レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2012年06月19日
- 登録日時
- 2013/12/27 16:22
- 更新日時
- 2014/05/08 11:08
- 管理番号
- 埼久-2013-094
- 質問
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解決
アイヌ語に由来していると思われるアバシリ(網走)という地名の意味について知りたい。
- 回答
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いくつもの語源が見つかった。主な資料と意味は以下の通りであり、これを提供した。
1『日本地名ルーツ辞典』(創拓社 1992)
p34-35に「アバシリの地名は、アイヌ語のア・パ・シリ(われらが発見した土地)、アパ・シリ(入口の土地)、同地にある岩窟の入口に雨水が溜り、漏水するのでアパ・シリ(漏れる所)を語源とする、などの説がある。最近では、網走港頭にある帽子岩のことをカムイ・ワタラ(神の岩)といって、漁民のアイヌが崇拝し、木の幣(ぬき イナウ)を捧げたところから、チパ・シリ(幣場のある島)と呼ばれ、それが訛ってアバシリになったと解釈されている。」とあり。
2『角川日本地名大辞典 1上 北海道』(「角川日本地名大辞典」編纂委員会編纂 角川書店 1987)
p86に「地名の由来はアイヌ語のアパシリ(我等が発見した土地の意)による(アイヌ語地名解)」とあり、その後7行程度の記述あり。
3『日本歴史地名大系 1 北海道の地名』(平凡社 2003)
p1283 「アバシリ」の項目のもとに「(・・・前略)アイヌ語に由来する地名」とあり、以下16行程度の記述あり。
4『北海道蝦夷語地名解 附 アイヌ地名考』(永田方正著 国書刊行会 1972)
p475「Chipashiri チパシリ」の項目のもとに「我等ガ見付タル岩」以下10行程度の記述あり。
5『アイヌ語地名解 更科源蔵アイヌ関係著作集6』(更科源蔵著 みやま書房 1982)
p262「(・・・前略)アパシリでわれ等が発見した土地などと訳されたこともあったが、こんな妙な地名がつくはずがなく、港の入口にある俗にいう帽子岩についた名で、カムイ・ワタラ(海中の神岩)と呼ばれたのが、なまったのであろうというのが近年の解釈である。」とあり。
- 回答プロセス
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自館目録を《アイヌ 地名》で検索し、上記回答の資料を提供した。
回答のほか以下の資料に記述がある。
『地名語源辞典』(山中襄太著 校倉書房 1989)
巻末に「アイヌ語地名対訳表」があり、p432に以下のように記述あり。
アイヌ語(当て字) 逐字訳 意訳・説明
ア・パ・シル(網走) われら・発見した・土地 発見地
『日本地名辞典 市町村編』(山口恵一郎編 東京堂出版 1980)
p27「地名は、アイヌ語チパシリで幣(ぬさ)場の意」とあり。
『コンサイス日本地名事典』(三省堂編修所編 三省堂 2007)
p52 「地名はアイヌ語の「チバシリ」に由来。1869(明2)「網走」と借字して命名」とあり。
『日本地図地名事典』(三省堂編修所編 三省堂 1991)
p144 上記資料と同一内容の記述あり。
- 事前調査事項
- NDC
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- 日本 (291 9版)
- 参考資料
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- 『日本地名ルーツ辞典』(創拓社 1992)
- 『角川日本地名大辞典 1上 北海道』(「角川日本地名大辞典」編纂委員会編纂 角川書店 1987)
- 『日本歴史地名大系 1 北海道の地名』(平凡社 2003)
- 『北海道蝦夷語地名解 附 アイヌ地名考』(永田方正著 国書刊行会 1972)
- 『アイヌ語地名解 更科源蔵アイヌ関係著作集6』(更科源蔵著 みやま書房 1982)
- キーワード
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- アイヌ語
- 地名
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 地名
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000142505