レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2021/10/24
- 登録日時
- 2021/11/27 00:30
- 更新日時
- 2021/11/27 00:30
- 管理番号
- 6001052473
- 質問
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解決
中世ヨーロッパで使われていた鎖帷子の作り方を知りたい。
- 回答
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鎖帷子は何千もの数の鉄のリングなどをつないで作った鎧です。以下の資料に作り方の工程などが記載されています。
・『騎士道百科図鑑』(コンスタンス・B.ブシャード/監修 堀越孝一/日本語版監修 悠書館 2011.1)
第Ⅱ部第5章「よろいかぶと」(p.72-83)
「鎖帷子の作成」(p.76)
「鎖帷子は、何千もの数の鉄のリングで作られる。リングそれぞれが4つのリングに繋げられる。リングは、打ちのばした鉄の針金を必要な長さで切って、その両端を重ねて、リヴェット止めする。金台にのせて叩きつぶすのである。リングは直径6から12ミリメートルの間。この工程は、ヨーロッパでは、中世を通じて本質的に変わらなかった。(後略)」
・『西洋騎士道事典:人物・伝説・戦闘・武具・紋章』(グラント・オーデン/著 ポーリン・ベインズ/挿画 堀越孝一/監訳 原書房 2002.9)
「鎖帷子(Mail)」(p.104-105)
「金属の薄板を打ち抜いて輪にしたもの、もしくは、ワイヤーを輪にして末端を平らに打ち延ばしてそこを鋲でとめて、一つ一つ組み合わせたもので造ったタイプの鎧。一着の鎖帷子で、輪の数は10万個ほどにはなったろう。(中略)鎖帷子はじっさい、金属で造られたニット製の衣服であり、製造上おそらく同様の技術が用いられている。鎧製造業者は、型に合せて仕事をし、与えられた指示にしたがって網目の列を増やしたり減らしたりして、寸法を整える。(後略)」
・『武器の歴史大図鑑:A VISUAL HISTORY OF ARMS AND ARMOUR』(リチャード・ホームズ/編 五百旗頭真[ほか]/日本語版監修 創元社 2012.4)
「中世(1000年-1500年)」「ヨーロッパのメイル・アーマー」(p.92-93)
「メイル・アーマー(鎖帷子)は、鉄もしくは小さな輪(メイル)をつないで網状にしたものである。(中略)メイル・アーマーの製造には時間と労力がかかった。わずか1着のシャツ形のメイル・アーマーをつくるのに、3万に及ぶ小さな輪が必要だったのである。」
「通常、メイルには鍛造された鉄が使われたが、柔らかい鋼が用いられることもあった。」(p.92)
「メイルをつなぐのに、4to1システムというつなぎ方が使われることが多かった。どの輪も他の4つの輪につながっているのである。ヨーロッパでもっとも広く採用されていた編み方は、溶接とリベット固定を交互に用いる方法だった。14世紀になると、リベットだけが用いられるようになる。」(p.93)
[事例作成日:2021年10月24日]
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 兵器.軍事工学 (559 10版)
- ヨーロッパ史.西洋史 (230 10版)
- 参考資料
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- 騎士道百科図鑑 コンスタンス・B.ブシャード∥監修 悠書館 2011.1 (76)
- 西洋騎士道事典 新版 グラント・オーデン∥著 原書房 2002.9 (104-105)
- 武器の歴史大図鑑 リチャード・ホームズ∥編 創元社 2012.4 (92-93)
- キーワード
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- メイル・アーマー(メイル・アーマー)
- 鎖帷子(クサリカタビラ)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- その他
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000308068