レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2011年5月3日
- 登録日時
- 2011/07/28 02:00
- 更新日時
- 2013/01/27 09:24
- 提供館
- 京都市図書館 (2210023)
- 管理番号
- 京都市中央2011-003
- 質問
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解決
[松煙(しょうえん)染]とはどんなものか知りたい。
- 回答
-
『草木染の事典』(山崎 青樹/著 東京堂出版)
p141[松煙]項
「松の根または松材を不完全燃焼させてつくった煤。墨をつくるのに使用し,…または江戸時代には染色にも利用している。…染色には豆汁(ごじる)で溶いて引染めに使用する。主として,鼠色を染めている。色が堅牢(けんろう)なことから布団などに多く使用された。」
『草木染技法全書 1』(山崎 青樹/著 美術出版社)
p24[植物以外の染材]項
「…墨が染料に用いられたのはいつ頃かはっきりしないが,平安時代の料紙の中には墨で染められたものがある。布を染めたのは室町時代以降と思われるが,…やがて墨の原料である松煙や油煙(ゆえん)が使用されるようになった。…」
『草木染・木綿の染色』(山崎 青樹/著 美術出版社)
p39[黒色染材料]の一つとして松煙が紹介されている。
「…墨を作る原料に松煙と油煙があるがともに染色にも使われた。…松煙または油煙で染色するには豆汁で溶いて用いるが,墨をすって染色することもある。」
『草木染技法全書 3』(山崎 青樹/著 美術出版社)
p94 に,松煙による薄墨色の染め方(11工程)が写真付で紹介 されている。
「…豆汁を綿糸に使用することから,墨または松煙による墨染が可能になった。」
『信州ハンドクラフト手帖』(伊藤 まさこ/著 信濃毎日新聞社)
p21~23[浜完治さんの松煙染めのバッグ]…作品のカラー写真あり。
●近畿大学中央図書館様より,以下の資料をご紹介いただく。
データベース『聞蔵Ⅱビジュアル』
1998年4月9日朝刊 地域面:群馬「松煙染・手絞り 伝統技術に活路を見いだす(桐生の糸へん:1)/群馬」
- 回答プロセス
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染色と聞いて『原色染織大辞典』(淡交社)や『草木染染料植物図鑑』(美術出版社)などで[松煙]という言葉を探したが見当たらず。
『草木染の事典』(山崎 青樹/著 東京堂出版)にやっと言葉が出てきたが,その後手詰まり感があった。
そこで今度は,松煙にまつわる他のキーワードを探すことにした。
『世界有用植物事典』(堀田 満/[ほか]編 平凡社)
p1329[墨]→[煤]項
「…墨の原料としてすすは古くから使用され,墨以外にも黒色原料としても種々な目的に使用されていたと思われる。そのような目的のために,原料として樹脂分の多い松材や,ナタネ油など油類を煙室で不完全燃焼させてすすをつくる。前者を松煙, 後者を油煙(ゆえん)と称している。」
『日本の色(コロナ・ブックス 127)』 (コロナ・ブックス編集部/編 平凡社)
p112[墨]項
「書画に用いられる墨は,菜種油や松根を燃やしてできた良質の煤(すす)を膠(にかわ)で練り,香料を加えて固めたもの。古代中国では松を燃やした松煙を原料とするため青みの黒になり…」
上記より[染材][墨色(黒色系)]というキーワードで再度,草木染関連書を調べ,回答の資料にたどり着いた。
結果として,大半の資料が山崎青樹(やまざきせいじゅ)の著作であった。
- 事前調査事項
- NDC
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- 染織工芸 (753 9版)
- 参考資料
- キーワード
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- 草木染
- 煤
- 墨
- 墨色
- 照会先
- 寄与者
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- 近畿大学中央図書館
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000089298