1.那須地区及び県全体の動向について
以下の資料に関連の記述を確認しました。
・「那須大学都市経済研究年報」(那須大学都市経済研究センター)
第3号(2003)に蛭田孝/著「那須地域観光の歴史と観光開発 : 那須町を中心として」等の論文が収録されています。
後述の論文検索データベース「J-STAGE」で第1号(2001)から全文を閲覧することができます。
(J-STAGE内のURL:
https://www.jstage.jst.go.jp/browse/nasuuniversitynenpou/list/-char/ja)
・「オール栃木」(オール栃木社)
地方自治等をテーマとした総合誌です。
当館で発行した『栃木県郷土資料総合目録』(冊子体目録)から内容をお調べしたところ、以下の記事を確認しました。
第8巻6月「観光、避暑、保養、研修地に開発ブームの那須高原」
第9巻8月「実現するか開発と建設―県や市町村の計画あれこれ―」
第14号2月「県土開発、建設いろいろのビジョン」等の記事が掲載されています。
・『県勢発展長期計画』(栃木県/編、発行 1970)
「第2部 県勢発展の基本方策」に、「第5章 新しい地域づくりの推進 第3節 地域開発の推進」があります。(p.296-298)
未開発観光資源の開発、工業などの産業の立地誘導について記されています。
なお、これ以前の計画にあたる『県勢振興長期計画』(栃木県/編、発行 1962)には、観光開発等の項目は確認できませんでした。
職員の目視による確認であるため、ご関心がある場合にはご自身でご確認ください。
・『県勢振興長期計画の成果と今後の課題』(栃木県企画部企画課/編 栃木県 1969)【館内】
『県勢発展長期計画』策定にあたり、これまでの計画と成果を検証したものです。
「6 観光の開発」では「主要課題の施策の方向」として「レクリェーション施設の整備」について検証しており、ゴルフ場等にも言及があります。(p.106)
2.那須地区以外の地域について
那須地区以外では、以下の資料を確認しました。
・『観光開発と地域産業 新時代に立つ奥日光と片品村』(金精峠有料道路開設対策協議会/編、発行 1968)
・『栃木県那須郡黒羽町観光開発診断報告書』(黒羽町〔ほか〕/編、発行 1969)
3.その他
以下の資料も時代背景を読み解く際に参考となります。
・『栃木新時代』(落合英秋/編 日本地域社会研究所 1987)
県内各地域の文化や産業に関する取組をまとめた資料です。関係者のインタビューや寄稿も多数あるほか、観光開発の話題も散見されます。(p.263-265「魅力ある観光地づくりをめざして」等)
・『足利銀行史』(足利銀行調査部/編 足利銀行 1985)
「第6章 経済の高度成長とともに」があります。
「第1節 高度成長下における経済・産業動向」「4.変容する栃木県内の産業と経済」(p.409-427)
「第2節 高度成長下における金融界の動向」「4.栃木県内の金融情勢」(p.433-436)
「貸出金の動向」の項があり、県内銀行業種別貸出金の推移から、当時の不動産業の拡大等を見ることができます。
なお、以下の資料は、当館で内容を確認した限りでは、土地開発、観光開発に関する話題の掲載は確認できませんでした。
・『経済連のあゆみ 創立40周年記念誌』(栃木県経済農業協同組合連合会/編、発行 1993)
30年誌、25年誌、20年誌も所蔵していますが、いずれも農地開発が中心の資料です。
・『黒磯町を中心とする産業開発』(平野直義/著 1958)
・『那須町を中心とする産業開発史』(平野直義/著 1960)
地元中学校の社会科教官が教育推進社会科研究発表で使用した資料のようです。
関連事例:
栃木県那須郡那須町大字湯本のあたりに、昭和2年に開発された近光荘という別荘地がある。
開発主体や設計者、図面など別荘地開発に関する資料や当時の情報を探している。
https://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000213592栃木県那須塩原市と板室温泉を結ぶ、「塩那スカイライン」という観光道路がかつて計画されたが、財政難や自然保護を理由に建設が中止された。この道路のほぼ中間地点と日光市横川を結ぶ廃道で、登山者の間で「工事用道路」と呼ばれている道路があるのだが、この「工事用道路」の建設の経緯等が分かる資料はあるか。
https://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000139604