レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2015/01/31
- 登録日時
- 2016/12/24 00:30
- 更新日時
- 2016/12/24 09:31
- 管理番号
- 横浜市中央2468
- 質問
-
解決
落語に「振袖火事」もしくは「明暦の大火」という演目名があるか。
- 回答
-
落語の演目としては発見できなかった。
ただし、講談の演目には「振袖火事の由来」があり、『定本講談名作全集2』(講談社 1971)で内容を確認することができる。
調査経過
1 落語の演目名からの調査
(1)便覧類
以下の資料を確認したが、いずれも発見できなかった。
『落語ハンドブック』 山本進/編 三省堂 2001.07
『新編落語の落(さげ) 1・2 東洋文庫』 海賀変哲/著 平凡社 1997.02
『千字寄席 噺がわかる落語笑事典 上・下巻』 古木優/編 PHP研究所 1995.08
『落語手帖』 矢野誠一/著 講談社 2009.11
『ライブラリー落語事典 東京編』 保田武宏/著 弘文出版 1982.11
『落語事典』 東大落語会/編 青蛙房 1973
『現代落語事典』 古典芸能研究会/編 光風社書店 1977.6
『現代上方落語便利事典』 相羽秋夫/著 少年社 1987.7
『落語大百科 第1~6巻』 川戸貞吉/著 冬青社 2001.01~
(2)全集
『定本・落語名作全集 下』 小島貞二/編 立風書房 1972
柳亭痴楽による演目「お七」の中に、
「本郷の丸山本妙寺というところから出火したという有名な振袖火事」
と出てくる(p360)。
ただし、解説(p.364)には、この話は痴楽のアレンジによるものであり、その上、「痴楽はお七と吉三の出会いの火事を、明暦三年(一六五七年)の「振袖火事」としているが、天和元年(一六八一年)の本郷丸山の火事が正しい」とある。
2 テーマとして振袖火事を扱った落語に関する調査
(1)火事に関する資料の調査
演目名がわからない場合、便覧類で探すのは難しいため、 火事に関する資料から調査を行ったが発見できなかった。
『火のはなし 2』 秋田一雄/著 技報堂出版 1986.9
p64「火事の出てくる落語」(火事息子、厩火事)
『火と水の文化史 消防よもやま話』 白井和雄/著 近代消防社 2001.04
p135「第六章 火事がテーマの落語」(市助酒ほか17件)
(2)web検索
一般の検索エンジンでは振袖火事と落語のキーワード検索でめぼしい結果を得られなかったので データベースを探した。
『落語検索エンジンご隠居』
全文検索が可能だが、「振袖火事」「明暦」「大火」ではヒットせず、「火事」で7件
『文化デジタルライブラリー』(独立行政法人日本芸術文化振興会)
演目しか登録されていないが、念のためキーワード検索をしたところ、
講談「振袖火事の由来」の口演記録がヒットした。
3 講談「振袖火事の由来」に関する調査
講談の可能性もあると考え、念のため「振袖火事の由来」をNDLOPACで確認。
3件ヒットのうち、当館所蔵の
『参考書誌研究』第53号(2000・10)「講談本の研究について付講談登場人物索引,講談小話.・異名索引」 に以下の記述を発見。
「振袖火事の由来」→紀伊国屋文左衛門(内)
これをもとに講談本を調査した結果、講談師の口演を活字にした資料の中に、以下のテキストを発見した。
『定本講談名作全集 2』(講談社 1971)所収「紀国屋文左衛門」(寶井琴凌)
このうち、「振袖姿の美少年」「三人の娘を殺した怪振袖」「名も高し振袖火事」「百万両の成功」の部分が該当すると思われる。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
-
- 大衆演芸 (779 8版)
- 参考資料
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000204691