レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 登録日時
- 2015/06/06 13:22
- 更新日時
- 2015/06/09 13:09
- 管理番号
- 相橋-H27-032
- 質問
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解決
(自分が所持している)掛け軸に書いてある「山色新」という言葉の意味が知りたい。
- 回答
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名詞「山色」の意味と、形容動詞「新(た)」の意味を伝えた。
「山色」は、「山の色、山の景色」といった意味がある。
「新(た)」は、「新しい、鮮やかな様、はじめてである」といった意味がある。
- 回答プロセス
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プロセス.A 「山色新」という言葉の読み方、意味や用例を調べる。
オンラインデータベース ジャパンナレッジ Lib(http://japanknowledge.com/library/ 2015/04/16 最終確認)でキーワード“山色新”で検索したが、該当する語句はヒットしなかった。
Kotobank.jp(http://kotobank.jp/ 2015/04/16 最終確認)でキーワード“山色新”で検索したが、該当する語句はヒットしなかった。
調べものコーナーの次の資料をみた。
『広辞苑 第5版』 新村出/著 岩波書店 1999 (自館請求記号:R813/カウンター)
p1113に「山色【さんしょく】」の項目があり、「山のいろ。山のけしき」とある。が、「山色新」という語句そのものは掲載されていなかった。
検索エンジンGoogle(http://www.google.co.jp/ 2015/04/16 最終確認 2015/04/18 最終確認)でキーワード“山色新”で検索した結果、個人運営と思われるが、次のウェブサイトがヒットした。
文化遺産オンライン(http://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/43341 2015/04/18 最終確認)
このウェブサイトでは、山本春挙(やまもとしゅんきょ)という画家による「山色新」という題名の墨絵に関する情報が掲載されている。が、「山色新」という言葉の意味がわかるような解説の類はなかった。
横浜大観の絵画作品一覧と所蔵美術館(http://kininaruart.com/artist/nihonga/taikan.html 2015/04/18 最終確認)
このウェブサイトでは、横山大観の作品及び収蔵施設の案内がまとめられており、「山色新」という作品が存在し、宮内庁三の丸尚蔵館及び永青文庫に所蔵されていることがわかる。が、「山色新」という言葉の意味がわかるような解説の類はなかった。
880104「昭和天皇御製1」(http://www2u.biglobe.ne.jp/%257egln/88/8801/880104.htm 2015/04/18 最終確認)
このページに「昭和三年 「山色新サンショクアラタナリ」*山山の色はあらたにみゆれども わがまつりごといかにかあるらむ」とある。また、冒頭に上記の歌は昭和3年の歌会始の御製である旨の記述がある。また、読売新聞社から刊行された次の資料に「山色新」の名のついた歌が掲載されている旨の記述があるので、所蔵を確認した上で取り寄せた。
『おほうなばら』 昭和天皇/著 読売新聞社 1990 (相模原市立図書館請求記号:911.168)
聞蔵IIビジュアル(http://database.asahi.com/library2/ 2015/04/18 最終確認)でキーワード“山色新”で検索した結果、次の新聞記事がヒットした。
「ご感懐おおらかに 天皇陛下のお歌」『朝日新聞 1989年1月8日 朝刊 15面』
この記事の中に「山やまの色はあらたにみゆれども我(わが)まつりごといかにかあるらむ
(昭和3年=即位礼の行われた年の歌会始「山色新」)」とある。
プロセス.B 「山色新」という言葉は、それぞれ「山色」、「新(た)」をあわせた熟語であると考え、それぞれの正確な意味を調べる。
オンラインデータベース ジャパンナレッジ Lib(http://japanknowledge.com/library/ 2015/04/09 最終確認)でキーワード“山色”、“新”で検索した結果、次の情報がヒットした。
“山色”
山の色。また、山の景色。
*扶桑集〔995〜999頃〕九・北堂漢書詠史得路温舒〈菅原文時〉「漢朝舟泛心中水、山色官尋眼外雲」
*正法眼蔵〔1231〜53〕谿声山色「山色の清浄身にあらざらん」
*中華若木詩抄〔1520頃〕下「丹青閣は風景の佳なる処にて、山色が此閣に映じて、画図のやうなるほどに」
*日葡辞書〔1603〜04〕「Sanxocu (サンショク)。ヤマノ イロ〈訳〉山々の色。文書語」
*読本・椿説弓張月〔1807〜11〕拾遺・附言「高松に属する処は、樹木森然として、山色(サンショク)青く」
*張説‐岳州観競渡詩「装山色変 急櫂水華浮」
"さん‐しょく【山色】", 日本国語大辞典, JapanKnowledge, http://japanknowledge.com, (参照 2015-04-08)
“新”
(1)今までと違って新しいさま。今までにないさま。
(2)(「あらたに」の形で)改めて行なうさま。物事を新しくするさま。
(3)見た目にはっきりとわかるさま。鮮やかで、ありありと見えるさま。
(4)(「灼」の字を当てることもある)効果、結果などが著しいさま。特に神仏の霊験や、善悪の報いが、たちどころにはっきり現われるさま。あらたか。いやちこ。
"あら‐た【新】", 日本国語大辞典, JapanKnowledge, http://japanknowledge.com, (参照 2015-04-08)
Kotobank(https://kotobank.jp/ 2015/04/09 最終確認)でキーワード“三色”や“新た”で検索した結果、次の情報がヒットした。
“山色”
大辞林 第三版の解説
さんしょく【山色】
山の色。山の景色。
“新た”
あらた【新た】
( 形動 ) [文] ナリ
① 新しいさま。今までにないさま。 「 -な問題が発生する」 「 -な局面」
② いきいきとして,古びないさま。 「思い出も-な海外旅行」 「 -な感動をよぶ」
③ 改めて行うさま。今までの状態を改めて,新しくするさま。 「 -なる門出(かどで)」 「認識を-にする」 「装いも-に開店する」
④ 神仏の霊験が著しいさま。あらたか。いやちこ。 「神恩-なるを感じて涙を流して/十訓 4」
ここまでの調査で「新(た)という形容動詞があることがわかったので、市内OPACでキーワード“形容動詞”、分類“R”で検索した結果、次の資料が見つかった。
①『短歌常用語辞典 形容詞・形容動詞編』 飯塚書店編集部/編 飯塚書店 1985 (自館請求記号:911.1)
p27に「あらた(あらた・だ)〔新た〕」の項目に「(形動ナリ)新しいさま。新しくなるさま。改めて始まるさま。はじめてである。いきいきしている。」とあり、また用例が掲載されている。
調べものコーナーの日本語や文法に関する資料のある棚をブラウジングした結果、次の情報がヒットした。
②『日本国語大辞典 第6巻 第2版 さこう-しゅんひ』 日本国語大辞典第二版編集委員会/編 小学館 2001 (自館請求記号:R813.1)
p331に「山色」の項目があり、「山の色、山の景色」とある。
- 事前調査事項
- NDC
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- 辞典 (813)
- 参考資料
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- 『短歌常用語辞典 形容詞・形容動詞編』 飯塚書店編集部/編 飯塚書店 1985
- 『日本国語大辞典 第6巻 第2版 さこう-しゅんひ』 日本国語大辞典第二版編集委員会/編 小学館 2001
- キーワード
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- 山色新
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 山色新 言葉
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000175501