レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2019/01/18
- 登録日時
- 2020/04/25 00:30
- 更新日時
- 2020/05/02 13:34
- 管理番号
- 所沢富岡-2020-001
- 質問
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解決
山口観音(金乗院)の本堂の天井に描かれている墨絵の「鳴き竜」の作者について知りたい。
- 回答
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山口観音の「鳴き竜」(「雲竜図」)を描いたのは「関良雪」で、江戸時代中期の画家です。
以下の資料に記載があります。
〇『所沢市史研究 第11号』 所沢市史編集委員/編 所沢市史編さん室 1987年
〇『毎日新聞縮刷版 1977年9月』 毎日新聞社 編 毎日新聞社 1977年
〇『講談社日本人名大辞典』 上田正昭/[ほか]監修 講談社 2001年
〇『多摩の人物史』 倉間勝義/編集 武蔵野郷土史刊行会 1977年
- 回答プロセス
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1.所蔵資料の内容確認
△『埼玉ふるさと散歩 所沢市』 斎藤脩治/著 1993年
p.52-57 「10 弘法大師ゆかりの名刹 山口観音」の項目あり
p.53 「本堂外陣の天井に関良雪(りょうせつ)筆の「鳴き竜」が名高い。」との記載あり
×『所沢市史 上』 所沢市史編さん委員会/編 1991年
p.905-907 「市域にのこる絵画」の項目に、山口観音(金乗院)の市指定文化財「煙草屋図大絵馬」についての記載はあるが、「鳴き竜」についての記載は見当たらない
×『所沢市史調査資料 14 社寺資料編』 所沢市史編集委員/編集 1978年
2.後日調査による追加資料
〇『所沢市史研究 第11号』 所沢市史編集委員/編 所沢市史編さん室 1987年
p.151-153 「良雪と文松と文筌」の「山口観音の天井画 関 良雪筆」の項目に
「(前略) 山口観音の本堂外陣、10間に3間、30坪の大天井に一杯に描かれた「雲竜図」は、見る人の目を圧倒する。(中略) 絵師は武蔵府中出身の関良雪であり、彼は安永5年に74歳で歿しているから、この絵は彼が60歳のころ描いたものであり、まさに晩年に近い円熟期の作といえるのではなかろうか。(以下省略)」との記載あり
p.152「関良雪 (1703-1776)」の項に
「(前略) 元禄16年(1703)府中六所宮(大国魂神社)の神官である鹿嶋田和泉守藤原正常の子として生まれた。本名は鹿嶋田左内藤原常麻呂、後に東岳道人自然斎と称した。はじめ神官として六所宮に奉仕したが、30余歳にして神官を辞任し、江戸に出て絵の勉強に専念した。(中略) 世に知られているのは府中市鹿嶋田家蔵の「良雪自画像」、同じく府中市村上家蔵の「布袋・鶴・亀」の三幅対。同じく府中市大室家蔵の「人物図」、所沢市山口金乗院の本堂天井画「雲竜図」である。(中略) 安永五年(一七七六)七四歳で歿した。(以下省略)」との記載あり
〇『毎日新聞縮刷版 1977年9月』 毎日新聞社 編 毎日新聞社 1977年
p.754 昭和52年(1977年)9月27日 20面 「多摩郡の絵師〈5〉 関 良雪(せき りょうせつ) (1703-1775)」の記事あり
「江戸中期ようやく中央の文化が浸透し始めた多摩で、最初に絵師を志した人の一人とされる。元禄16年(1703)府中六所ノ宮(現大国魂神社)の神官鹿島田和泉守藤原正常の子として生まれた。本名は鹿島田佐内藤原常麻呂。(以下省略)」
△『日本随筆大成 第1期 13』 日本随筆大成編輯部/編 吉川弘文館 1975年
p.225-324 「向岡閑話」(むこうがおかかんわ)を収録
p.231 「目次」の「中巻」の中に「関良雪」の記載あり
p.278 「〇是政村の宿の襖に、関良雪、年七十の画あり。蟇仙人張果郎の画也。良雪は上野准后様の時、御とめ筆也と云」との記載あり
△『大田南畝全集 第9巻』 大田南畝/[著] 岩波書店 1987年
p.405-513 「向岡閑話」を収録
p.460 「関良雪」について、『日本随筆大成 第1期 13』と同じ記載あり
△『埼玉の寺 2』 敏蔭英三/写真 埼玉新聞社 1981年
p.115-121 「山口観音 吾庵山金乗院」の項目あり
p.119 「本堂の天井には、良雪描くところの龍の絵があり、絵の下で柏手を打つと、「ビ、ビ、ビーン」という感じの共鳴音が降ってくる。この鳴き龍は、昔から日光のそれとともに有名であった。」との記載あり
p.120 「鳴き竜―観音堂天井絵」の写真あり
【レファレンス事典から掲載されている資料を確認】
『人物レファレンス事典 美術篇』 日外アソシエーツ株式会社/編集 日外アソシエーツ 2010年
p.576 「関 良雪」の項目に以下の記載あり
「元禄16(1703)年-安永4(1775)年江戸時代中期の画家。」
掲載事典:『講談社日本人名大辞典』
〇『講談社日本人名大辞典』 上田正昭/[ほか]監修 講談社 2001年
p.1042 「せき-りょうせつ【関良雪】(生没年不詳)」の項目あり
「江戸時代中期の画家。江戸の人。牧谿(もつけい)や雪舟等楊(とうよう)の画を手本とし、道釈人物画を得意とした。行年六十三と付記した落款のある寿老人画をえがいている。宝暦(1751-64)ごろの人。号は三楽、東岳道人、自然斎」との記載あり
『人物レファレンス事典 郷土人物編[第1期]あ~せ』 日外アソシエーツ編集部/編 日外アソシエーツ 2008年
p.1419 「関 良雪」の項目に以下の記載あり
「江戸時代中期の画家。」
掲載事典:『多摩の人物史』
〇『多摩の人物史』 倉間勝義/編集 武蔵野郷土史刊行会 1977年
p.152 「関 良雪 (せきりょうせつ) (1703-1775 元禄16-安永4)」の項目あり
「良雪は、画家である。元禄16年(1703)六所宮の神官、鹿島田和泉守藤原正常の子として生まれた。(中略) 特に、水墨画に長じその名声は高かった。上野の精養軒の近くに良雪の記念碑が建てられている。安永4年(1775) に亡くなった。享年72才。墓は府中市本町の妙光院にある。(以下省略)」との記載あり
×『訪ねてみたい埼玉のお寺』 インデックス編集部/編著 インデックス 2006年
山口観音(金乗院)についての記載はあるが、天井画についての記載はなし
×『さいたま寺社めぐり』 花井泰子/文 幹書房 1999年
山口観音(金乗院)についての記載はあるが、天井画についての記載はなし
×『所沢市史研究 第1号』 所沢市史編集委員/編集 所沢市史編さん室 1977年
山口観音(金乗院)についての記載はあるが、天井画についての記載はなし
×『所沢市史研究 第21号』 所沢市教育委員会文化財保護課/編 所沢市教育委員会 1998年
山口観音(金乗院)についての記載はあるが、天井画についての記載はなし
×『埼玉のお寺』 埼玉県仏教会/監修 千秋社 2001年
山口観音(金乗院)についての記載はあるが、天井画についての記載はなし
- 事前調査事項
- NDC
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- 日本 (281 9版)
- 関東地方 (213 9版)
- 参考資料
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- 所沢市史研究 第11号 所沢市史編集委員/編 所沢 所沢市史編さん室 1987 213.4
- 毎日新聞縮刷版 1977年9月 毎日新聞社 編 毎日新聞社 1977 070
- 講談社日本人名大辞典 上田正昭/[ほか]監修 講談社 2001.12 281.033 4-06-210800-3
- 多摩の人物史 倉間勝義/編集 武蔵野郷土史刊行会 1977 281.36
- キーワード
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- 山口観音
- 金乗院
- 関良雪
- 雲竜図
- 東岳道人
- 自然斎
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 一般
- 登録番号
- 1000281027