レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2021/10/24
- 登録日時
- 2021/11/27 00:30
- 更新日時
- 2021/11/27 00:30
- 管理番号
- 6001052210
- 質問
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解決
明治時代から大正時代の、じゃがいもを使ったお菓子の作り方が記載されている資料が見たい。
- 回答
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以下の資料が見つかりました。
〈雑誌〉
・『家庭雜誌』1(6)(家庭雑誌社 1893.2)
明治26(1893)年2月に発行された婦人雑誌です。
以下の復刻版に収録されています。
『家庭雜誌 [復刻版]』1:189209-189308(不二出版)
「馬鈴薯の料理(ぢやがいものれうり)」(p.30)に、以下の記述があります。
「之をうでゝ、皮をむき、鉢にてすり、細抹となしたるのち、應分の砂糖を加へ、之に乾天の汁を加へて、重箱の内に入れて放冷(さま)せば、一種云ふべからざる美味ある羊羹(ようかん)となるべし(後略)」
また、この項の末尾には「此外、(中略)飴を作り、菓子を作るを得べけれども、そは略すべし。」とあります。
〈図書〉
・『いも一切料理法 : 家庭実用』(藤村棟太郎/著 大学館 明39.1)
当該資料は、国立国会図書館デジタルコレクションでインターネット公開されています。(2021/10/24現在)
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/848976/77
「第五編 馬鈴薯」(p.136-143、77-80コマ)に、馬鈴薯(じゃがいも)を使った料理19点について、作り方の説明があります。このうち、お菓子と思われる料理2点が見つかりましたので、その作り方について、以下のとおり紹介します。
「二五八 馬鈴薯餅」(p.139-140、78-79コマ)
「馬鈴薯の皮を剥き、煠(ゆ)でゝ擂盆(すりばち)に入れ、稍(やゝ)温気(おんき)ある間に擂(す)りつぶし、毛水嚢(けずるなう)にて濾し、之れに葛の粉を水にて溶きたるものを加へ、能く捏ね合せ、團子(だんご)に丸め取り、蒸籠に入れて蒸し、餡にて包むか、又は豆の粉に砂糖を混じたるものにてまぶし用ふべし。」
「二五九 馬鈴薯羹」(p.140、79コマ)
「馬鈴薯を洗ひ、煠でゝ皮を剥(む)き、擂盆に入れて擂り潰し、之れを毛水嚢にて濾し置くものとす。次に角寒天を水に浸し、軟かくなりしとき、小さく裂き砕き、鍋に水を入れて、之れを煮るべし。而してよく煮るときは、自(おのづ)から溶くるものなれば、之れを毛水嚢にて濾過し、前の摺り薯(いも)に加へ、砂糖を入れ、鍋に入れて徐々に煮るべし。此の場合に於いては、成るべく其の火を強くせざる様になし置くべし。且つ時々之れを掻き回さゞるときは、焦げ附く患(うれひ)あるべし。斯くて之れを重箱のごときものに流し込み、凝結したる後、取り出して、適宜の大いさに切るべし。」
・『各種野菜料理法』(山本久助/著 日本種苗 大正6)
当該資料は、国立国会図書館デジタルコレクションでインターネット公開されています。(2021/10/24現在)
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/945149/19
「馬鈴薯」(p.24-33、19-23コマ)に、馬鈴薯(じゃがいも)を使った料理30点について、作り方の説明があります。このうち、お菓子と思われる料理が見つかりましたので、以下のとおり紹介します。
「牡丹餅(ぼたもち)」(p.24-25、19コマ)
「馬鈴薯の外皮を綺麗に剝いで細かに刻みましたもの一貫目に精米一升を能く洗ひ揚げましたものを混ぜ一緒に鍋に入れて平常の飯の様に水加減して炊き鍋を卸して摺木にて米と薯と見判らぬやうになるまで能く煉り潰して適宜に丸め豆粉を付けて食べます。」
ほかに、以下の料理が掲載されています。
「搗(つ)き餅」「團子」「焼餅」「澱粉餅」「焼菓子」「滋養菓子」「干煎餅」「飴」「薯餅」「饅頭」「絞菓子」「御代の花菓子」「羊羹」「嘉壽亭羅(かすてら)」「乾霰(ほしあられ)」
・『食材別料理書集成 第2巻 いも・豆の料理』(江原絢子/編・解説 クレス出版 2017.1)
大正9(1920)年の料理書『馬鈴薯の料理』(東京割烹講習会/編 東京割烹講習会)の復刻版が収録されており、馬鈴薯(じゃがいも)を使った料理とその作り方が多数紹介されています。
それぞれの料理がお菓子であるかどうかについては記載されていませんが、このうち、お菓子と思われる料理は、以下のものが挙げられます。
「雪中の梅」(p.2-3)、「胡麻二色」(p.3-4)、「菱形馬鈴薯」(p.4-6)、「馬鈴薯團子」(p.20-21)、「瑞西風の馬鈴薯プジング」(p.61-62)、「馬鈴薯のプジング」(p.62)、「ポテート・スーフレ」(p.81-82)、「馬鈴薯煎餅」(p.90-91)、「馬鈴薯練り羊羹」(p.92)、「馬鈴薯鹽小倉かん」(p.115-116)、「馬鈴薯ひき茶金とん」(p.139)
〈Web〉
・農林水産省ホームページ「うちの郷土料理」「いももち/いもだんご 北海道」(2021/10/24現在)
https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/imomochi_hokkaido.html
北海道の郷土料理として、「いももち/いもだんご」が紹介されています。
「歴史・由来・関連行事」に、「明治の開拓時代、「いももち」は開拓者たちの貴重なタンパク源として重宝された。」とあります。また、材料や作り方についての説明もあります。
[事例作成日:2021年10月24日]
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 食品.料理 (596 10版)
- 参考資料
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- 家庭雜誌 [復刻版] 復刻版 不二出版 1 (30)
- 食材別料理書集成 第2巻 江原/絢子‖編・解説 クレス出版 2017.1 (2-6,20-21,61-62,81-82,90-92,115-116,139)
- https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/848976 (『いも一切料理法 : 家庭実用』(藤村棟太郎/著 大学館 明39.1)国立国会図書館デジタルコレクション(2021/10/24現在))
- https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/945149 (『各種野菜料理法』(山本久助/著 日本種苗 大正6)国立国会図書館デジタルコレクション(2021/10/24現在))
- https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/imomochi_hokkaido.html (農林水産省ホームページ「うちの郷土料理」「いももち/いもだんご 北海道」(2021/10/24現在))
- キーワード
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- じゃがいも(ジャガイモ)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- その他
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000308071