レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2006/12/14
- 登録日時
- 2010/06/12 02:00
- 更新日時
- 2011/06/22 17:30
- 管理番号
- 長野市立長野-06-042
- 質問
-
未解決
「安家長暦巻伝書」がどこにあるか調べてほしい。
- 回答
-
井本文庫にあるらしいとの質問者からの情報提供から、兵庫県立図書館などに問い合わせをしてみましたが、井本文庫は散逸しておりわかりませんでした。
事前調査の「続史愚抄」の『安家記』の引用箇所についての記述がありましたので、こちらを紹介しました。
- 回答プロセス
-
『安家記』については2006年3月8日にレファレンスを依頼され、国立国会図書館へ調査依頼したが、所蔵機関はわからなかった。
(長野市立長野-05-051 「『安家記』が読みたい」 https://crd.ndl.go.jp/GENERAL/servlet/detail.reference?id=1000068832)
「安家長暦巻伝書」についてとあるが、事前調査資料には「安家記」としか載っていない。
兵庫県西宮市在住、井本進氏(天文学者)の井本文庫にあるらしいとの事なので、兵庫県立図書館へレファレンス照会。
以下同図書館より回答。
----------------------------
「国文学研究所」→国書総目録のデータを電子化すべく、所蔵館に連絡したが不明の文庫とのこと。
・井本進氏が常任理事だった日本暦学会へ問い合わせるも不明。遺族の方も知らないだろうとのこと。
・井本進氏死亡→井本文庫散逸→神田茂氏、渡辺敏夫氏の二人が資料を引き継いだ模様(両名とも故人)
・国立天文台に問い合わせるも不明
その他、神戸市文書館、西宮市立中央図書館、西宮市郷土資料館、西宮市史編纂、兵庫県史編纂に問い合わせるも存在不明。
----------------------------
井本進氏は亡くなっており、地元の図書館でも把握していない。
事前調査の「続史愚抄」は柳原紀光が著したものなので、随筆「閑窓自語」(『日本随筆大成 〈第2期 8〉』)にあたるが、『安家記』については書かれていない。
『国史大系書目解題』p180に続史愚抄の該当箇所について記述あり。
「また慶長十二年三月二日条に『安家記』を引いて「巳刻皇子降誕、母中臣播磨守長女」との記事を掲げているが、『御湯殿上日記』『言経卿記』及び土御門家記録の『日時勘文留』には、同日女御分娩、皇女誕生のことが記されているので、本条の記事は妥当なものかどうか、なお検討を要するものと思われる。その他本文記事と依拠史料を照合するとき、単純な日次の掲げ違いも間々認められるのである。」
とあり。
確かに
「続史愚抄」(『国史大系 第14巻 新訂増補』p780)には皇子が誕生したとあるが、
「御湯殿上日記」(『続群書類従 補遺3‐〔9〕 訂正3版』p349)は皇女誕生、
「言経卿記」(『大日本古記録 言経卿記 14』)は皇女誕生とある。
こちらを質問者に提示する。
- 事前調査事項
-
「續史愚抄」『国史大系 第14巻 新訂増補』p780
- NDC
-
- 日本史 (210)
- 参考資料
-
- 『国史大系書目解題 上巻』坂本 太郎/編 吉川弘文館 1971 <210.08コ1>
- 『国史大系 第14巻 新訂増補』黒板 勝美/編輯 吉川弘文館 1999.12 <210.08コ14>
- 『続群書類従 補遺3‐〔9〕 訂正3版』塙 保己一/編纂 続群書類従完成会 1980 <081ク>
- 『大日本古記録 言経卿記14』山科 言経/著 岩波書店 1991.03 (県立長野図書館所蔵)
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
-
- 兵庫県立図書館(http://www.library.pref.hyogo.jp/)
- 備考
- 調査種別
- 所蔵機関調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000067753