レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2019年02月13日
- 登録日時
- 2019/02/13 17:28
- 更新日時
- 2019/02/27 15:21
- 管理番号
- 飯能-H30-002
- 質問
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『源平盛衰記』に出てくる和歌「 蓬莱山には千歳経る、万歳千秋重れり、松の枝には鶴巣食、巌の上には亀遊 」について、どのような状況で歌われたのか、背景等が知りたい。
- 回答
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まず、この和歌は、『源平盛衰記』巻第十七の「祇王祇女仏前事」の中に出てくる。
作中において、太政入道が京中で一番の遊女姉妹「祇王」「祇女」を召し出し、「舞い、歌え」と命じたところ、祇王・祇女がこの和歌を舞いながら歌ったとされる。(掲載箇所は、現代語訳著の『完訳 源平盛衰記 三』では、p.187。和歌の訳もあり)
また、『源平盛衰記絵巻』のp.28にその情景を記した絵がある。
歌の意味については、この歌に何か特別な深い意味等があるというよりも、お祝い事の際などに使われるおめでたい歌であるとのこと(『平凡社大百科事典 13』p.904)。
この歌は、当時の朗詠・今様その他の雑芸等についての公事の書『綾小路俊量卿記』にも記載されている(『群書類從 第7輯 公事部』p.45)。ただし、同著が現代語訳されて出版されているかどうかは、調査したが出版物は確認できなかった。
- 回答プロセス
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まず和歌ということで、『新編国歌大観』をはじめとしたレファレンスブックにあたり、並行して『源平盛衰記』に関連する書籍を調べた。
当館では情報が少なかったため、百科事典等も確認するとともに、県立図書館から資料を取り寄せて調査した。
- 事前調査事項
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利用者は書道をしており、書のお手本としてこの和歌が出てきたとのことであった。
- NDC
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- 詩歌 (911)
- 小説.物語 (913)
- 参考資料
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三野‖恵. 完訳源平盛衰記 3. 勉誠出版, 2005. (現代語で読む歴史文学)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I010929213-00 -
加美宏/著 , 狩野博幸/著 , 加美‖宏 , 狩野‖博幸. 源平盛衰記絵巻 図版篇. 青幻舎, 2008.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I027600663-00 -
塙保己一 編 , 塙保己一. 群書類従 第7輯 公事部 訂正3版. 続群書類従完成会, 1987.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I078630747-00 -
平凡社大百科事典 13 (フハーマキ). 平凡社, 1985.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001761441-00
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三野‖恵. 完訳源平盛衰記 3. 勉誠出版, 2005. (現代語で読む歴史文学)
- キーワード
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- 源平盛衰記
- 照会先
- 寄与者
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- 埼玉県立図書館
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000251682