レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2021/11/05
- 登録日時
- 2021/12/02 00:30
- 更新日時
- 2021/12/16 10:53
- 管理番号
- 10744005
- 質問
-
未解決
ベンガル語は、サンスクリット語からの変化でうまれていると聞いているが、比較的完成したサンスクリット語に対して、ベンガル語の文法は法則性が崩れているように思われる。両者の関係性について知りたい。
・ベンガル語の動詞の活用(変化)にみる一例
人称については、一人称 i 二人称 o 三人称 e 敬語複数 en、過去と習慣過去については、ラム、タムのように共通した原則があるように思われる。
しかし、未来形だけO e e enのように原則とずれているように思う。
百科事典等からは、ベンガル語形成過程で影響を受けた言語の一つとしてサンスクリット語が提示されていること以上の情報についてはわからなかった。
- 回答
-
ベンガル語とサンスクリット語の関係性について、以下のとおり調査しました。
資料1に、ご依頼の観点に関連する内容と考えられる記述がありましたので、参考としてお知らせします(【 】は国立国会図書館請求記号です)。
<資料1>
・東京外国語大学言語文化学部 編『言葉から社会を考える : この時代に〈他者〉とどう向き合うか』白水社 2016.12【KE19-L57】
→pp.71-73に「語彙は歴史を物語る ベンガル語」と題した丹羽京子氏の文章が掲載されており、p.72に「ベンガル語は(中略)サンスクリット語に対して口語方言とされるプラークリット諸語のうちの東部方言、そしてさらにそのプラークリットが「崩れた」とされるアパブランシャ諸語のうちの東部方言から生まれており(以下略)」とあります。
[そのほかの主な調査済み資料]
・柴田武 編『世界のことば小事典』大修館書店 1993.6【KE2-E12】
→pp.418-421に丹羽京子氏による「ベンガル語」の項があり、p.420に「文法の基本は、名詞の格変化と動詞の活用ですが、格変化はサンスクリット語などと比べて簡略化しており」との記述があります。
・「巻頭言:言葉の歴史はベンガルの歴史」日本バングラデシュ協会 メールマガジン 75号 2020年9月pp.1-2
( http://www.japan-bangladesh.org/wp-content/uploads/2020/09/merumaga-75-press_-s.pdf )
・亀井孝 [ほか]編著『言語学大辞典』第3巻 (世界言語編 下-1 ぬ~ほ) 三省堂 1992.1【KE2-E2】
→pp.967-977が「ベンガル語」の項。
・梶茂樹, 中島由美, 林徹 編『事典世界のことば141』大修館書店 2009.4【KE2-J2】
→pp.206-209が「ベンガル語」の項。
・大橋正明, 村山真弓, 日下部尚徳, 安達淳哉 編著『バングラデシュを知るための66章』第3版 (エリア・スタディーズ ; 32) 明石書店 2017.10【GE645-L6】
→pp.68-71が「ベンガル語」の章。
・ラジシェコル・ボシュ 編[他]『ベンガル語文法概説』日印文化協会 1964【829.8-cB74b-W】※国立国会図書館デジタルコレクション(国立国会図書館/図書館送信参加館内公開)
・丹羽京子 著『ニューエクスプレス+ベンガル語』白水社 2018.8【YU51-L4081】
・バーナード・コムリー, スティーヴン・マシューズ, マリア・ポリンスキー 編, 片田房 訳『世界言語文化図鑑 : 世界の言語の起源と伝播』新訂. 東洋書林 2005.1【KE61-H11】
・東京外国語大学HP( http://www.tufs.ac.jp/ )>ベンガルを学べる本( http://www.tufs.ac.jp/common/fs/asw/ben/index/books.html )
・CiNii Articles( https://ci.nii.ac.jp/ )
ウェブサイトへの最終アクセスは2021年11月2日です。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
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(1)『日本大百科全書21』p.200:ベンガル語に、ベンガル語形成にあたって、各種言語の影響を受けたことと成長過程でサンスクリット語を始めとした多言語から語彙を借用していることの記載があり。
(2)『世界大百科事典25』p.661:ベンガル語に上記(1)と似たような内容の記載あり。
- NDC
-
- その他の東洋の諸言語 (829 10版)
- 参考資料
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 人文(レファレンス)
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000308328