レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2021/03/07
- 登録日時
- 2021/04/25 17:47
- 更新日時
- 2021/05/11 11:39
- 管理番号
- 相市-R2-15
- 質問
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家にある掛軸の読み方と内容を知りたい。
「雲淡風輕近午天 傍花随柳過前川 時人不識余心楽 將謂愉閑學少年」
- 回答
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回答プロセスの通り資料を提供し、掛け軸のコピーの文字を写して、⑤のPDF資料の行き方を説明した。
- 回答プロセス
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●用語辞典の棚をブラウジング
①『くずし字用例辞典』 児玉 幸多/著 近藤出版社 1987 【R728 S05734587】
②『くずし字解読辞典 机上版 新装版』 児玉 幸多/編 東京堂出版 1993
【R728 S24063687】
③『古文書用語辞典 新版』 佐藤 孝之/編 天野 清文/編 新人物往来社 2012
【R210 S23669252】
④『古文書解読事典 改訂新版』 太田 尚宏/(他)編 東京堂出版 2000 【R210 S18548248】
⇒①~④に記載なし。
●インターネットで検索
掛軸の文字の中から読み取れる“雲淡風 天 花 人不”をピックアップし、Googleで検索
⇒Yahoo知恵袋に「風清雲淡」という語句について問う記載がヒットする。
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q10110184790
(2021/04/30最終確認)
元々は北宋・釈明道の詩「春日偶成」の「雲淡風軽近午天 傍花随柳過前川」からきていると思われ、
「雲淡風軽」が転倒して「風軽雲淡」となり、「風軽雲淡」は決まった言い方として定着していて、
「軽」が同音の「清」と誤写されて「風清雲淡」となり、意味は、風が涼やかで薄雲がかかっているそのような爽やかな春の日和を指す、
というような回答の記載があったので、この回答を参考に“傍花隋柳過前川”をGoogleで検索。
⇒⑤「梁敏見」というPDFファイルがヒットする。(追手門大学機関リポジトリで公開されている論文)
https://www.i-repository.net/contents/outemon/ir/203/203071106.pdf
(2021/04/30最終確認)
「『千家詩』に見える伝統的童蒙書(幼学書)の中国語演習」のp6に日本語訳が記載されてあり、掛け軸の語句と比較したところ多少異なる部分はあるもののほぼ一致することがわかった。
⇒「雲淡風輕近午天,傍花随隋柳過前川。時人不識余心楽,將謂愉閑學少年。」程明道(程顥)宋
(雲淡く風軽く午天に近し、花に傍い柳に随いて 前川を過ぐ。時人は識らず 余心楽しむを、將に謂わん 閑を愉みて少年を學ばんとすと)
【 】内は自館の請求記号と資料コードです。
- 事前調査事項
- NDC
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- 書.書道 (728 9版)
- 日本史 (210 9版)
- 参考資料
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『くずし字用例辞典』 児玉 幸多/著 近畿出版社 1987
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001489241-00 -
『くずし字解読辞典 机上版 新装版』 児玉 幸多/編 東京堂出版 1993
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002243113-00 -
『古文書用語辞典 新版』 佐藤 孝之/編 天野 清文/編 新人物往来社 2012
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I023421200-00 -
『古文書解読辞典 改訂新版』 太田 尚宏/(他)編 東京堂出版 2000
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002933437-00
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『くずし字用例辞典』 児玉 幸多/著 近畿出版社 1987
- キーワード
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- 書
- 書道
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000297563