レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2018年4月27日
- 登録日時
- 2018/05/18 14:44
- 更新日時
- 2018/06/29 12:58
- 提供館
- 京都市図書館 (2210023)
- 管理番号
- 右中-郷土-114
- 質問
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解決
東海道の日ノ岡峠から蹴上(けあげ)にある「亀の水」や,「日向大神宮(ひむかいだいじんぐう)」について知りたい。
- 回答
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日ノ岡峠(京都市山科区)は,整備されていない急な坂道で,京都へ入る最後の難所といわれました。
江戸時代中期に木喰養阿(もくじきようあ)上人が道路の改修に取り組みました。工事の休憩所であった梅香庵には湧水があり,旅人の喉を潤しました。湧水は量救水(りょうぐすい)と言われ,亀の形をした石の口から水が出ていることから,「亀の水」と言われるようになりました。【資料1~3・5・8】
一時は水脈が断たれたため,水道水を流していた時もありましたが,少しずつ湧水が戻り,今は水道水の助けを借りて流れを守っています。【資料10】
亀の水から日ノ岡峠を上った蹴上付近に「日向大神宮(ひむかいだいじんぐう)」があります。
日向大神宮は,伊勢皇大神宮(伊勢神宮)に準じて内宮・外宮があり,天照皇大神はじめとした神々が祀られています。【資料4】
境内には,天岩戸(あまのいわと)と呼ばれる岩窟があり,開運・厄除けの「ぬけ参り」が参拝者を集めています。【資料4・7】
古くは粟田口神明(宮)や日ノ岡神明(宮)などとも呼ばれ,東海道を往来する旅人たちの道中の安全祈願や,「京のお伊勢さん」として多くの人が訪れていました。【資料4・6・7】
本殿は,京都市内でも例の少ない神明造(しんめいづくり)で,内宮と外宮ともに昭和62年(1987)京都市指定・登録文化財に指定されています。【資料9】
- 回答プロセス
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●件名“東海道”とキーワード“京都”で京都市図書館所蔵資料を検索。・・・【資料1】
●日ノ岡峠や蹴上が京都市山科区にあたることから,キーワード“山科”と“東海道”で京都市図書館所蔵資料を検索。・・・【資料2】
●当館所蔵の山科区の歴史や地誌に関する資料を確認。・・・【資料3~7】
●当館所蔵の京都の水に関する資料を確認。・・・【資料8】
●【資料6】に日向大神宮が京都市の有形文化財に登録されているとあることから。・・・【資料9】
●Gサーチで“亀の水 京都”を検索。特集記事あり。掲載の京都新聞を確認する。・・・【資料10】
- 事前調査事項
- NDC
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- 近畿地方 (216 9版)
- 日本 (291 9版)
- 交通史.事情 (682 9版)
- 参考資料
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- 【資料1】『「広重五十三次」を歩く 下』(土田 ヒロミ/写真ほか 日本放送出版協会 1997)p152~153“京への出入り口・粟田口”
- 【資料2】『京の道探検ブック 9 山科~三条大橋編』(国土交通省近畿地方整備局 2007)p6,p18“15亀の水”
- 【資料3】『史料京都の歴史 11 山科区』(京都市/編 平凡社 1988)p224~226“日ノ岡村”
- 【資料4】『昭和京都名所図会 2 洛東』(竹村 俊則/著 駸々堂出版 1981)p42~44“日向大神宮”
- 【資料5】『京都山科東西南北』(山科の魅力冊子編集プロジェクト/編集 山科区役所区民部まちづくり推進課 2010)p4“山科全体図”,p14~15“27亀の水不動尊”,“31日向大神宮”
- 【資料6】『知っとこ見とこ山科ガイド』(木下 達文/編 つむぎ出版 2009)p18~19,p51“17山科のお伊勢さん 日向大神宮”,p78“44東海道の難所 日ノ岡峠”
- 【資料7】『週刊京都を歩く ヴィジュアル百科 No.21 山科』(講談社 2003)p23“日向大神宮”
- 【資料8】『京洛名水めぐり』(駒 敏郎/著 本阿弥書店 1993)p169~171“東海道亀の水”
- 【資料9】『京都市の文化財 第5集』(京都市文化観光局文化観光部文化財保護課 1988)p3~4“日向大神宮 2棟”
- 【資料10】京都新聞2008年3月18日 「道ばた史料館」77回“亀の水不動尊”
- キーワード
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- 亀の水
- 日向大神宮
- 東海道
- 日ノ岡峠
- 山科区
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000235722