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レファレンス事例詳細(Detail of reference example)

提供館
(Library)
愛知芸術文化センター愛知県図書館 (2110019)管理番号
(Control number)
愛知県図-03310
事例作成日
(Creation date)
2015/11/13登録日時
(Registration date)
2015年11月13日 18時55分更新日時
(Last update)
2020年09月02日 12時49分
質問
(Question)
明治4年に名古屋県ができてから短期間で愛知県と改称したが、その経緯や理由が知りたい。他に候補はあったのか、誰が決めたのかについてもわかれば知りたい。
回答
(Answer)
1 経緯
 「井関権令の着任後、名古屋県は県名を県庁所在地の郡名に由来する「愛知県」へと改称する。」(【資料1】『愛知県史 通史編6』p19)、「明治五年四月二日付けの太政官布告第百八号をもって名古屋県は愛知県と改称されました。」(【資料2】『愛知県のなりたち-明治初期の藩・県ー』)

2 理由
(1)「愛知県への改称も新たに成立した県において旧藩名を使うことは名実が混淆し廃藩の主意が徹底しないと判断した」(【資料1】『愛知県史 通史編6』p19)
※【資料2】『愛知県のなりたち-明治初期の藩・県ー』にも同内容の記載あり。
(2)「名は、県庁所在地の郡名に由来するが、名古屋県からの改称の背景には明治維新の懲罰的意味があったとの説がある。(府藩県制史)」(【資料3】『角川日本地名大辞典 23』p66)が、【資料1】によれば「県名の改称は政府が強要したのではなく」(p19)とされる。
※【資料4】『宮武外骨著作集 第3巻』に『府藩県制史』の収録がある。
(3)「藩政時代の古いムードから抜け出そうとする意欲がうかがわれるといわれています。」(【資料5】『旧国・県名の誕生』p114)
(4)「愛知県」の名称は、尾張の中心名古屋が「愛知郡」に位置していたことから、機械的に命名」(【資料7】『知らなかった!都道府県名の由来』p127)
※【資料6】『都道府県名と国名の起源』にも、「県名は、愛知郡の名をとった」(p27)と記載あり。

3 他に候補があったのか
【資料1】から【資料7】を確認したが、他の候補についての記載はなかった。 

4 誰が決めたのか
(1)「名古屋県から要望したものであった」(【資料1】『愛知県史 通史編6』p19)
※【資料2】『愛知県のなりたち-明治初期の藩・県ー』にも同内容の記載あり。
(2)「未詳に薥するが、我輩の推測では井上馨の發案であつたらしいと思ふ」(【資料4】『宮武外骨著作集 第3巻』p242)
回答プロセス
(Answering process)
1 愛知県史を確認する。
 『愛知県史 通史編6』【資料1】に「愛知県の成立」の節、「名古屋県から愛知県へ」の項目があり、「名古屋県は一八七二年四月に愛知県と改称する」(p12)、「井関権令の着任後、名古屋県は県名を県庁所在地の群名に由来する「愛知県」へと改称する」(p19)、「愛知県への改称も新たに成立した県において旧藩名を使うことは名実が混淆し廃藩の主意が徹底しないと判断した名古屋県から要望したものであった。政府がそれを認めたことで現在に続く「愛知県」の名称が誕生した」(p19)と記載がある。また、「政府が「朝敵藩」や「日和見藩」の藩名を消滅させ、「忠勤藩」の藩名を温存したとする説がある。(中略)『府藩県制史』において唱えた説」と紹介したうえで、「しかし、実際には県名の改称は政府が強要したのではなく、新たな県治を遂行するにあたって旧藩名の継承が障害になると判断した地方官からの申し出によるものが多かった。」(p19)としている。

2 愛知県公文書館の資料を確認する。
  愛知県公文書館、愛知県、明治をキーワードに検索すると、資料2がヒットする。
  『愛知県のなりたち-明治初期の藩・県ー』【資料2】は、愛知県公文書館企画展の解説パンフレットであり、「明治五年四月二日付けの太政官布告第百八号をもって名古屋県は愛知県と改称されました。これは、「元名古屋県」と「名古屋県」とがわずかの違いしかなく、名実混淆しやすいため、県庁所在地の郡名である愛知郡から県名をとり、改称したい旨名古屋県から伺いが出され、それが認められたものです。」と記載がある。また、「太政官御布告」の写真や「愛知県のなりたち略年表」の掲載がある。

3 地名辞典を確認する。
  『角川日本地名大辞典 23』【資料3】の「愛知県」の項に、「県名は、県庁所在地の郡名に由来するが、名古屋県からの改称の背景には明治維新の懲罰的意味があったとの説がある。(府藩県制史)」と記載がある。(p66)

4 【資料1】【資料3】に記載があった『府藩県制史』を確認する。
  『宮武外骨著作集 第3巻』【資料4】に『府藩県政史』(宮武外骨著 名取書店)の復刻版が収録されている。その中に「賞罰的県名 順逆表示の史実」という項目があり、「廢藩置縣後たる明治四年十月より五年六月までの間に改置した縣名は、忠勤藩と朝敵藩とを區別するため、忠勤藩即ち皇政復古に勳功のあつた大藩地方の縣名には藩名を附け、朝敵藩即ち錦の御旗に刃向った大藩、および早く歸順を表せず、日和見の曖昧な態度であつた大藩地方の縣名には藩名を附けず、郡名又は山名川名等を縣名としたと云う事である」と記載がある。(p237)(『府藩県政史』p89)また、 「此順逆表示の縣名は何人の發案か」の項目があり、「未詳に薥するが、我輩の推測では井上馨の發案であつたらしいと思ふ」と記載がある。(P242)(『府藩県政史』p94)

5 「県名」で蔵書検索をし、愛知県への改称について記載がある資料を確認する。
『旧国・県名の誕生』【資料5】に、「愛知県の場合、県庁所在地の名古屋を県名としてもっていた名古屋県をわざわざ郡名に変えたわけであるが、これは少ない例の一つでしょう。そこには藩政時代の古いムードから抜け出そうとする意欲がうかがわれるといわれています。」と記載がある。(pp113-114)
『都道府県名と国名の起源』【資料6】に、「県名は、愛知郡の名をとったものである」と記載がある。(p27)
『知らなかった!都道府県名の由来』【資料7】に、「明治五年(一八七二)には「名古屋県」を「愛知県」に改称」(p126)、「「愛知県」の名称は、尾張の中心名古屋が「愛知郡」に位置していたことから、機械的に命名」(p127)とある。
事前調査事項
(Preliminary research)
NDC
中部地方  (215)
日本  (291)
参考資料
(Reference materials)
【資料1】愛知県史編さん委員会 編 , 愛知県. 愛知県史 通史編 6 (近代 1). 愛知県, 2017.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I028109396-00  (<当館資料コード:1111367223>)
【資料2】愛知県公文書館. 愛知県のなりたち : 明治初期の藩・県 愛知県公文書館企画展. 愛知県公文書館, 1996.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002552097-00  (<当館資料コード:1107118938>)
【資料3】角川日本地名大辞典編纂委員会/編 , 角川日本地名大辞典編纂委員会. 角川日本地名大辞典 : 愛知県 23. 角川書店, 1989.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I021917814-00  (<当館資料コード:1104968312>)
【資料4】谷沢永一, 吉野孝雄 編 , 宮武, 外骨, 1867-1955. 宮武外骨著作集 第3巻. 河出書房新社, 1988.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001935073-00 , ISBN 4309724531 (<当館資料コード:1104078632>)
【資料5】加藤 巳ノ平/編 , 加藤‖巳ノ平. 旧国・県名の誕生. 令文社, 1985.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I005599786-00  (<当館資料コード:1101733671>)
【資料6】吉崎 正松/著 , 吉崎‖正松. 都道府県名と国名の起源. 古今書院, 1973.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I005599784-00  (<当館資料コード:1101734051>)
【資料7】谷川彰英著 , 谷川, 彰英. 知らなかった!都道府県名の由来. 東京書籍, 2010.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000096-I005643123-00 , ISBN 9784487804856 (<当館資料コード:1110037994>)
キーワード
(Keywords)
愛知県
県名
照会先
(Institution or person inquired for advice)
寄与者
(Contributor)
備考
(Notes)
調査種別
(Type of search)
事実調査
内容種別
(Type of subject)
郷土
質問者区分
(Category of questioner)
社会人
登録番号
(Registration number)
1000183719解決/未解決
(Resolved / Unresolved)
解決
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