レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2021年12月3日
- 登録日時
- 2021/12/11 11:05
- 更新日時
- 2022/01/06 10:14
- 管理番号
- 県立長野-21-189
- 質問
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解決
山梨県の甲府と長野県の旧・更府村(現・長野市)の地名の名付けに関係はあるのか。
- 回答
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当県の旧・更級(さらしな)郡更府村(現・長野市)の村名については、『角川日本地名大辞典 20 長野県』 角川日本地名大辞典編纂委員会編 角川書店 1990 【291.03/カド/20】p.466によると、
「明治22年~昭和31年の更級郡の自治体名。(-中略-)村名は更級郡の一字を取り府の字を添え
たものといわれる(更府小学校沿革誌)(-後略-)」
とある。また、上記が出典としている『更府小学校百年のあゆみ』 更府小学校百周年記念事業実行委員会編 更府小学校 1980 【N376.2/188】p.11-16にかけて、村の成立と村名についての記述があった。明治22年に吉原村、三水村、山平林村、安庭村の四ヶ村が町村制の施行により一村となったこと、名称決定までの変遷が書かれている。
「更府という名称についての確かな根拠は不明であるが、本編集委員の方々の説によると、大体
次のようである。」
として、犀川における通船に基地となることを期待しての「港村」、更級郡の物資の集散の中心地であるという意味で更科の府で「更府村」などがあったとのこと。しかし、結論が出ず、ついに郡役所の指示を受け「更府村」に決定した旨が書かれていた。
なお、山梨県の甲府市については、『山梨県の地名』 平凡社 1995 (日本歴史地名大系19) 【291.03/ニホ/19】 p.294に、
「甲府の地名の確実な用例は、天文一〇年(一五四一)九月二三日の今川義元書状(堀江家文書)
が今まで知られるなかでは最も古く、同状の宛先に『甲府江参』とある。『勝山記』の記載などで
わかるように、甲府は甲州(甲斐)の府中を意味する。」
とある。
どちらの地名もそれぞれの事情でつけられたもののようで、相互に関係がある様子は確認できなかった。
- 回答プロセス
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1 『角川日本地名大辞典 20 長野県』『歴史地名大系体系 20 長野県の地名』平凡社 1979 【291.03/ニホ/20】などで調査する。
2 『角川日本地名大辞典 20 長野県』の出典である『更府小学校百年のあゆみ』を確認する。
3 更府村がその後の周辺の町村と合併等により誕生した「信更村」の誌史を確認する。
4 『山梨県の地名』『角川日本地名大辞典 山梨県』等で確認する。
<調査資料>
・『概説 信更村史』 富田光行編 信州郷土史研究会 1968 【N215/33】
・『長野県の地名』 平凡社 1979(日本歴史地名大系20)【N290.3/54】
- 事前調査事項
- NDC
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- 日本 (291 10版)
- 参考資料
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日本歴史地名大系 20. 平凡社, 1979.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I005629726-00 , ISBN 4582490204 -
「角川日本地名大辞典」編纂委員会 編纂. 角川日本地名大辞典 19 (山梨県). 角川書店, 1984.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001702536-00 , ISBN 4040011902 -
更府小学校百周年記念事業実行委員会/編 , 更府小学校百周年記念事業実行委員会. 更府小学校百年のあゆみ. 更府小学校, 1980-00.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I059397799-00 (【N376.2/188】p.11-16)
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日本歴史地名大系 20. 平凡社, 1979.
- キーワード
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- 地名
- 更府村
- 信更町
- 長野市
- 甲府
- 信州学
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土 地名
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000308796