レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2011年05月25日
- 登録日時
- 2011/05/25 14:24
- 更新日時
- 2011/05/25 15:00
- 管理番号
- 2011-0004
- 質問
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解決
日本で初めてのラジオCMは何か。
- 回答
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1951年9月1日「中部日本放送」で午前7:00に流れた「精工舎の時報」と考えられる。
事前調査:
二つの説が確認されている。
●請求記号:R180-YOS
『広告は語る』(吉田秀雄記念事業財団 編、発行、2005)
p. 149「民間放送設立」の項。
「この日の午前7時に流れた「精工舎」のメロディチャイムが日本初のラジオCMです」
●請求記号:108-SEN-2003
『最新CM制作の基礎知識:新版』(阿部正吉 著、宣伝会議 発行、2003)
p. 11「CMの歴史」の項。
「日本のCMはまずラジオから始まったのである。ラジオスポットの第1号はミニ・ドラマ形式の「スモカ歯磨」であった。」
回答プロセス********************************************************
下記当館所蔵資料に参考となる資料を確認した。(2011.05.19)
◎民放ラジオの開始日と開局した放送局を特定する
●請求記号:R102-UCH
『日本広告発達史:下』(内川芳美 編、電通 発行、1980)
p. 123「表Ⅱ-15 民放ラジオ開局順一覧」の項目あり。
→この内容により、日本で初めての民放ラジオ放送が1951年9月1日に「中部日本放送」と「新日本放送(現・毎日放送)」から開始されたことがわかった。
◎「中部日本放送」と「新日本放送」の放送当日の様子がわかる資料を探す
●請求記号:102-YAM
『昭和広告60年史』(山川浩二 編、講談社発行、1987)
p.214に以下の文章あり。
「9月1日午前6時30、中部日本放送が、正午から新日本放送(現毎日放送)が第一声を放った。」
→この内容により、両局で放送開始時間に差異があり、中部日本放送の方が早いことがわかった。
●『中部日本放送ホームページ』(http://hicbc.com/whatscbc/playback/no1/index.htm)
「ラジオ開局その日」に当日の番組編成の掲載があり。
→この内容により、CMについて以下のことがわかった。
*午前7:00に時報を流した。
*この時報は服部時計店寄贈の装置を使った。
*時報の内容は、軽快なリズムの予報音楽に続いて「精興舎の時計がただいま7時をおしらせしました」というものだった。
*これが中部日本放送のコマーシャル第1号であった。
*放送当日、午前7時、正午、午後7時、10時の4回の時報は精興舎の提供で流された。
●請求記号:102-NIK
『証言で綴る広告史』(日経広告研究所 編、発行、2001)
p. 58「未知の世界は番組販売自らCMの台本を書いて売る」の項。
昭和26年当時、中部日本放送広告部員だった高橋一夫氏のインタビューとして以下の記載あり。
「服部時計店の時報がスポットCMの最初です。この時報装置の第一号を我が社に納入して頂いたからです。~(略)」
→この内容により、やはり精工舎の時報がCM第1号としていることが分かった。
●請求記号:960-MIN-340
『毎日放送の40年』(毎日放送40年史編纂室 編、毎日放送 発行、1991)
p. 32「ついに本放送に突入」の項。
当日の放送開始時の様子について、以下の記載あり。
「午前11時59分30秒、~(略)コマーシャル第1号・服部時計店の正午の時報とスポット、15分間の毎日新聞ニュース、スモカ歯磨の60秒スポットが続いた。」
→この内容により、新日本放送でも精工舎の時報がCM第1号であることが分かった。
以上の内容により、日本で初めてのラジオCMは、
1951年9月1日「中部日本放送」で午前7:00に流れた「精工舎の時報」と考えられる。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 広告.宣伝 (674)
- 放送事業 (699)
- 参考資料
- キーワード
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- ラジオCM
- 精工舎
- スモカ歯磨
- 中部日本放送
- 新日本放送
- 毎日放送
- 照会先
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- 『中部日本放送ホームページ』(http://hicbc.com/whatscbc/playback/no1/index.htm
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000086613