尼崎藩主であった戸田家・青山家・（桜井）松平家3家・歴代12人の墓所を調べたい。

尼崎藩の立藩は、元和3年（1617）で、初代藩主は戸田氏鉄（うじかね）でした。その後青山家4代―幸成（よしなり）・幸利（よしとし）・幸督（よしまさ）・幸秀（よしひで）―が尼崎藩主となり、さらに（桜井）松平家7代―忠喬（ただたか）・忠名（ただあきら）・忠告（ただつぐ）・忠宝（ただとみ）・忠誨（ただのり）・忠栄（ただなが）・忠興（ただおき）が治め、幕末を迎えました。
戸田家は円通寺（岐阜県大垣市）など、青山家は安養寺（兵庫県神戸市）・梅窓院（東京都港区）など、（桜井）松平家は深正院（兵庫県尼崎市）・江戸霊巌寺（東京都江東区）など、各藩主家には菩提寺があり、藩主は菩提寺の墓所に埋葬されています。
各藩主の墓所を調べるには、各藩主家の系譜等家の記録、菩提寺の記録、ないしそれらをまとめた文献から調べることができます。なお、大名墓などが集められている高野山の墓所には、戸田家と松平家の墓所及び青山幸成の墓所があります。

1　尼崎藩主の墓所について記した文献
◆『大垣市史』通史編　自然・原始～近世　戸田氏鉄の墓所について記述がある。
　・p540～542「藩主の墓所」

◆『尼崎市史』第5巻
　・p136～145「青山氏世系図」幸成・幸利・幸督の埋葬地について記述がある。

◆『尼崎志』第一篇
　・p364～374「安養寺（移転）」　青山家菩提寺　　青山幸利・幸督の埋葬について記述がある。
　・p331～363「深正院」　　（桜井）松平家菩提寺
　「深正院内過去帳」に掲載されていたという藩主及び家族の法号が記されているが、すべての藩主の法号が記されていないことから、かかる記載は深正院に埋葬された藩主のみが記載されている可能性がある。忠喬・忠誨・忠栄・忠興の4人の藩主の名が確認できる。

◆宇高良哲『梅窓院史』(2004）　墓所を示した青山氏家系図がある。
　・第3章「梅窓院開基青山氏について」　

2　尼崎藩主の墓所について記した史料

◆尼崎市立地域研究史料館所蔵内田繁氏文書　請求番号5-3-1～3　（桜井）松平氏の歴代当主及び家族の法号と墓所の一覧。
　・「桜井家代々御法号」

３　高野山の尼崎藩主墓所について
◆尼崎市立地域研究史料館調査記録474「高野山墓所所在尼崎藩主墓所・契沖墓・尼崎市戦没者慰霊塔調査」（館内データ）
　　調査者：島原典子（尼崎市立地域研究史料館ボランティア）・辻川敦（尼崎市立地域研究史料館長）

【関連するレファレンス事例】
　あまがさきアーカイブズ　管理番号181
「神戸市中央区にある安養寺が尼崎藩主青山家の墓所となった経緯と、墓所の発掘によりあきらかになった副葬品について知りたい」
　 https://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000290278

戸田氏鉄：圓通寺（岐阜県大垣市）
青山幸成：増上寺・梅窓院（いずれも東京都港区）
青山幸利・幸督：安養寺（兵庫県神戸市）
青山幸秀：梅窓院
松平忠名・忠告・忠宝：霊巌寺（東京都江東区）
松平忠喬・忠誨・忠栄（ヵ）・忠興：深正院（兵庫県尼崎市）