レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2019年12月13日
- 登録日時
- 2020/03/27 14:26
- 更新日時
- 2020/04/10 12:16
- 管理番号
- 千県西-2019-0018
- 質問
-
解決
十二支のはじまりがなぜ「子」なのか知りたい。
- 回答
-
十二支の順序については諸説あるようです。関連する資料と掲載ページを示します。
【資料1】『十二支物語』(諸橋轍次著 大修館書店 1988)
p18-19「十干と十二支」
【資料2】『干支の漢字学』(あじあブックス 水上静夫著 大修館書店 1998)
p189-195「十二支の排列順」
【資料3】『干支の動物誌』(阿部禎著 技報堂出版 1994)
p288-290「十干十二支考」
【資料4】『十二支 易・五行と日本の民俗』(吉野裕子著 人文書院 1994)
p301「十二支象意」
【資料5】『宇宙動物園 干支のルーツを探る』(中村清兄著 法政大学出版局 1983)
p180-187「十二支」
【資料6】『中国の十二支動物誌』(鄭高詠著 白帝社 2005)
p24-26「鼠と十二支」
- 回答プロセス
-
自館の蔵書検索システムで件名「干支」や書名「十二支」と検索して関連資料に当たりました。各資料の関連する記述は以下のとおりです。
【資料1】
「『史記』の「律書」、『漢書』の「律歴書」、『白虎通』や『釈名』などに、若干の説明が出ています。(中略)子は滋であり、この時節には万物の滋る芽ばえのあること(中略)要するに十二支は、すべて季節に従って万物が春から冬に至るまで変化する状態を基としたものだと説明しているのです。」
【資料2】
「(前略)十干と十二支は、どのような理由で組み立てられ、どんな根拠によって排列されたものか。十干・十二支ともども全く不明(中略)。
新城新蔵氏の見解を単言すれば、(中略)これら(十二支名)の象形文字は皆それぞれ時節に縁故ある風物を選んで用いたものと思われる(中略)。子卯辰巳未酉戌の7つに就いては、それぞれ季節に因める符号として説明することが出来た(中略)。
赤塚忠の考えを挙げておこう。(子)幼児のひよめきの象形。(中略)十干の排列順が植物の生長段階にそったものであるように、十二支も、胎児の懐妊から提孩つまり2~3歳の幼児までの成長過程に見合ったものと考え(後略)。」
【資料3】
「干支を通俗的に説明しますと、その起源は古く、紀元前13~4世紀のころの中国(中略)の暦法で順序もしくは番号を表わすのに用いていた10種の漢字(中略)の総称十干と、季節にしたがって植物が変化していくさまを12段階に分け、それぞれ滋(中略)の文字を宛てていた十二支と組み合せ、十干十二支、略して干支とした(中略)十二支のそもそもが、植物の春から冬に到る変化を表わしていた(中略)。
最初は植物の生長にともなう変化を指していた12種の文字ですが、いつのころからか、それが音や韻によって子(中略)に置き換えられ(後略)。」
【資料4】
「十二支(中略)その初見は後漢の王充の『論衡』であって本来、十二支の十二字の示す象意は、十干と大体同じく、植物の発生・繁茂・伏蔵の輪廻である。「子」は孳るで、新しい生命が種子の内部から萌し始める状態。」
【資料5】
「なぜ十二支に子・丑・寅・卯等の十二文字が用いられたかということについて考えてみたいのですが、十干の時と同じように全くその理由が判りません。十二支の場合も十干の場合と同じように、『史記』や『漢書』、『白虎通』や『釈名』といった書物によって説明を聞くことになりますが、前もって、これもまた何ら根本的な理由づけにはならないということをことわっておきます。すべて韻通や音通で解釈しているのですから。まず子です。子は滋であり、この時節には万物の滋る芽ばえのあること。(中略)十二支はすべて季節によって万物の一年間の変化のありさまとして説いている」
【資料6】
「鼠が十二支獣の第一位に置かれているのはなぜか。これについては諸説粉々としていて(中略)ある説は中国でよく知られている神話「鼠咬天開」を論拠に、鼠には創世の功があるから十二支獣の筆頭に配されたのだと解釈している。また朱熹は、十二支獣の順番には古代人が十二支で時間を表したことと、それぞれの動物の一日の習性が深く関わっているのではないかと考え、その裏付けとして12の刻、すなわち十二時と動物の行動には次のような対応関係があるとした。夜11時から日付をまたいで1時までは子の刻で、鼠が最も活発に動き回る時間だ。(中略)
鼠が筆頭に置かれた理由を各人各様の解釈で説明した。ここではそのうちの一つ、宋の洪巽が『暘谷漫録』で試みている、十二支を陽性と陰性に分けた解釈を紹介しよう。(中略)12の動物は足の爪の数で奇数と偶数に分け、奇数を陽、偶数を陰とする。(中略)鼠の爪は前足が4本、後ろ足が5本であるから、前が陽、後ろが陰と、陰陽の中間に位置することになる。そして一日の始まりである午前零時を含む子の刻もまた、陰と陽をあわせ持っているため、「子」に鼠が配されたという。」
- 事前調査事項
- NDC
-
- 相法.易占 (148 9版)
- 伝説.民話[昔話] (388 9版)
- 参考資料
-
- 『十二支物語』(諸橋轍次著 大修館書店 1988)(1100647505)
- 『干支の漢字学』(あじあブックス 水上静夫著 大修館書店 1998)(2100378632)
- 『干支の動物誌』(阿部禎著 技報堂出版 1994)(2100725971)
- 『十二支 易・五行と日本の民俗』(吉野裕子著 人文書院 1994)(2100225787)
- 『宇宙動物園 干支のルーツを探る』(中村清兄著 法政大学出版局 1983)(1100325341)
- 『中国の十二支動物誌』(鄭高詠著 白帝社 2005)(2101809388)
- キーワード
-
- 干支
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000279633