レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 20120101
- 登録日時
- 2012/02/16 02:01
- 更新日時
- 2012/02/17 09:51
- 管理番号
- B2012口頭0101
- 質問
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解決
水-エタノール混合液の共沸点(Azeotropic point)とその組成を知りたい。
- 回答
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ご照会の事項について、以下のとおり回答します(【 】内は当館請求記号です)。
『化学辞典』【PA2-J31】「共沸混合物」(p.357)に、"混合溶液において、液相の組成と、それと平衡にある気相の組成が等しいとき、この溶液は共沸状態にあるといい、その溶液を共沸混合物、その組成を共沸組成、そのときの平衡温度を共沸温度または共沸点という"とあります。
日化辞Web(http://nikkajiweb.jst.go.jp/nikkaji_web/pages/top.html)で検索すると、エタノールの体系名・慣用名として、エチルアルコール、Ethyl alcoholなどがあります。
水-エタノール(エチルアルコール)共沸混合物の共沸点(共沸温度)と組成について記載している資料(1)-(11)がありましたのでご紹介します。
(1)『化学便覧.基礎編 2』(改訂5版 丸善 2004.2 【PA2-H22】)
「表 9.61 二成分系の共沸混合物(1atm(101,325 kPa))」(pp.II-193~II-194)では、二成分系共沸混合物の共沸温度と質量分率を表にまとめています。
水-エタノール共沸混合物(A成分が H2O、B成分がエタノール)はp.II-194に記載しており、共沸温度は78.174℃、水の質量分率は0.040とあります。
(2)『標準化学用語辞典』(第2版 丸善 2005.3 【PA2-H47】)
「共沸混合物」(p.171)に、"エタノール(96%)-水(4%)の溶液は1気圧で沸点78.15℃共沸混合物をつくる"とあります。
(3)『化学大辞典. 2』(縮刷版 共立出版 1963.8(第34刷:1993.6) 【PA2-G24】)
「きょうふつ 共沸、アゼオトロピー」(pp.859-860)では、p.859に二成分系混合物と共沸点、重量%などをまとめた「共沸をつくる二成分系(1気圧)」を記載しています。水-エタノール共沸混合物(成分Aが水、成分Bがエチルアルコール)の共沸点は58.174℃、水の重量%は4.0とあります。
(4)『常用化学定数表』(第3版 広川書店 1989.5 【PA2-E29】)
pp.144-146では、二成分系最低共沸混合物の沸点と重量%を表にまとめています。
水-エタノール共沸混合物(A成分が水、B成分がエタノール)はp.144に記載しており、沸点は78.15℃、水の重量%は4.43とあります。
(5)『溶剤ポケットブック』(新版 オーム社 1994.6 【PA2-E94】)PA31
pp.62-66に、「表3.14 2成分系共沸混合物」を掲載しています。水-エタノール共沸混合物(A成分が水、B成分がエタノール)はp.62に記載しており、沸点は78.174℃、A成分組成〔wt%〕は4.0とあります。
(6)『実験化学ガイドブック』(丸善 1996.4 【PA2-G13】)
pp.746-747に、「表6・67 2成分系の共沸混合物」を掲載しています。水-エタノール共沸混合物(A成分が水、B成分がエタノール)はp.746に記載しており、沸点は78.2℃、A成分のwt%は4.0とあります。
(7)『アルコールハンドブック』(第9版 技報堂出版 1997.8 【PA2-G25】)
pp.37-39に、「表-I.28 2成分系(エタノール-B 2成分系)」を掲載しています。
水-エタノール共沸混合物(A成分がエタノール、B成分が水)はp.39に記載しており、エタノール組成(wt%)が96.0の場合は78.174℃、95.57の場合は78.15℃とあります。
(8)『CRC Handbook of Chemistry and Physics』(91st ed. CRC Press 【Z63-C694】)
「Azeotropic Data for Binary Mixtures(二成分系混合物の共沸データ)」(pp.6-209~6-227)では、共沸点や混合物のうちComp.1の欄に書かれている成分のモル分率などを掲載しています。
水-エタノール共沸混合物(Comp.1がH2O、Comp.2が Ethanol)はp.6-211に記載しており、共沸点は351.25K、水のモル分率は0.1030とあります。
(9)『Lange's handbook of chemistry』(16th ed. McGraw-Hill 2005 【PA2-B22】)
pp.2.435-2.453に、「TABLE 2.42 Binary Azeotropic (Constant - Boiling) Mixtures」(を掲載しています。
水-エタノール共沸混合物はp.2.435に記載しており、共沸点は78.17℃、水の重量%は4とあります。
(10) 『Landolt-Bornstein 第6版』(Springer 1950- 【530.83-L258z6】)
6th ed. II/2a pp.362-654では、二成分系混合物の性質を掲載しています。
H2O, Wasser(水)とC2H6O, Äthanol(エタノール)の混合物はpp.389-391に記載しており、「Azeotrope Punkte(共沸点)」(p.391)に、様々な組成比における共沸点を表にまとめています。
(11)『International critical tables of numerical data, physics, chemistry and technology』(1st ed. Published for the National Research Council by McGraw-Hill 1926-1930 【530.83-N277i】)
v.3, pp.309-314では、様々な二成分系混合物の組成と沸点を表にまとめています。H2O-C2H6O(Ethyl alcohol)共沸混合物はp.310に、様々な組成、圧力下における値を掲載しています。
v.3, p.318に、「Two - Component Mixtures with Minimum Boiling Point(二成分系共沸混合物の極小共沸点)」を掲載しています。H2O-C2H6O(Ethyl alcohol)(A成分が H2O、B成分がEthyl alcohol)の極小共沸点は78.15℃、水のMole %は10.57とあります。
「Effect of Pressure upon Azeotropic Mixture(圧力が共沸混合物に及ぼす影響)」(v.3, pp.322-323)では、H2O-C2H5OH、H2O-C4H8O2(Ethyl acetate)、C2H5OH-C4H8O2(Ethyl acetate)の混合物の様々圧力下における組成比と沸点を表にまとめています。H2O-C2H5OH共沸混合物はp.322に掲載しており、100,150,200,400,760,1100,1450 mmHgにおける沸点を記載しています。
インターネットの最終アクセス日は、2012年1月27日です。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 分析化学[化学分析] (433)
- 参考資料
- キーワード
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- 共沸点
- 共沸温度
- Azeotropic point
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000101823