レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2009/11/19
- 登録日時
- 2010/06/17 02:01
- 更新日時
- 2010/07/02 15:52
- 管理番号
- 埼浦-2009-097
- 質問
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解決
差別戒名の「卜」と「畜男畜女」の読み方を知りたい。
- 回答
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〈卜〉についてフリガナがあるもの
『差別戒名の歴史』(小林大二 雄山閣出版 1987)
『被差別部落の暮らしから』(中山英一 朝日新聞社 1998)
『戒名のはなし』(藤井正雄 吉川弘文館 2006)
「下の字の「一」をとると…」について記述のあるもの
『人間、根にあるもの』(木津譲 解放出版社 1989)
〈畜男畜女〉について、フリガナのあるもの
『被差別部落の暮らしから』(中山英一 朝日新聞社 1998)
- 回答プロセス
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『法名・戒名大字典』(国書刊行会 1975)
p349 「卜」呉音「ボク」 ただし、差別戒名としての記述なし。
『大辞典』(平凡社)『書泉』『大漢和辞典』『仏教語大辞典』(東京書籍)『望月仏教大辞典』ほか、大正期の国語事典なども調査したが記述なし。
自館目録を書名〈差別戒名〉で検索する。
『人間をふみにじるもの』(花園大学人権教育研究室編 法政出版 1997)
p138 「差別戒名の中に使われる下僕を意味する「僕」を、「卜」に置き換えたものとあるが、読み仮名は振っていない。
『差別戒名の歴史』(小林大二 雄山閣 1987)
p95 「(中略)傍らに人あり云、卜男卜女とかく、(後略)」にフリガナあり。
(かたわらにひとありいわく、ぼくなんぼくにょとかく)
p291 「「卜」の文字は、直接的な差別をもたない文字であったが、牌格が身分をあらわすためのものであるならばということから「卜=ぼく」の同音としての「僕」の文字による牌格が考えられたのであろうが、(後略)」
『差別戒名とは』(松根鷹著 部落解放研究所 1990)
p28 「「卜?」の「卜」は「僕」と同音で、下僕・隷僕の意味です。」
『差別戒名と部落の起源』(石尾芳久著 京都松柏社 [1982])
p79 「この「卜」は中世において多く用いられた「歩」の異字とみるべきである。」とあり。フリガナはなし。
部落差別の観点から調べる。
『日本の宗教と部落差別』(新教出版社 1987)
p13 「〔畜男〕とか、〔畜女〕とかの差別戒名と直に対面したときであった。」とあるが、フリガナはなし。
『宗教と部落差別』(部落解放研究所 解放出版社 1982)
p135 「「朴」「卜」(ぼく)も「僕」と同じ流れであろうと考えられる。」とあり。
p152 <畜男><畜女>の文字はあるがフリガナはなし。
『被差別部落の暮らしから』(中山英一 朝日新聞社 1998)
p177 差別戒名の項「連寂竿具草尼卜霊」に(れんじゃくかんぐそうにぼくれい)とフリガナがあり。
p180 「「卜」とは僕の略字で、「しもべ」。」の「卜」に(ぼく)とフリガナあり。
p205 「その際に「畜男」「畜女」と差別戒名が刻まれている墓碑を(後略)」に(ちくなん)(ちくにょ)とフリガナあり。
p193「差別戒名の指導書」の一つに『貞観政要格式目』(じょうがんせいようきゃくしきもく)が挙げられている。
『被差別部落の伝承と生活』(柴田道子 三一書房 1972)
p88 「その時、畜男・畜女という戒名がきざまれていた墓石があった。」とあるが、フリガナはなし。
『人間、根にあるもの』(木津譲 解放出版社 1989)
p97 「「僕」は「しもべ・つかえるもの」から、下僕=奴隷の意と思われる。「朴・卜」も同じ流れだろう。「朴」とは、木の皮の意があり、皮をはぐに通じる「卜」は下の字の「一」をとると「卜」になり、いいかえれば、下の下という意味になる。」とあり。フリガナの記述なし。
《BOOKPLUS》の検索から、
「釈迦に説法」(田村正男著 解放出版社)
p227に「畜男」「畜女」の記述あるが、フリガナはない。
『仏教は何をしてくれるのか』(島田裕巳 講談社)
p81に「畜男」の記述あるが、フリガナはない。
『戒名のはなし』(藤井正雄著 吉川弘文館)
p164に「卜?」に「ぼくれい」とルビをふった記述あり。
『国書総目録』《日本古典籍総合目録》で〈貞観政要格式目〉を調べるが、活字のものは見つからず。
『新修部落問題事典』(解放出版社 1999)
p153〈差別戒名〉の項に「卜」や「畜男」「畜女」の記述はなし。
- 事前調査事項
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ニッポニカ、広辞苑、日本国語大辞典
- NDC
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- 社会学 (361 9版)
- 参考資料
- キーワード
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- 法名
- 部落問題
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 図書館
- 登録番号
- 1000067943