レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 1997年07月01日
- 登録日時
- 2010/06/27 08:36
- 更新日時
- 2012/03/27 17:41
- 管理番号
- 名古屋市鶴-1997-021
- 質問
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解決
大正時代、現在の栄・三越の前に「中央バザー」という商店があった。そこに小倉トーストを考案したという「満つ葉」という喫茶店があったが、その写真はないか。
- 回答
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『名古屋名妓』(芝居屋)に「中央バザー内 満つ葉」の写真が掲載されています。いつ頃の写真であるかはっきりとはわかりませんが、大正14年頃のものだと思われます。
- 回答プロセス
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(1)まず当館所蔵の古写真や写真集を確認します。中央バザーの写真は『名古屋市史資料写真集』(名古屋市鶴舞中央図書館 1971年)や『写真集明治大正昭和名古屋』(三好信義 国書刊行会 1979年)などに掲載されていましたが、「満つ葉」の写真はありませんでした。
(2)当時の喫茶店についての資料である『百万・名古屋』(島洋之助/編 名古屋文化協会 1932年)や『喫茶店の文化史』(荒井清太郎/編著 坐の会 1991年)を調べてみましたが、見つかりませんでした。
[追記 2012年3月17日]
(3)別件の調査時に、『名古屋名妓』(芝居屋)に「中央バザー内 満つ葉」の写真があることがわかりました。しかし、当館所蔵のものは表紙や奥付に相当する部分が失われており、発行年についてもわからないためいつ頃の写真か時期を特定することができません。そこで中央バザー(勧工場)について調べてみると、『名古屋今昔写真集 第1巻』(樹林舎 2007年)に“中央バザーは明治44年に創設されたもので、建物内に貸店舗を作り、小売りのテナントを集める方式を採っていた。独特なムードを持つ施設として親しまれたが、昭和10年頃には閉店していたという。”とありました。
(4)朝日新聞(2001年2月28日朝刊)や中日新聞(2008年9月15日朝刊)の記事によると「満つ葉」が開業したのは大正10年頃とのことです。したがって、『名古屋名妓』の「満つ葉」の写真は大正10年~昭和10年頃までの期間の写真ということになります。
(5)改めて国立国会図書館サーチで「名古屋名妓」と検索してみると、当館以外にも『名古屋名妓』というタイトルの資料を所蔵しているところがあり、その出版年は1925年(大正14年)となっていました。
(6)また、『周縁のモダニズム』(馬場伸彦/著 人間社 1997年)に名古屋市市政資料館蔵の『名古屋名妓』(江崎千代吉・名古屋芝居屋)についての記述があり、こちらも1925年に刊行されたとあります。当館所蔵のものと同じものであるかは未確認ですが、『周縁のモダニズム』で紹介されている内容からすると同様のものであると思われます。
- 事前調査事項
- NDC
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- 衣食住の習俗 (383 9版)
- 参考資料
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- 『名古屋名妓』 芝居屋 [出版年不明]
- 『名古屋今昔写真集 第1巻』 林董一/監修 樹林舎 2007年 p.133
- 『周縁のモダニズム モダン都市名古屋のコラージュ』 馬場伸彦/著 人間社 1997年 p.153
- キーワード
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- 文化―名古屋市
- 写真-名古屋市
- 満つ葉(まつば)
- 小倉トースト
- 中央バザー
- 勧工場
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 『レファレンス ’97』掲載事例に追記(2012年3月17日)
- 調査種別
- 所蔵調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000068512