レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2021/08/05
- 登録日時
- 2022/01/08 00:30
- 更新日時
- 2022/01/08 00:30
- 管理番号
- 牛久-1803
- 質問
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解決
「アワコガネギク」について書いてある本を借りたい。「アワコガネギク」に別名もあったと思う。
- 回答
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○「アワコガネギク」について、次の資料を紹介。
・『秋の野草』(永田芳男/山と渓谷社/2006.11)…p76
・『日本の野草 秋』(矢野亮監修/学研/2009.9)…p98、243
○「アワコガネギク(泡小金菊)」は、京都の自生地、菊渓(きくたに)にちなんで、「キクタニギク(菊渓菊)(菊谷菊)」の別名がある。また、後日、追加調査で、別名(別称・方言)が「アブラギク」「イワヤギク(岩屋菊)」と記載のある資料もあった。
・『図説花と樹の大事典』(植物文化研究会編/柏書房/1996.2)…p41
・『新分類牧野日本植物図鑑』(牧野富太郎/北隆館 /2017.6)…p1185
・『日本の野生植物 5 改訂新版』(大橋広好[ほか]編/平凡社/2017.9) …p339、PL219に写真あり。
・『散歩で見かける野の花・野草』(金田一/日本文芸社/2013.10) …p398
- 回答プロセス
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1. キーワードに「アワコガネギク」でGoogle検索。
(1)コトバンク「アワコガネギク」
(https://kotobank.jp/word/%E3%82%A2%E3%83%AF%E3%82%B3%E3%82%AC%E3%83%8D%E3%82%AE%E3%82%AF-1502413)
…「別名のキクタニギクは自生地名(京都市菊谷川)による」とあり。
(※最終アクセス日2021年12月6日)
2. 貸出可能な本を希望とのことで請求記号「470」の棚をブラウジング。
(2)『秋の野草』(永田芳男/山と渓谷社/2006.11)
…p76の「アワコガネギク(泡黄金菊)」の項に、「黄色の花が盛り上がって咲く姿からこの名がついた。京都の菊渓(きくたに)にちなんだキクタニギクの別名もある」と記載あり。
(3)『日本の野草 秋』(矢野亮監修/学研/2009.9)
…p98「アワコガネギク(泡黄金菊)」(別名「キクタニギク」)の項に、「名は黄金色の花が群れ咲くのを泡にたとえたもの。別名は京都北山の菊渓にちなむ」と記載あり。写真と花や葉の形状の説明あり。
…p243「キク属」の(舌状花が黄色い花)に「アワコガネキク」があり、「花は密集し咲く」と説明あり。
→以上より、(2)(3)の資料を貸出し、別名は「キクタニギク」と回答し終了。
3. 後日、参考資料を追加調査。請求記号「R470」の棚をブラウジング。
(4)『図説花と樹の大事典』(植物文化研究会編/柏書房/1996.2)
…p41「アワコガネギク(泡小金菊)」の項に、「キク科の多年草。【和名由来】黄色い花が密集して泡のようにつくことから」「【別称/方言】アブラギク、イワヤギク(岩屋菊)、キクタニギク(菊谷菊、京都の自生地の地名から)」と記載あり。
(5)『新分類牧野日本植物図鑑』(牧野富太郎/北隆館 /2017.6)
…p1185「アワコガネギク(キクタニギク)」の項に、「[日本名]泡小金菊の意で、密集する泡のような小黄花に基づいて牧野富太郎が名付けた。アブラギクということもあるがこれは元来シマカンギクの名である。菊谷菊は京都のこの菊が自生する地名に基づく」と記載あり。
4. 請求記号「R627」の棚をブラウジング。
(6) 『キク大事典』(農文協編/農山漁村文化協会/2017.2)
…p(1)の「キクの野生種」の項に、「キクタニギク」あり。
5. (6)より、野生種とのことで、フリーワード「野生」「野草」+請求記号「R470」で自館資料検索。
(7)『日本の野生植物 5 改訂新版』(大橋広好[ほか]編/平凡社/2017.9)
…p339「キクタニギク(アワコガネギク、アブラギク)」の項に、「和名は京都東山の菊溪の菊の意味である。準絶滅危惧」と記載あり。
…PL219に写真あり。
(8)『散歩で見かける野の花・野草』(金田一/日本文芸社/2013.10)
…p398「アワコガネギク」の項に、「黄金色の小さな花が泡のように密集して咲く姿から、牧野富太郎博士が命名しました。京都の自生地、菊渓(きくたに)にちなんで、菊渓菊(きくたにぎく)の別名があります」と記載あり。
6. 「キクタニ」の漢字が「菊渓」「菊谷」と資料により異なっているので、フリーワードに「京都」&「地名」で自館資料検索し、次の資料を確認。
(9)『角川日本地名大辞典 26-[1]』(「角川日本地名大辞典」編纂委員会編/角川書店/1982.7)
…p480「きくたにがわ(菊谷川)」の項に、「菊渓川・菊水川・菊水渠・菊澗ともいう」「川名は、野菊が生育していたために菊渓と呼ばれた源流部の渓間に発することによると考えられた」と記載あり。
(10)『京都地名語源辞典』(吉田金彦[ほか]編/東京堂出版/2013.10)…記載なし。
(11)『京都の地名由来辞典』(源城政好[ほか]編/東京堂出版/2005.12)…記載なし。
7. (1)(9)より、自生地が「キクタニガワ」なので、請求記号「R517」の棚をブラウジング。次の資料に参考となる記載なし。
(12)『河川・湖沼名よみかた辞典 新訂版』(日外アソシエーツ株式会社編集/日外アソシエーツ/2004.2)
(13)『河川大事典』(日外アソシエーツ株式会社編集/日外アソシエーツ/1991.2)
→以上より、追加調査で(4)(5)(7)(8)の資料にも、「アワコガネギク」の別名を確認。別名「キクタニギク(菊渓菊、菊谷菊)」「アブラギク」「イワヤギク(岩屋菊)」があり、資料により異なっていた。
- 事前調査事項
- NDC
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- 植物学 (470 10版)
- 花卉園芸[草花] (627 10版)
- 参考資料
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- B10698680 秋の野草 永田芳男/著 山と溪谷社 2006.11 470.38 4-635-06068-3
- B10596644 日本の野草 秋 矢野亮/監修 学研 2009.9 470.38 978-4-05-404264-3
- B10029349 図説花と樹の大事典 植物文化研究会/編 柏書房 1996.2 470.33 9784760112319
- B10805306 新分類牧野日本植物図鑑 牧野富太郎/原著 北隆館 2017.6 470.38 978-4-8326-1051-4
- B10647357 散歩で見かける野の花・野草 金田一/著 日本文芸社 2013.10 470.38 978-4-537-21141-2
- B10741504 日本の野生植物 5 改訂新版 大橋広好[ほか]/編 平凡社 2017.9 470.38 978-4-582-53535-8
- B10706242 キク大事典 農文協/編 農山漁村文化協会 2017.2 627.55 978-4-540-16176-6
- コトバンク「アワコガネギク」 https://kotobank.jp/word/%E3%82%A2%E3%83%AF%E3%82%B3%E3%82%AC%E3%83%8D%E3%82%AE%E3%82%AF-1502413 2021年12月6日
- キーワード
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- アワコガネギク
- キクタニギク
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000310195