以下の資料に、大阪万博時の国鉄の投資額について記載があった。
①『鉄道ピクトリアル2005年6月号』
p50~56 EXPO'70と万博輸送 山田亮
p50
(2)車両費230億円を投じて、万博までに「ひかり」16両化用として120両(30編成×4両)、
「こだま」増発用として19編成228両、合計348両を新製する。
(3)工事費182億円を投じて、東京、新横浜、小田原、熱海、三島、名古屋、京都、新大阪各駅のホーム延伸、
東京・大阪運転所増強、三島電留線延伸、電力増強工事を実施することを決定した。
(交通新聞1968年8月28日)
②『証言の昭和史 10 Ohモーレツの時代』 学研 1982年
p158~163 DISCOVER JAPAN 電通PR局長 藤岡和賀夫
p158 …実は、国鉄はこのために四〇〇億円の投資をしたんですね。今、東京、大阪間の新幹線は五分間隔で一六両編成と誰でも知っていますが、万博まではそうではなかった。みな、万博のために増強された輸送力なのです。それまでの一〇分、一五分間隔を五分にし、一二両を一六両とする。すると、車両もたくさん要るし、ホームも長くしなければならない。そんなこんなの費用がしめて四〇〇億円もかかったというわけなのです。
③『国鉄線 24(4)(239)』交通協力会 1969年4月 (国会図書館デジタルコレクション 図書館送信参加館内公開:最終確認2016年2月19日)
p2~5(3~4コマ)「万博輸送の全貌」長谷川望
p3 …これに要する車両は三四八両、地上設備は駅のホーム延伸および電源強化等を必要とするので、新幹線だけで約四〇〇億の投資となる。
p5 以上のように、国鉄としては苦しい財政事情の中から総額五〇〇億円にものぼる投資をして最大限の輸送体制を整えている。
④『国有鉄道 26(11)(233)』交通協力会 1968年11月(国会図書館デジタルコレクション 図書館送信参加館内公開:最終確認2016年2月19日)
p26~27(15コマ)「万博輸送に備える」上田定男
2 輸送力の増強方策 ア新幹線 ○地上設備 …車両及び地上設備の増強に要する投資額概算は約四〇〇億円となる。