レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2017年1月11日
- 登録日時
- 2017/01/31 10:52
- 更新日時
- 2020/02/23 14:46
- 管理番号
- 中野0687
- 質問
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未解決
注連縄の当て字となった中国の葬儀の習慣について知りたい。
正月の注連縄の当て字の起源として昔の中国の葬儀の際の習慣に似ているからその漢字があてられたのでは、との説明をインターネットで見た。葬儀の後で故人の霊が戻らぬように門に水で清めた縄を垂らして結界を張ったとある。この注連の写真、画、図などが掲載されている本はないか。
- 回答
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注連縄の当て字となった中国の葬儀の習慣について、注連縄、中国の葬制、中国の風俗、各種事典・図版等、関連文献を調査しましたが、写真・画・図などが掲載されている文献は見当たりませんでした。
調査した文献は以下の通りです。
1.中国の「注連」に関する記述について
【資料1】『大漢和辞典 巻6』諸橋鐵次/著,大修館書店,1989(R813.2/モ/6)
p.1072「注連(チュウレン)」
「水を注いで清めて連ね張る縄。出棺後家の入口に再び亡鬼が家に還らないやうに張る。」
出典として、『顔氏家訓』が掲載されています。
【資料2】『顔氏家訓 1』顔之推/著,平凡社,1989(159.3/ガ/1)
本書は中国南北朝末隋初の学者である顔之推(531-91)が、その子孫のために永年にわたって書き遺した人生指南書です。
p.84「六六 死霊の迷信」
「(略)家に迷いこんだ死霊を追い払い、〔再びそれが進入しないように〕断ち切る印に注連(シメナワ)を張りめぐらす。」
【資料3】『中国文化伝来事典』 寺尾善雄/編,河出書房新社,1999(R210.1/テ)
p.211「しめ飾り・門松」
「中国で古くは芦で作った縄(絞索(こうさく)と称して、悪鬼を縛るためのもの)を元日に門戸にかけたが、これを取り入れた日本では、稲作でとれるワラを代用させた“しめなわ”(注連縄、七五三縄)を古くから張った~」
2.注連の意匠について
主に日本のものですが、注連のイラストが掲載されている資料をご紹介します。
【資料4】『図説藁の文化史』宮崎清/著,法政大学出版局,1995(583.9/ミ)
p.377「祭具・神具」に日本全国の注連飾・注連縄のイラストとともに文化的考察がなされています。
【資料5】『藁 I・II』宮崎清/著,法政大学出版局,1985(380.1/ミ)
I p.302注連縄の説明とともにいくつかイラストがあります。
II p.347 韓国と日本の意匠比較として様々な注連縄のイラストがあります。
【資料6】『月ごとの祭』 橋浦泰雄/著,岩崎美術社,1982(380.8/ミ/3)
p.51「注連飾」日本各地の注連についてイラストとともに民俗学的な視点からの解説があります。
【資料7】『しめかざり』森須磨子/著,福音館書店,2010(386/モ)
日本各地の注連飾のイラストがあります。
3.その他の主な確認済み資料
『中国歴史文化事典』孟慶遼/主編,新潮社,1998(R222.0/チ)
『中国社会風俗史』尚秉和/著,平凡社,1969(382.2/シ)pp.246-265「第二十三章 喪礼」「第二十四章 葬儀」
『世界美術全集 第3巻 東洋編 三国・南北朝』小学館,2000(708.7/セ/3)
『清俗紀聞 2』中川忠英/著,平凡社,1966(382.2/ナ/2)p.153「巻之十一 喪礼」
『中国の冠婚葬祭』丁秀山/著,東方書店,1988(386.2/テ)
『世界葬祭事典』松濤弘道/著,雄山閣,2010(R385.6/マ)
『日本神祇由来事典』川口謙二/編著,柏書房,1993(R172/カ)p.14「標縄(七五三縄)」
『日本語源大辞典』前田富祺/監修,小学館,2005(R812.0/ニ)p.616「しめなわ(注連縄・標縄・七五三縄)」
『古事類苑 6』吉川弘文館,1967(R031.2/コ/6)p.1204「注連」
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 風俗習慣.民俗学.民族学 (380)
- 参考資料
- キーワード
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- 注連縄
- 中国
- 葬儀
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000208372