レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2022/01/28
- 登録日時
- 2022/03/16 00:30
- 更新日時
- 2022/03/16 00:30
- 管理番号
- 6001050050
- 質問
-
解決
ノットガーデンについて知りたい。
- 回答
-
ノットガーデンは、ツゲなどの常緑の植物を使って幾何学模様がつくられた庭の様式です。
イングランドで発祥し、エリザベス朝に好まれました。以下の資料に記述があります。
・『ハーブ大百科:英国王立園芸協会』(デニ・バウン/著 吉村則子/訳 石原真理/訳 誠文堂新光社 1997.5)
「ノットガーデン」(p.24)
「ノットガーデンはエリザベス朝時代に好まれた様式で、(中略)複雑な幾何学模様を造りだすために、常緑のハーブと道、あるいはそのいずれかを、四角形の盛り土の上にレイアウトしたものです。」
「色つきの砂や砂利を仕切りが囲んでいるクローズドノットと、模様の一部となる小道と、甘い香りのする植物で満ちた仕切りからなるオープンノット」があります。
また、「オープン・ノットガーデン」の写真、「生垣のコントラスト」と題されたクローズドノットのデザインが掲載されています。
・『庭園の謎を解く』(ロレイン・ハリソン/著 小坂由佳/訳 ガイアブックス 2011.4)
「ノットガーデン」(p.106-107)
「15世紀初期からパルテール(中略)という用語が、ある種の装飾的な花壇に対して用いられた。幾何学的なレイアウト(しばしば正方形)は、ペルシア風の庭の単純な四部構成の計画から発展したものである。デザインは単純なものも複雑なものもある。各4分の1は対称であってもよいし、紋章などのデザインを含んでもよい。英国ではノット・ガーデンとして知られ、たいていはツゲ属、ジャーマンダーかサントリナの背の低い刈り込まれた生け垣から形成され、上から見られるよう意図されている。」と記されています。(p.106)
また、「シンプルノット」「複雑なノット」「オープンノット」「クローズドノット」の図と解説が掲載されています。(p.107)
・『世界の庭園歴史図鑑』(ペネロピ・ホブハウス/編著 高山宏/日本版監修 上原ゆうこ/訳 原書房 2014.9)
第5章「ルネサンスの美-ヨーロッパ庭園の開花」「花壇、パルテール、ノット」(p.138-141)
「テューダー朝のイギリスでは、ハーブやツゲの絡み合った線でできた、それほど洗練されていないノット・ガーデンが一般的だった。ノット・ガーデンが中世に起源があることはほぼ確かで、中央の井戸や噴水のまわりに配置された機能的な長方形の左右対称の花壇に取って代わった複雑なデザインのものの総称である。(後略)」(p.139)と記されています。
また、同章の「テューダー朝の庭園」(p.159-160)にもノットガーデンの記述があります。
・『旅するイングリッシュガーデン:図説英国庭園史』(横明美/著 八坂書房 2012.11)
第4章「女王のお気に召すままに チューダー朝の庭」「ゴシックなチューダー朝の庭園の特徴:ノットガーデンとマウント」(p.54-60)
「ノット(結び目)ガーデンほど、チューダー朝を象徴するものはない。ノットとはペルシャやトルコ産絨毯の織り方の呼称で、その幾何学模様を真似、ツゲ、サントリナ、ラベンダー、ジャーマンダー、ヒソップなどの常緑低木を使い、花壇を作ったことに由来する。フランドル地方やフランスでは、ノットのパターン図が出版されるほど人気だった(後略)」(p.55)と記されています。
また、「ハンプトンコート宮園」「ハットフィールドハウス・ガーデンズ」「ヘルミンガムホール・ガーデンズ」などのノットガーデンが紹介されています。(p.56-60)
[事例作成日:2022年1月28日]
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
-
- 造園 (629 10版)
- 参考資料
-
- ハーブ大百科 デニ・バウン∥著 誠文堂新光社 1997.5 (24)
- 庭園の謎を解く ロレイン・ハリソン∥著 ガイアブックス 2011.4 (106-107)
- 世界の庭園歴史図鑑 ペネロピ・ホブハウス‖編著 原書房 2014.9 (138-141、159-160)
- 旅するイングリッシュガーデン 横/明美∥著 八坂書房 2012.11 (54-60)
- キーワード
-
- 英国庭園(エイコクテイエン)
- ノットガーデン(ノットガーデン)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- その他
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000313679