レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2009年04月16日
- 登録日時
- 2009/07/11 14:50
- 更新日時
- 2009/10/06 14:01
- 管理番号
- 相橋-H21-004
- 質問
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解決
ナナカマドは七回くべても燃えないというが、炭にしたとき良いものになるという。その根拠となるものはあるか。
- 回答
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炭には質の硬い堅炭(かたずみ)と軟い軟質炭があるが、堅炭のほうが火力が強く火持ちが良い。堅炭の上質物として紫珠と花鍬樹があげられているが、花鍬樹とはナナカマドのことである。ナナカマドを原木とする備長は、質がきわめて緻密で堅く、かつ火力も著しく強く、火持ちが良い。(『植物名の由来』より)
- 回答プロセス
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ナナカマドは木であることから樹木に関する書棚を探すことに。
→『木の大百科 解説編』 <自館請求記号:R653>
和名索引よりP320~322“ナナカマド”の項目に“木がかたくて燃えにくく七度かまどに
入れてもなお残る、という意味と諸書に書かれているが、燃えにくいのではなくて、木材
実質が多いためたやすく燃えつきないことによるという方がよい”とある。
またP322“一般に薪炭材として良好である”ともある。
『森林・林業百科事典』 <自館請求記号:R650>
P772“ナナカマド属”に“和名は七度かまどに入れても燃え残るほど燃えにくいことに
由来するとするが説あるが、実際は決して燃えにくくない。”とあり、また“薪炭材として
用いられる。”とあった。
『樹木大図鑑』 <自館請求記号:R653>
日本名索引よりP151“ナナカマド”に“炭にすれば強い火力が得られ、火持ちがよい”、
“本種の炭は備長炭と呼ばれ、木炭の最上品として、料理屋、特に鰻の蒲焼きに用い
られたという。良質の炭をつくるには竈に入れて七日を要するとされ、これが日本名の
由来らしい(参考:中村浩著、『植物名の由来』)。”とあった。
→『植物名の由来』 <相模原市立図書館所蔵:470>
P157“ナナカマドは炭焼きにちなんだ名”に七度かまどにいれても燃えにくいで
はなく、炭焼きと関連した名で極上の炭を作る工程で七日間かまどで蒸し焼きに
するということに由来するのではないかとの記述あり。また、良質な炭について
の解説もあった。
- 事前調査事項
- NDC
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- 林業 (650 9版)
- 森林立地.造林 (653 9版)
- 参考資料
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- 『木の大百科 解説編』平井信二/著、朝倉書店、1998
- 『森林・林業百科事典』日本林業技術協会/編、丸善、2001
- 『樹木大図鑑』北隆館、1991
- 『植物名の由来』中村浩/著、東京書籍、1998
- キーワード
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- ナナカマド
- 樹木
- 炭
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000056365