レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2015年12月26日
- 登録日時
- 2016/09/15 16:31
- 更新日時
- 2020/01/26 14:34
- 管理番号
- 千県西-2016-11
- 質問
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解決
松戸駅西口付近の石碑に書かれている神社の読みが知りたい。「□墳稲荷神社」と書かれており、□には唐に似た形で、口の部分が水か米のような漢字が入る。
- 回答
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松戸神社の神主より、読み方は「すくもづか稲荷神社」であると情報を得たが、図書館資料には記述がなかった。
- 回答プロセス
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漢字を探すため、以下の辞典類をひく。5冊とも記述なし。
『大漢和辞典 [巻13] 索引』(諸橋轍次著 大修館書店 1986)9画~13画 广部 記述なし。
『国字の字典』(菅原義三編 東京堂出版 1993)
『異体字解読字典』(山田勝美監修 柏書房 1987)
『難字・異体字典』(有賀要延編 国書刊行会 1987)
『行草大字典』(赤井清美編 東京堂出版 1982)
以下の文化財関連資料をあたるが記述なし。
『松戸市内石造文化財所在調査概報 3 文化ホール紀要 路傍編』(松戸市文化ホール 1987)
資料では見つからないため、松戸市や県の文化財関係機関へ問い合わせた。そのうち松戸神社の神主より、「すくもづか稲荷神社」と読み、「康」とは違う字であると回答があった。
読み方が「すくもづか」であると情報を得たので、漢字と読みが併記されているか以下の資料を調査した。上記で記載した資料に加えて、地図、神社関連の資料を確認したが併記されているものは見つからなかった。別字があてられている資料はあった。
『日本国語大辞典 第7巻 しゅんふ-せりお』(小学館国語辞典編集部編集 小学館 2001)p892すくも
『難字・異体字典』(有賀要延編 国書刊行会 1987)p91 1005【康】異体字あり。2番目の文字が似ているが違う。
『角川古語大辞典 第3巻 し-そ』(中村幸彦編 角川書店 1987)p449-450すくも
『松戸市旧宿場町建築物調査報告書 松戸市立博物館調査報告書』(松戸市立博物館編集 松戸市立博物館 1999)p36「分間延絵図に見えるクスモ塚観音は現存しないが、
松龍寺境内に祀られているスクモ塚観音はこれを移したものであろう」(原文ママ)
・千葉県関係資料検索「菜の花ライブラリー」(https://e-library.gprime.jp/lib_pref_chiba/)を全項目で「すくも」「松戸 稲荷」と検索。結果のうち3件に「すくも塚稲荷神社」の記載はあるが、漢字ではなくひらがなやカタカナ表記のみ。
末満宗治「松戸の稲荷」『松戸史談 (通巻42号)』(松戸史談編集委員会)
p3松戸の稲荷一覧あり。「⑬スクモ塚稲荷神社 松戸坂下 稲荷宮石碑「昭和五子一二月吉日」」とある。
末満宗治「松戸の稲荷」『松戸史談 (通巻43号)』(松戸史談編集委員会)
p59松戸の稲荷一覧図あり。図中に「⑬スクモ塚稲荷神社 松戸坂下 稲荷宮石碑「昭和五子一二月吉日」」とある。
きりん亭猿象「松戸郷土史談(その2) すくも観音霊験記」『松戸史談(通巻16号)』(松戸史談編集委員会)p32-36
・別字があてられている資料
『ゼンリン住宅地図 松戸市 2016 07』(ゼンリン 2016)p129 C-4 「康墳稲荷神社」
『松戸の歴史散歩』(千野原靖方著 たけしま出版 2000)p191松龍寺 「また観音堂には籾殻(すくも)観音と称せられる聖観世音菩薩が安置されている」
『関宿通多功道見取絵図 第1巻 松戸 万満寺 小金 本土寺 流山河岸 小金一ノ牧』(児玉幸多監修 東京美術 1999)解説篇p21「弁財天堂の隣にスクモ塚観音堂が建っている。スクモは「籾殻」の字を宛てている」
・調査したが記載のない資料
『千葉県神社名鑑』(千葉県神社名鑑刊行委員会編 千葉県神社庁 1987)松戸市内なし
『神社・寺院名よみかた辞典』(日外アソシエーツ編集 日外アソシエーツ 1989)13画の漢字なし。巻末の読み索引の「す」の項にもなし。
- 事前調査事項
- NDC
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- 神社.神職 (175 9版)
- 参考資料
- キーワード
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- 神社
- 松戸市
- 金石文
- 石碑
- 碑文
- 照会先
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- 松戸神社
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000197003