レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2019年06月30日
- 登録日時
- 2019/12/25 00:30
- 更新日時
- 2020/10/28 00:30
- 管理番号
- 3A19005761
- 質問
-
解決
1858(安政5)年の「三日コロリ」(コレラ)によるたくさんの遺体を、連日、千日前で火葬したようだが、この時の様子などがわかる資料はないか。
- 回答
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「三日コロリ」(コレラ)のため、千日前で遺体を火葬したことについて以下の資料に記述がありました。1858(安政5)年の以外の江戸期の記述も参考までご紹介します。
(1) 『上方 -郷土研究- 第10号 千日前今昔号』(上方郷土研究会/[編集] 新和出版社 1971)
「千日前覚え帳」という手記の中の
p.12-13に「(五)葬儀の格式 附コレラ流行と千日前」の項があり、「ある年、悪病流行し死者毎日数百名に達し棺桶の山が出来たことがある。その際焼き場から火を発し一大修羅場と化した事もあつた(補綴者注-この一章或は文政五年のコレラ流行の当時を言ふのであらう。(後略))」等、コレラの流行と千日前についての記述があります。
(2) 『大阪市史 第2』(大阪市/著 清文堂 1965)
「第四編 徳川時代 第六期 天明七年より寛政五年に至る」のうち
p.286-287「虎列刺病の流行」の項に「千日墓所にて荼毘に附せるもの、合計二千八百三十一人に及び」
p.807「安政五年虎列刺病流行す」の項に「安政五年八月、虎列剌病流行す。暴瀉病又は三日コロリと呼び、死者甚だ多く、七墓にて日々五六百人の火葬を行へる程なるに(後略)」とあります。
(3) 『平野屋武兵衛、幕末の大坂を走る(角川選書 259)』(脇田 修/著 角川書店 1995.4)
p.191-193に「コロリ流行」の項があり、「安政二年(一八五五)の大流行などは大きな社会問題となった」「千日前にあった火葬場は、死体で大混雑となり」等の記述があります。
(4) 『淀川百年史』(建設省近畿地方建設局/編集 建設省近畿地方建設局 1974)
p.775「コレラの流行」の項に「文政5年はわが国に初めてコレラの流行した年で、(中略)千日前墓地で火葬にしたものが2831人におよんだという。」とあります。
(5) 国立国会デジタルコレクション『虎列剌予防史』(大阪府 編 大阪府衛生課 大正13)
「第三章 大阪府下の流行状況 一 第一次の流行」に文政五年のこととして、「千日の墓地に荼毘で附したもの二千八百三十一人に及び」とあります。
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/985246 (20-21コマ目)(2020.8.26確認)
- 回答プロセス
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1.当館での過去の調査事例(「千日墓地について」)で使用した資料を確認。資料(1)が見つかる。
2.『大阪市史 索引』(大阪市/[編] 清文堂出版 1965)の“コレラ”についての項目を確認。資料(2)が見つかる。
3.googleブックスで、キーワードを“三日コロリ”ד千日前”として検索し、ヒットした資料を確認。資料(3)(4)が見つかる。
4.国立国会図書館サーチで、キーワードを“大阪”דコレラ”、“大阪”ד虎列刺”で検索し、ヒットした資料を確認。資料(5)が見つかる。
- 事前調査事項
- NDC
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- 衛生学.公衆衛生.予防医学 (498 9版)
- 内科学 (493 9版)
- 参考資料
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- 当館書誌ID <0000501509> 上方 -郷土研究- 第10号 千日前今昔号 上方郷土研究会/[編集] 新和出版社 1971 資料(1)
- 当館書誌ID <0080103102> 大阪市史 第2 大阪市/著 清文堂 1965 資料(2)
- 当館書誌ID <0000443583> 平野屋武兵衛、幕末の大坂を走る(角川選書 259) 脇田 修/著 角川書店 1995.4 9784047032590 資料(3)
- 当館書誌ID <0000244962> 淀川百年史 建設省近畿地方建設局/編集 建設省近畿地方建設局 1974 資料(4)
- 「国会国会図書館デジタルコレクション:虎列剌予防史」(大阪府 編 大阪府衛生課 大正13) http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/985246 資料(5)
- キーワード
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- 大阪府大阪市中央区
- 千日前
- 三日コロリ
- コレラ
- 虎列剌
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000271387