レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2015/06/21
- 登録日時
- 2015/10/21 17:50
- 更新日時
- 2016/01/15 17:51
- 管理番号
- 埼久-2015-078
- 質問
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解決
幸手市の高札に、安政四年に高札を立て替えたときの金額として「金五両三分 永六拾五文四分」とあったが、これは現在の値段に換算するといくらくらいか知りたい。
- 回答
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安政四年の物価と現代の貨幣価値の比較について、明確に記述されている資料は見当たらなかった。江戸時代の物の値段の例や、物価の算出方法が記述されていた以下の資料を紹介した。
『江戸生業物価事典』(三好一光編 青蛙房 1987)
p95-98「米の値」の項目あり。「江戸の庶民が日常百文買いに買う場合の米の相場」として安政5年は6合。「金一両にに米五斗余、蓋し近年七八斗を平とす」とのこと。
『江戸物価事典 江戸風俗図誌 6』(小野武雄編著 展望社 1983)
p183 両替表に「安政元年(1854)銀100匁が1両2分10匁 銀350匁が5両3分5匁」とあり。安政期の各品目(食品、薬など)の値段あり。
『近世賃金物価史史料』(小柳津信郎著 成工社出版部 2006)
様々な物品の江戸時代の物価が江戸時代の通貨で年毎に記述されている。
p130 安政四年 米一俵(4斗)に付き47匁5分
『近世後期における主要物価の動態』(三井文庫編 東京大学出版会 1989)
p111 「第7表江戸日用品小売物価表 安政4年の白米1石2付が銀101匁(春)、115匁(秋)」とあり。
『江戸東京年表』(大浜徹也編著 吉原健一郎編著 小学館 1993)
p248-249 「貨幣の換算」の項目あり。金貨の両・分・朱は四進法で換算し、4分で1両である。また「端数計算上の便宜から、主として租税貢納の際に永という十進法の単位も用いられた。これは永1貫文が金1両、永250文が1分」とのこと。物価比較できるような記述はなし。
『時代考証事典』(稲垣史生著 新人物往来社 1971)
p297「物価の割出し法」の中に「三貨表」(金貨、銀貨、銭貨の両替表)あり。
承応元年=酒一升四十文、豆腐一丁五文、こんにゃく一個二文など江戸時代の物価の例あり。また、米価を用いた物価の算出法が述べられている。
『日本史資料総覧』(東京書籍 1986)
p164 近世相場表(米相場)安政4年。月や場所により6種類の相場あり。
p179 近世相場表(金・銀・銭相場)安政4年あり。
『日本史総覧 4 近世』(今井尭編集 新人物往来社 1984)
p574 近世貨幣相場一覧の安政4年あり。
p611 近世米価一覧の安政4年あり。
『岩波日本史辞典』(石上英一編 岩波書店 1999)
p1616 「近世米価・金銀比較変遷表」あり。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 貨幣.通貨 (337 9版)
- 風俗習慣.民俗学.民族学 (380 9版)
- 日本史 (210 9版)
- 参考資料
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- 『江戸生業物価事典』(三好一光編 青蛙房 1987) , ISBN 4-7905-0511-1
- 『江戸物価事典 江戸風俗図誌 6』(小野武雄編著 展望社 1979)
- 『近世賃金物価史史料』(小柳津信郎著 成工社出版部 2006)
- 『近世後期における主要物価の動態』(三井文庫編 東京大学出版会 1989) , ISBN 4-13-046038-2
- キーワード
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- 貨幣制度-日本-歴史-江戸時代
- 物価
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000182652