レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2020/10/2
- 登録日時
- 2020/11/26 00:30
- 更新日時
- 2020/11/26 00:30
- 管理番号
- 滋2020-0014
- 質問
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解決
滋賀県での干瓢の生産に関する歴史について知りたい。滋賀県では、農林水産省の「地域特産野菜生産状況調査」(2018年度)によると、干瓢を1t収穫している
- 回答
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滋賀県での干瓢生産の歴史は長く、『日本の食生活全集25 聞き書き滋賀の食事』には「甲賀郡水口町[注:現在の甲賀市水口]におけるかんぴょう栽培の起源は室町時代からとも、慶長年間に城主・長束正家が奨励したからともいわれている。」とあります。
同書には、さらに、安藤広重による東海道五十三次によって水口干瓢が一躍有名になったこと、18世紀後半から増産・商品化されるようになり、水口町で明治13年には2350貫目(約8800kg)の生産量があったことが書かれています。
その後の滋賀県での収穫量について、『野州干瓢の根源を探ぐる』には、水口干瓢は江戸時代以来栽培技術の革新がなく、明治半ばにはすでに野州干瓢(壬生干瓢の別名)が全国相場の大半を占めていたこと、第二次大戦後の農業革新により収穫量が増加し昭和35年には1025tとピークを迎えるものの、水口町をあげて工業誘致がなされ収穫量が減ったことが説明されています。
また、近年の資料では『近江の特産物発掘調査報告書』に、「(略)水口のかんぴょうは街道名物になっていたが、現在のかんぴょう生産農家は数軒になっている。食生活が大きく変わったこと、安い外国産、後継者がいないなど大きな転換期に直面している。」とあります。『近江ふるさとの味』には、専業農家の激減により出荷高が大きく減ったことが書かれています。
なお、参考資料にあげた、滋賀県が毎年刊行している『野菜の生産販売状況』にも干瓢の生産量が載っていますが、算出方法が異なるため農林水産省の統計の数値とずれがあります。ご注意ください。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 園芸利用 (628 8版)
- 参考資料
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- 1 日本の食生活全集 25 「日本の食生活全集滋賀」編集委員会∥編集 農山漁村文化協会 1991年 5-5900- 91 p161
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2 野州干瓢の根源を探ぐる 鵜飼宏侑∥著 栃木県市町村文化財保護委員会協議会 1961年 S-6233- 61 -
3 近江の特産物発掘調査報告書 滋賀の食事文化研究会∥編集 滋賀県農政水産部農業経営課 2007.3 SB-6000- 07 p28 -
4 近江ふるさとの味 京都新聞滋賀本社∥編 サンブライト出版 1983年 5-5900- 83 p195 -
5 近畿農林水産統計年報 平成28~29年 近畿農政局統計部∥編集 近畿農政局統計部 2018.5 SB-6008-16 -
6 農林業センサス累年統計書 地域編 農林水産省統計部∥編集 農林水産省 2008年 RB-6105-セ -
7 野菜の生産販売状況 平成29年度実績 滋賀県農政水産部農業経営課∥[編] 滋賀県 2019.3 SB-GC00-17
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- その他
- 質問者区分
- 学生
- 登録番号
- 1000289816