レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2012年02月15日
- 登録日時
- 2012/02/15 20:22
- 更新日時
- 2012/02/29 11:32
- 管理番号
- 20120205-17
- 質問
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解決
オオクニヌシについて知りたい。
- 回答
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『国史大辞典』に次の情報があった。
おおくにぬしのかみ【大国主神】
「日本神話において多くの国々をことむけ、それを天孫に譲ったと語り伝えられる神格。この神格は日本古代の政治的統一の発達の過程において成立したもので、その原型は大名持(あるいは大穴持)神にあったであろう。大名持の原義も定かではないが多分大地主の意味で、日本の農耕発達の初期に大きく耕地を占める族長などが輩出したので、それを背景として成立した神格であろう。『古事記』『日本書紀』ともにこの神は異名が多いとし、八千戈(やちほこ)神・葦原醜男(あしはらのしこお)・顕国玉(うつしくにたま)神・大物主(おおものぬし)神・大国魂(おおくにたま)神・大己貴(おおなむち)神・大名持神など多くの名は同じ神であるとしている。しかし発生的に考えるとそれらの神名はいずれもそれぞれに特殊な発生理由をもっていたので、歴史上の人物とは同一視すべきではあるまい。各地で各段階で発生した諸神格が、日本神話の綜合期にまとめあげられたものであろう。その中で大国主神というのは最も新しい成立で、古代日本の統一が大きく進んだ段階において成立したものと思われる。歴史の現実としては日本は本来多数の原始国家に分かれ、それぞれに小さい国主がいたわけである。それを皇祖を中心とする大和朝廷が次第に征服し併合して大きな統一にまで高めた。その際にくり返し行われたであろう国譲の物語を神話的に統合し、ここに大国主神による国譲の神話が成立したと見られる。つまり大国主というのは数多い原始的小国家の集合的な観念にほかならない。(以下略)」
参考文献:
肥後和男『古代伝承研究』
- 回答プロセス
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Yahoo!百科事典[日本大百科全書(小学館)]に次の情報があった。
大国主命(おおくにぬしのみこと)
http://100.yahoo.co.jp/detail/%E5%A4%A7%E5%9B%BD%E4%B8%BB%E5%91%BD/ (2012/02/15確認)
「出雲国造(いずものくにのみやつこ)の祖神。出雲(いずも)大社の祭神。大穴牟遅神(おおなむちのかみ)(大己貴神)、葦原色許男神(あしはらのしこおのかみ)、八千矛神(やちほこのかみ)、宇都志国玉神(うつしくにだまのかみ)などの別名がある。(以下略)」
- 事前調査事項
- NDC
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- 日本史 (210 9版)
- 神話.神話学 (164 9版)
- 参考資料
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- 神道史大辞典 / 薗田稔, 橋本政宣編 吉川弘文館 , 2004 ISBN:4642013407 p.143
- 日本神話事典 / 青木周平[ほか]編 大和書房 , 1997 ISBN:4479840435 p.85
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出雲大社
http://www.izumooyashiro.or.jp/ (2012/02/23確認) - 日本神名辞典 第2版 神社新報社 , 1995 ISBN:4915265668 p.95
- 社寺縁起伝説辞典 / 志村有弘, 奥山芳広編 戎光祥出版 , 2009 ISBN:9784900901001 p.88
- キーワード
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- 大国主
- オオナムチ
- 大穴牟遅神
- 日本神話
- 大物主神
- 国作大己貴命
- 葦原醜男
- 八千戈神
- 大黒天
- オオクニタマ
- オオモノヌシ
- オオアナムチ
- 大穴持命
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000101656