レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2015年08月28日
- 登録日時
- 2015/09/19 18:16
- 更新日時
- 2015/09/25 10:48
- 管理番号
- 塩尻285
- 質問
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解決
塩尻市宗賀にある伊夜彦神社の幟に書いてある文字の読み方が知りたい。
「神徳赫千秋 国威輝萬( )」( )内の 十 土 又を組み合わせた漢字(上の部分に「十」、下の部分は左に「土」、右に「又」という配置)。
- 回答
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【資料1】p9、【資料2】p3 「世」の項目の中に該当の字があった。
上の字とあわせ、「ばんせい(萬世)」と読むと思われる。
- 回答プロセス
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いくつかの漢和辞典より、十または又の部首で該当の字を引いてみたが、見つからなかった。
そこで、秋山白巌に関する資料から調べたところ、『秋山白巖展 = Hakugan : 日本近代書道の源泉 : 生誕150年記念』(松本市美術館/2014)p81に「神と民、人と人を繋ぐ 幟」という項目があり、「大きな神社から祖先を祀る氏神まで、秋山白巌は松本平だけでも数百本もの幟を揮毫した」とある。この中の主だった幟の写真が掲載されているが、今回探しているものはなかった。また、これらの中に似たような字も見つけられなかった。
『信州の書』1973、『新 信州の書』1977(ともに信濃毎日新聞社)を確認したが、該当の幟は掲載されていなかった。
次に、書かれている他の文字から推測することとし、書かれているものと一致する漢詩を探したが見つからなかった。
萬(万)のつく熟語を探したところ、万歳、万世などいくつか見つかった。
このうち、他の文字と対応しそうな字を中心に書道の字典から該当のものがないか探したところ、【資料1】p9の「世」の項目の中にお探しのものと一致する文字が見つかった。念のため他の資料も確認すると、【資料2】p3に同様の文字が見つかった。
改めて読み方を確認するため国語辞典を引いたところ、【資料3】p1229に「万世(ばんせい)」とあり、万代、永久というような意味であるとのことだった。なお、p824に「千秋(せんしゅう)」がでており、千年、長い年月という意味であるということと、「千秋万歳(ばんぜい)」という熟語が載っていた。(意味:千年万年。永遠。)
これらから調べている文字は「世」であると判断し、その旨お伝えした。
- 事前調査事項
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大正六年に秋山白巌氏が書いたものであるらしい。
- NDC
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- 書.書道 (728 9版)
- 参考資料
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【資料1】藤原鶴来 編. 新書道字典 : 書源普及版. 二玄社, 1985.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001749609-00 -
【資料2】法書会編輯部 編著 , 高田竹山 監修 , 高田, 竹山, 1861-1946 , 法書会. 五體字類 改訂第3版. 西東書房, 2001.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000007320751-00 , ISBN 4880980013 -
【資料3】西尾実, 岩淵悦太郎, 水谷静夫 編 , 西尾, 実, 1889-1979 , 岩淵, 悦太郎, 1905-1978 , 水谷, 静夫, 1926-2014. 岩波国語辞典 第7版 (新版). 岩波書店, 2011.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I023156690-00 , ISBN 9784000800471
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【資料1】藤原鶴来 編. 新書道字典 : 書源普及版. 二玄社, 1985.
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000180188