信省が使用した施設なので、逓信省関係の資料の確認。
『逓信省五十年略史』(逓信省編 1936)p110に「陸海軍もまたこれと前後して研究に着手し」とあるが、それ以上の詳しい内容は書かれていない。
『郵政百年史資料 第19巻』(郵政省編 電信局長報告書 吉川弘文館 1969)調査内容に該当する記載なし。
- 事前調査事項
- NDC
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- 通信工学.電気通信 (547 9版)
- 参考資料
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- 『行田無線史 第1号』(船橋地名研究会 2005) (0501636238)
- 『史談会報(季刊版)6号』(船橋市史談会 1982) (0501105323)
- 『船橋の電信電話 電話創業70周年』(日本電信電話公社船橋電報電話局 1982) (9200337063)
- 『関東電信電話百年史 中』(日本電信電話公社関東電気通信局編 電気通信協会 1968) (9103653162)
- 『日本無線史 第1巻』(電波監理委員会 1950) (9103430381)
- 『日本無線史 第4巻』(電波監理委員会 1951) (9103430416)
- キーワード
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- 旧東京海軍無線電信所
- 船橋海軍無線電信所
- 行田無線通信塔
- 千葉県-船橋市
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000104431