レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2015/07/21
- 登録日時
- 2015/11/29 00:30
- 更新日時
- 2015/12/05 17:01
- 管理番号
- 0000001312
- 質問
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解決
花嫁のれんについて調べたい
- 回答
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・『かが・のとの冠婚葬祭』37pに「嫁入りの当日に吊られる嫁のれん 嫁のれんは、石川県全域、富山県西部に伝わった風習で、この嫁のれんを持って行かないと、嫁取りが始まらないと言われています。現在では、貸衣装店などで取り扱っているので、衣装を準備するときに共に用意します。」の記載がありました。
38pには「花嫁のれん 『のれん』といっても、一生のうちで数回しか利用しないつくりも使い道も非常にぜいたくなのれんです。三幅(反物三つ分の幅)も四幅もあり、薬玉や宝舟、鳳凰などの吉祥模様と新婦の実家の門が染め抜かれた華やかなものです。道具運びの時に近家に運ばれ、婚礼当日には、座敷の入り口に掛けられたこののれんをくぐって新婦は仏壇参りをします。1週間は、そのまま飾っておきますが、その後は、1~2年、正月や祭のときに飾られるだけです。(中略)のれんは前後どちらにも動くことから『婚家では、のれんのように従順であれ』という意味を持っているのです。(後略)」という記載がありました。
・『月刊染色α 特集:加賀の友禅のれん』p23に「加賀、能登の婚礼は今でも結婚式の前に花嫁が花婿の家に行き、仏壇と神棚の前でお参りする風習がある。この時、花嫁側が花嫁のれんを持参し、仏間の入口に掛け終わってからお互いに両家が挨拶をかわし、花嫁が花嫁のれんをくぐってまずご先祖様の御仏前に坐り、『今日からはこの家の人になります』と報告してお参りをするのであるが、のれんの竿を忘れて来た為に花嫁が待たされたという、嘘のような本当の話もある。この花嫁のれんはその後、1週間位は若夫婦の部屋の前にかけられる。『お部屋見舞』と称して両家の親類じゅうの女達が、かわるがわる花嫁の部屋を訪問し、お祝い旁々新郎新婦の顔色を伺い、安堵したり冷やかしたりしながら、花嫁持参の道具や衣装を拝見して帰っていくのである。加賀の女の一生で一番華やかな一時である。」の説明と、解説つきの24ののれん図版が掲載されていました。
・『金沢都市民俗文化研究所研究報告書 平成19年度』に「金沢市民俗文化財展示館」(現在は「金沢市くらしの博物館」)平成7年秋「花嫁のれん展」開催時の調査結果をまとめた、東條さやか学芸員による論文「花嫁のれんと袱紗」がありました。花嫁のれんとして紹介されていたものに、「夏のれん」「花婿のれん」が含まれていたこと、のれんの特徴、素材や絵柄の変遷が確認できます。また、花嫁のれん以外の婚礼道具(袱紗、重箱、押絵のし等)についても紹介されていました。
・『金沢の花嫁のれん展』に、花嫁のれんの画像が多数紹介されています。また『石川の婚礼・祝い事』では、「挙式の準備」~「挙式当日」に花嫁のれんに関する記載が散見されます。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 風俗習慣.民俗学.民族学 (38 9版)
- 参考資料
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- 1 かが・のとの冠婚葬祭 北国新聞社出版局?編 北国新聞社 1994.8 K386/17 37-38p
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2 月刊染色α 加賀の友禅のれん 染織と生活社∥[編] 1988.2 K753/50 17-29p -
3 金沢都市民俗文化研究所研究報告書 平成19年度 金沢都市民俗文化研究所?編集 金沢都市民俗文化研究所 2008.3 K381/1001/007 42-46p -
4 金沢の花嫁のれん展 金沢市民俗文化財展示館∥[編] 金沢市民俗文化財展示館 1995.10 K382/36/95 -
5 石川の婚礼・祝い事 今村/充夫?監修 本康/宏史?監修 石川県美容業生活衛生同業組合 2001.12 K386/1005 26-49p
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 学生
- 登録番号
- 1000184638