レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2016/04/01
- 登録日時
- 2016/06/25 00:30
- 更新日時
- 2016/06/25 00:30
- 管理番号
- 6001015496
- 質問
-
解決
明治時代初期の西洋料理がどのように作られていたか、当時のレシピ本を見たい。
- 回答
-
明治時代初期の西洋料理について記述した図書は次のとおりです。
・『図説江戸時代食生活事典』(日本風俗史学会/編 雄山閣1989.9)
p.396 「料理」の項目に明治初期の西洋料理の作り方を書いた本として、仮名垣魯文の『西洋料理通』(明治5年)、敬学堂主人の『西洋料理指南』(同年)、黒田行元訳の『西洋料理新書』(明治7年)が紹介されています。
p.397 「料理書- 西洋風」の項を引用しますと、「『西洋料理新書』は料理や栄養の基礎理論で、直接料理には関係はないが、のちへの影響は大きい。魯文のものは実技に、『西洋料理指南』はエチケットに詳しい。」
p.223 「西洋風料理」の項には、以下のような記述もありました。
「純洋食書は、明治五年仮名垣魯文の『西洋料理通』をまたねばばらない。したがって、幕末には横浜に一応の西洋料理店はあったものの、日本料理の献立にカツやコロッケが入り込むのは、明治もずっと末の話である。」
明治時代初期の料理のレシピ本である『西洋洋料理通』は、当館所蔵の『近代料理書集成 第1巻』(江原絢子/編・解説 クレス出版 2012.3)
に収録されていることがわかりました。原本は国立公文書館内閣文庫蔵で、上・下・後編の三冊からなる和綴じ本です。
『近代料理書集成 第1巻』の「解説」p.3に『西洋料理通』の元は英文で、横浜居留地で雇われた使用人に食料調理を命じる手控え帳であり、翻訳したものを校訂し、カタカナなどは平仮名に直して刊行したもであるということが記されています。関連部分を引用すると、「下巻には魚料理から露汁、煮焼之部とある」「後編の料理之部には、牛の心臓の焼き方、羊の首煮方など、肉食が少しずつ浸透する日本でもほとんど根付くことのなかったものもある。さらに、菓子之部には、干し柿、生姜、オレンジ、人参のプディングおよびライスプディングの五種のプディングが紹介されているが、カスタードプディングは見られない。」
「西洋料理通 後編(附録)」が国立国会図書館デジタルコレクションで閲覧できます。
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1084635?__lang=jp (2016年4月1日現在)
[事例作成:2016年4月1日]
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
-
- 食品.料理 (596 8版)
- 参考資料
-
- 図説江戸時代食生活事典 日本風俗史学会∥編 雄山閣出版 1989.9 (223、396-397)
- 近代料理書集成 第1巻 江原/絢子∥編・解説 クレス出版 2012.3 (解説p.3)
- http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1084635?__lang=jp (国立国会図書館デジタルコレクション 「西洋料理通 後編(附録)」)
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000193902