以下の資料をご紹介した。
・『漢詩・漢文解釈講座 第18巻 日本文学と漢詩文』漢詩・漢文教材研究会 編集 昌平社 1995年
漢詩文を使用した古典文学作品を紹介し解説した本です。古文と、根拠となる漢詩文が掲載されている。
・『中世文学の回廊』小林保治 監修 大津雄一ほか 編集委員 勉誠出版 2008年
p.31~40 三田明弘「『今昔物語集』震旦部と『冥報記』‐戴冑幽霊譚を読む」
p.31「…(略)…この膨大な説話集はインドの話を集めた天竺部(巻一~巻五)、中国の話を集めた震旦部(巻六~巻十)、そして日本の話を集めた本朝部(巻十一~館三十一)の三部構成になっている。」
p.32「『今昔物語集』は、本話を含む多くの中国説話を、中国の説話集『冥報記』から収録している。」
と記述あり。
p.76~86 廣田收「『宇治拾遺物語』‐優婆崛多考」
『宇治拾遺物語』第一七四話について、直接の典拠は不明だが中国の『阿育王経』等が類似説話としてあることが書かれている。
・『日本古典文学全集 48』小学館 1978年
p.33「『英草紙』はひと口に、中国白話小説の翻案といわれているが…」
p.51 『雨月物語』九編の解説の中で、
「菊花の契 …(略)…中国白話小説集『古今小説』の中の、「范巨卿雞黍死生交」を原話として。ほぼそのままのあらすじで翻案した作品である。」
「夢応の鯉魚 …(略)…中国説話の「魚服記」系統の「薛録事魚服証仙」を素材として書いた一編。」
と記述あり。