レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2017/07/05
- 登録日時
- 2017/12/02 00:30
- 更新日時
- 2017/12/02 00:30
- 管理番号
- 6000010704
- 質問
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解決
有島武郎の小説『星座』に、主人公の一人・園が札幌農学校演武場・時計台に登り鐘銘を確認する場面で、鐘の銘は「Magna est veritas, et praevalebit.」と書かれている。園が時計台に登った日時が「明治三十三年五月四日の午前十一時」とあり、当時有島武郎が実際に札幌農学校の学生であったこと、時計台登頂の様子がかなり具体的に描かれていることから、実体験に基づいて書かれているようにも受けとめられる。札幌市時計台の鐘銘は事実この通りなのか知りたい。
- 回答
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下記の資料を提供。
- 回答プロセス
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以下の資料に、鐘銘に関する記載あり。
①『さっぽろ文庫6 時計台』(K081.2/サ/6 0118042290) p103
「時計塔の鐘にラテン語で「心理は大能なり、心理は支配せん」と銘記されていると作中にあるが、これは武郎の創作である。」
②『時計台をめぐる資料』(KR521.8/ト 0115713018) p21
「鐘名「心理は大能なり、心理は支配せん」を読んで時計台の鐘にも銘がないかと塔に昇つた一節が、時計台の鐘に銘があるようにとられるが、実際 は何の銘も刻まれていない。」
③『星座』(K910.268/ア/3 0110144599) p224
「Magna est veritas, et praevalebit 中世教会ラテン語で、出典は旧約聖書外典、ヴルガータ訳「エズドウラス」第三巻・ 第四章・四十一節。マーニャ エスト ヴェリタス エト プレヴァレービットと発音する。ただし、実物の鐘には銘はない。」
④『日本文学全集 第25巻 有島武郎集』(918.6/ニ/25 0117220517) p438
「“Magna est veritas, et praevalebit.”というラテン語の鐘の銘は作者の作ったもので、農学校の時計台には、この銘はない。」
- 事前調査事項
- NDC
- 参考資料
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- 時計台札幌市教育委員会文化資料室/編北海道新聞社 (p103)
- 時計台をめぐる資料辻 寧光/編市立札幌図書館 (p21)
- 星座有島 武郎/著星座の会 (p224)
- 日本文学全集 第25巻有島 武郎/著集英社 (p438)
- キーワード
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- 有島武郎(アリシマ タケオ)
- 星座(セイザ)
- 時計台(トケイダイ)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000225785