レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 20110216
- 登録日時
- 2011/03/17 02:03
- 更新日時
- 2011/03/17 14:08
- 管理番号
- B110124161557
- 質問
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解決
さつまいもの品種「鳴門金時」「ベルベット」の特徴等を知りたい。
- 回答
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ご紹介の事項に関し、以下のとおり回答します(【 】内は当館請求記号です)。
当館所蔵資料(NDL-OPAC「書誌検索(一般)」で件名「甘藷」「サツマイモ」、雑誌記事索引(すべての年代で論題「サツマイモ or 甘藷」)および各種索引データベース等による調査を行いました。
1.鳴門金時
(1) 『サツマイモ事典』(いも類振興会 いも類振興会 2010.1 【RB2-J62】)
「III章 サツマイモの生産と普及」(pp.131-210)の「1節 品種」(pp.132-163)の中で、サツマイモの多種多様な品種の系統や来歴、栽培地、特徴(色、形、味、食感、適する土地、寄生虫への耐性、用途など)を説明しています。「なると金時」については、栽培品種の変遷(pp.135-137)、高系14号の派生系統(pp.145-146)で説明しています。ほかに、四国(徳島、なると金時)(pp.174-175)、徳島県(pp.204-205)の項目に品種の特徴についての説明があり、p.205に「2007年に商標法の地域団体商標を取得した。」との記述があります。
(2) 『サツマイモの遍歴』(塩谷格 法政大学出版局 2006.8 【RB128-H6】)
「第七章 サツマイモの花」(pp.175-200)、「第八章 在来品種がたどった道」(pp.201-249)、「第十章 巨大な栄養系」(pp.297-334)で、サツマイモの品種の歴史をたどりつつ、その誕生の経緯や品種の特徴について説明しています。「鳴門金時」についてはpp.302-303に記述があります。
(3)「サツマイモ「なると金時」に関する試験研究の取り組み (特集 甘しょ)」林博昭(『特産種苗』(6) [2010.01] pp.32-34 【Z74-G197】)
徳島県立農林水産総合技術支援センター農業研究所で行われた「なると金時」に関連する試験研究から得られた主な成果についてまとめられています。とくにp.32で「なると金時」の外観品質の向上について、pp.32-33で土壌物理性の改善と「なると金時」の外観品質と食味との関係について記述されています。
(4) 「食べ方と一緒に届ける品種 サツマイモ 焼きイモ、蒸しイモ、お菓子に、ジャム…用途に合わせてどうぞ (2006年 品種選び大特集) -- (品種を届ける 食べ方提案)」平田一三(『現代農業』85(2) (通号 712) [2006.2] pp.104-109 【Z18-180】)
「ベニアズマVS鳴門金時」(pp.104-106)で、2つの品種の色や味などを比較しています。p.108には「筆者がこれまでに栽培したサツマイモ品種」の品種名、用途、栽培初年度、皮色、肉色、食味、栽培難易度、将来性などの一覧が掲載されており、鳴門金時も記載されています。
2.ベルベット
(5)「さつまいもの一般成分とカロチノイド」鈴木啓子、中村利恵子、糟谷美雪、森真弓(『相模女子大学紀要. B, 自然系』55B(1991) [1992.03] pp.43-49 【Z74-G412】)
資料(5)は当館で所蔵していますが、現在製本作業中のため本文を確認することができませんでした。なお、JDreamII(当館契約データベース)の抄録によると、資料(5)にはベルベットを含む5種類のカロチンいもと、一般に食されるベニコマチのカロチノイド含有量、収穫後と貯蔵後の一般成分の比較について記述されているようです。
(6) 「サツマイモ 甘さ、栄養、色、個性派品種ズラリ公開!」梅村芳樹(『現代農業』68(2) (通号 505) [1989.2] pp.110-113 【Z18-180】)
「ここで紹介する品種は現在わずかでも生産されていて、筆者が個人的に栽培し、食べているものです。特性はすべて鹿児島のデーターが中心です。」(p.110)として、p.112にベルベットの出荷先、色や食味などについての説明があります。
資料(4)の「筆者がこれまでに栽培したサツマイモ品種」(p.108)の一覧に、ベルベットも記載されています。
(7) 「サツマイモ・ジャガイモ (2004年 品種選び大特集「小さい流通」が拓く 個性化・多様化時代 大人気野菜の注目品種動向)」(『現代農業』83(2) (通号 688) [2004.2] pp.74-83 【Z18-180】)
戦中・戦後に「ニンジン」と呼ばれたサツマイモの一部として「鹿児島の隼人イモやベルベット、ベニハヤト」の特徴が記述されています。
(8) 「鹿児島県におけるさつまいもに関する試験研究 (特集甘しょ)」鹿児島県さつまいもでん粉対策協議会 ; 鹿児島県農業開発総合センター大隈支場(『特産種苗』(6) [2010.01] pp.26-29 【Z74-G197】)
大正時代にアメリカから導入され、「昭和20年代に、鹿児島県で栽培されていた代表的な品種」として「隼人いも」と「ベルベット」が挙げられています。
なお、資料(1)のp.136には「サツマイモの県別症例品種一覧(2006年)」が、pp.138-142には「サツマイモの農林認定(命名登録)品種一覧」、農研機構や県、民間などの育成した品種をまとめた「その他のサツマイモ品種」の一覧が掲載されおり、各品種の育成地、母、父、用途(特性)などが記載されています。
また、資料(3)が収載されている『特産種苗』(『特産種苗』 (6) [2010.01] 【Z74-G197】)のp.58に、農林水産省生産局生産流通振興課による「甘しょ主要品種(新品種含む)の特性等概要」一覧が、p.59に編集者作成の「甘しょ種苗登録品種(全体)」の一覧と「甘しょ種苗登録出願中品種」の一覧が掲載されています。
[調査済資料・データベース]
・『さつまいも』(坂井健吉 法政大学出版局 1999.2. (ものと人間の文化史 ; 90) 【RB128-G3】)
・『日本甘藷栽培史』(中馬克己 高城書房 2002.3 【RB128-G9】)
・『甘しょの高アントシアン品種の育成と色素利用の開発』(農林水産省九州農業試験場 1995.3 【RB128-E13】)
・『まるごと楽しむサツマイモ百科』(武田英之 農山漁村文化協会 1990.3 【RB128-E5】)
・「高色素サツマイモの育種と利用」山川 理(『農業および園芸』74(8) [1999.08] pp.851-856 【Z18-396】)
・「加工食品への利用拡大に向けた紫サツマイモの育種 (特集 野菜由来素材の新展開)」吉永 優(『月刊フードケミカル』24(10) (通号 282) [2008.10] pp.46-48 【Z17-1028】)
・「鹿児島のさつまいもの変遷と活用--さつまいもの品種の変遷とその利用(2)」進藤 智子 ; 徳田 和子 ; 竹原 小菊 他(『鹿児島純心女子短期大学研究紀要』(37) [2007] pp.153-167 【Z22-711】)
・「ウイルスフリー化処理によるサツマイモ立枯病の品種抵抗性の低下」高野 幸成 ; 雨宮 昭彦 ; 猪野 誠(『植物防疫』61(9) [2007.9] pp.485-488 【Z18-518】)
・「賢く選べ!とれる品種・売れる品種 カブ・カボチャ・サツマイモ編--多収性?耐病性?それとも買い手の需要? スーパー読者の「用途別」品種選び」依田 憲枝(『農業経営者』12(9) (通号 104) [2004.9] pp.86-89 【Z18-B361】)
・「サツマイモの遺伝育種 (特集 熱帯・亜熱帯の生物資源の多様性とその維持保存)」山川 理(『生物工学会誌』78(7) [2000] pp.270-272 【Z17-395】)
・「サツマイモ3品種の食物繊維の定量」進藤 祥子 ; 相場 由美(『聖霊女子短期大学紀要』(37) [2009.3] pp.47-51 【Z22-876】)
・「おいしいサツマイモ 新旧四品種食べ比べ」平田 一三(『現代農業』88(8) (通号 754) [2009.8] pp.180-185 【Z18-180】)
・「甘しょの品種課題と育種の基本方針等--総括及び九州沖縄農業研究センターにおける甘しょ育種について (特集 甘しょ)」吉永 優(『特産種苗』(6) [2010.01] pp.8-16,図巻頭1p 【Z74-G197】)
・「[農業・食品産業技術総合研究機構]作物研究所におけるサツマイモ育種について (特集 甘しょ)」熊谷 亭(『特産種苗』(6) [2010.01] pp.17-20,図巻頭1p 【Z74-G197】)
・「食と健康に貢献するサツマイモ育種の現状と未来 (特集 日本農学アカデミー・東京農業大学・実践総合農学会共催シンポジウム 植物育種の現在・未来と大学の役割)」山川 理(『食農と環境』(5) [2008.10] pp.60-65 【Z74-E635】)
・「品質・加工 サツマイモ蒸切干加工用品種の収量・品質関連形質に及ぼすマルチ被覆および気象の影響」藏之内 利和 ; 中村 善行 ; 高田 明子 他(『日本作物学会紀事』79(4) [2010.10] pp.491-498 【Z18-342】)
・「食品素材としてのサツマイモ--新品種開発によるブレークスルー (特集 種から見直すこれからの食品開発)」山川 理(『食品と開発』45(10) (通号 633) [2010.10] pp.8-10 【Z17-380】)
・「最近の食のトレンドに対応したサツマイモ品種開発の状況」中谷 誠(『日本食生活学会誌』15(3) [2004] pp.155-159 【Z71-F860】)
・「サツマイモ新品種の開発状況と新たな視点」中谷 誠(『農業技術』58(12) [2003.12] pp.529-534 【Z18-394】)
・「サツマイモ新品種「アケムラサキ」の育成」境 哲文 ; 熊谷 亨 ; 甲斐 由美 他(『九州沖縄農業研究センター報告』(53) [2010.3] pp.1-24 【Z18-302】)
・「茎葉利用サツマイモ品種「すいおう」の収穫特性と栄養・機能性」吉元 誠(『ニューフードインダストリー』51(5) [2009.5] pp.51-61 【Z17-415】)
・「注目の観賞用新品種情報--ピンクの穂のイネ/紫色の葉のサツマイモ/紅花イチゴ/イワダレソウ新品種 (2006年 品種選び大特集) -- (いやしの観賞用品種)(『現代農業』85(2) (通号 712) [2006.2] pp.218-221 【Z18-180】)
・「ジャガイモ、サツマイモ 作ってみたい、食べてみたい品種 (2002年 品種選び大特集) -- (作ってみよう 人気急上昇の野菜)」矢野 哲男(『現代農業』81(2) (通号 663) [2002.2] pp.114-118 【Z18-180】)
・聞蔵IIビジュアル(当館契約データベース)
・ジャパンナレッジ・プラス(当館契約データベース)
・日経BP記事検索サービス・大学版(当館契約データベース)
・日経テレコン21(当館契約データベース)
・毎日Newsパック(当館契約データベース)
・ヨミダス歴史館(当館契約データベース)
・雑誌記事索引集成データベース(当館契約データベース)
・JDreamII(当館契約データベース)
・品種登録データ検索(http://www.hinsyu.maff.go.jp/vips/cmm/apCMM110.aspx?MOSS=1)
・日本いも類研究会(http://www.jrt.gr.jp/)
・日本農業新聞(http://www.agrinews.co.jp/)
・全農(全国農業協同組合連合会)http://www.zennoh.or.jp/)
・JA全中(http://www.zenchu-ja.or.jp/)
・JAタウン(http://www.ja-town.com/)
・JAグループ鹿児島(http://www.ks-ja.or.jp/)
・JA種子屋久(http://www.ks-ja.or.jp/taneyaku/)
インターネットの最終アクセス日は2011年2月5日です。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
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『食材図典Ⅰ.Ⅱ』
『そだててあそぼうサツマイモの絵本』
『野菜園芸大百科12 サツマイモジャガイモ』
『ルーラル電子図書館』(インターネット)
- NDC
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- 被子植物 (479)
- 食用作物 (616)
- 参考資料
- キーワード
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- さつまいも
- 甘藷
- 鳴門金時
- ベルベット
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000082033