1 隼人神社について
創建の年代や場所を断定する資料は見つけられなかったが、10世紀ごろの成立とされる『美濃国神名帳』には、不破郡鎮座の神社として「正二位 早人大明神」が記載されており、戦前に刊行された岐阜県の通史『濃飛両国通史』では、これを隼人神社のこととしている。
南宮大社の社殿は昭和41年に国の重要文化財に指定されており、隼人神社の社殿もそのひとつ。「文化遺産オンライン」(文化庁)によると、現在の本殿は1642年(寛永19年)に再建されたものとされている。
南宮神社 摂社隼人神社本殿 文化遺産オンライン:
https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/121884 2019年11月確認
2 引常明神について
南宮大社の末社で「引常明神」が祀られている湖千海(こせがい)神社のこととして回答。上記と同じく創建の年代や場所を断定する資料は見つけられなかったが、『美濃国神名帳』には不破郡鎮座の神社として「従五位上 引常明神」が記載されている。また『続日本紀』天平12年12月2日の条には、聖武天皇が「宮処(みやこ)寺」と「引常泉(ひきつねのいずみ)」に行幸したとの記載がある。
『濃飛両国通史』では「引常明神」の座地については「未考」とあるが、南宮大社の宮司が記した『栄光の曳常泉宮処寺考』(宇都宮敢著 1990年刊)では、湖千海神社が『美濃国神名帳』の「引常明神」だとしている。